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転生ルーレット  作者: 秋葉 節子
転生五回目
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依頼を受け出発したわけで。

 依頼についての詳しい情報は依頼人から聞いてくれと受付の人から聞いたので、依頼人の居る場所へと向かっていた。

その場所は川を渡り、ホワイトウォルフでは比較的新しく来た者が住む住宅地の一角にあった。

目当ての家を見つけ、入り口の扉を叩くと、女性の声が室内から聞こえてから数秒後に扉が開けられた。


「はい、えっと……何方でしょう?」


「ギルドの依頼を受けました、セラフィと申します。

 北東の森への調査依頼を出した方でお間違いありませんか?」


「あ、はい!

 こんなに早く受けてくれる方が居るとは思ってなかったので……」


女性の名前はへルミナと言うらしい。見た目20歳弱ぐらいの見た目で、栗色の髪と鼻の辺りに浮いたそばかすが特徴的な女性だった。

彼女に勧められ家の中へと入り、依頼についての詳しい説明を受ける事にした。


 どうやら、彼女は俺が生まれた場所とは違うが近場の集落の出身だったのだが。

半年ぐらい前に新種の木や毒草等が突如異常繁殖を起こして彼女の集落の中でその毒草の中毒と思わしき症状が蔓延。

集落を出て新天地を探すか、この地に居続けるかで争いになったらしい。

そして、大半の人間はその地に残り、少数の人間が村を出て新天地を探す事になったらしい。

彼女は家族を残し、恋人とこの地まで歩いてきたと言っていた。

しかし、先月彼女の恋人は家族が心配になったという事で、彼女を残しその集落へと向かっていってしまったらしい。


 ホワイトウォルフの人間は基本的に東方面への外出は禁止されている。

川を渡った東側の地はいまだ未開拓地がほとんどで危険な怪物達の数も多いからだ。

ただ例外として、メンバーは依頼や調査等の理由がある場合に限り城門を抜ける事が出来る。

しかし、彼女の恋人はメンバーではないらしく、無断で出て行ったとの事だ。

レーナルさんもうちょっと厳しく守っておいてもらいたいな……


「わかりました、村の詳しい場所はわかりますか?」


「はい、城門を出て北へと歩くと、私達が作った街道があるはずです。

 その道を道なりに歩いていけばその村につきます」


俺が生まれた村よりは西側にありそうだな。


「それと、依頼の森の調査とありましたが……」


「あ、その…実は都市の人達は森から来た人をあまり良い眼で見ませんので……申し訳ないのですが……」


なるほど、人種差別はあまりないが、未開拓の地であり危険遅滞の北東方面の生まれの人間はあまり好く思われてないのだろう。


「わかりました、自分も北東にある集落の1人なので大丈夫ですよ。

 貴女の秘密はちゃんと守りますし、依頼はちゃんと受けます。

 確認の為に再度聞きますが、依頼は貴女の恋人と捜索と村の状況の確認でよろしいですか?

 それと、出発はなるべく早い方がよろしいでしょうか?」


「えっと……あ、はい!

 よろしくお願いします。出発はメンバー様にお任せします……」


不安気な表情を浮かべている為、恋人の事が心配なのだろう、ただ依頼を受けてくれると言った俺になるべく早く行ってほしいとは言えない、そんな風に映った。


「わかりました、では……急ぎますので失礼します」


「よろしくお願いします!」




 彼女と別れ、レーナルに城門を抜けていった人の捜索依頼だと伝えてから門を抜ける。

レーナルはまさかそんな者が居るのかと驚いていたが、かなり落ち込んでいた。

どうやって抜けていったか等わからないし、レーナルのせいだとは言い切れないけれど。

彼は今後絶対に無いようにすると、やる気を出して吼えていた。……若干暑苦しい。


 10日以内には戻る事をレーナルに伝えて、川沿いに北へと歩いていく。

歩いて数時間ほど歩いたが、魔樹は今の所見当たらない。

しかし、地平線の辺りでは紫色の木が見えているので、魔樹の群生地は広がっているのかもしれないな。

 ホワイトウォルフを出て2日程経つと、森の景色は激変していた。

そこ等じゅうに魔樹があり、逆に普通の植物の姿がほとんど見えなかった。

地面には俺が生まれた集落に群生していた毒草の姿も見える。

目に見える植物の大半が魔樹になってから数時間後、右手側の森の中に一筋の道が見えた。

道中は気持ちの悪い怪物等が何度か現れたが、魔法で難なく倒しながら進んでいく。

それにしても、ゲル状の怪物や虫と獣が合わさったようなグロテスクな怪物が多い。

もしかしたら、ホワイトウォルフへ向かってくる獣達はここの怪物に追い立てられて来ているのかもしれない。


 森の中にある道に入り、歩き続ける。依頼主の彼女が言っていた道というのはこれの事でまず間違いないだろう。

この先の状況がどうなっているかわからないが、最悪の状況を想定して歩いていく。

外が夕暮れで赤く照らされる頃に、変わり果てた村へと到着した。

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