あの世にて5回目、爺さん何処行った?
「ああ、そうか……犬にネギはダメなのか」
次に目が覚めた時、そこはあの黒い空間だった。
しかし、あの爺さんが居ないのは何故だ?
黒い空間には俺と何時ものルーレットだけ。
手に意識をむければ、何時ものダーツが手に収まっていた。
「おーい、爺さんどこだー」
しかし、爺さんが現れる事はなかった。
何処行ったんだあの爺さん?
というか、ここって別の場所に繋がっているのか?
あ、そういえば、あのルーレットの手前の地面と天井には穴が開いていて、別世界のルーレットがあるんだっけか。
投げる前に、そこに居るかもしれないと考えて、覗きこもうとするが、ルーレットの手前には穴もなく、黒い地面が広がるばかりだった。
上を向いても、黒い天井しかなかった。
はて? どういう事だ……?
何で爺さんはいないんだ、それと何時もなら居るはずの人魂っぽいのもないし。
俺の知らない所で何がおきているんだろうか。
まぁ、考えた所でわかるはずもないし、俺の知らない所で…と言っても、俺の知らない場所で色々動いているのが常なのだから、どうしようもないんだけどな。
爺さんとの会話は、有れば有るでうざいが、無いなら無いで寂しく感じるな……
まぁ、ウダウダと考えた所で何も状況は変わらないと思うし、早く次の転生先を決めてしまおう
何時も通りに、白い白線の前に立ち、ルーレット目掛けてダーツを投げた。
今回は人間とコボルトと獣人しかルーレットには書かれていなかった。
たぶん、獣人というのは俺とローズの子供のようなのだろうか?
それとも新種か? いや、俺とローズの子供が新種か。
ちなみに、適当に当たったのでいいやと投げた為、今回の転生先は人間に決まった様だ。
それを確認すると、眠るかの様に意識が遠のいていった。