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転生ルーレット  作者: 秋葉 節子
転生三回目
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彼女の環境に苛立ちを覚えるわけで。

 カリブス城まで捕まえた盗賊達を護送するため、半数以上の親衛隊と別れて数時間後、ハプニングは色々とあったが無事到着する事となった。

そのまま半数は休息を取るが、もう半数はそのまま護衛任務につく。

同盟国とは言え他国だからな。

で、小隊長からフェティーダ(ローズ)の護衛任務に付く事になった。

彼女は見た目が浮いている為か、他の人間達からは少々敬遠されがちだ。

言われも無い疑いを掛けられ、扱いも他の王族と比べては扱いは見劣りするだろう。

正直、俺としては見た目でしか判断できない奴等なぞ糞食らえだ。

確かに、前世とは比べる事も出来ない程の生活を過ごせてるとは思う。

しかしだ、生活がいいから幸せというわけじゃない。

幸せは本人が感じる物ではあるが。

幸せを感じる要素は周囲の環境と充実感だ。

親衛騎士と言うが、ぶっちゃけると俺に忠誠心の忠の字もない。

だってそうだろう? 最愛のローズが軽んじられているのだから。

今現在の俺にとって、ローズが最優先であり、ローズこそが王である。

つか、どんだけ惚れてるんだ俺。

自分で考えておきながら苦笑しか浮かばん。


まぁ、そういう事なので、俺は単身ローズの護衛任務についている。

一応他の騎士達も護衛任務につくが、俺が寝る数時間のみだ。

後は俺がずっと護衛任務につく。

まぁ、俺としては彼女を守っているという実感が沸くから最高に近い環境だけどな!




 ローズの護衛について3日目、彼女ローズから声を掛けられた。

実質初だ。

声までソックリなのだからほぼ、確定じゃないだろうか?

というか、誰が認めなくても俺は信じる!

だって、彼女の声を聞いた瞬間、心が震えたからな!


「貴方も嫌われてるの?」


それが彼女が始めて俺に話しかけた言葉だ。

彼女の言葉の意味を考えると、抱き締めてあげたい衝動に駆られる

しかし、基本的に身分が違うため、言葉を選んで答えないと不敬罪にされてしまうからゆっくり考えないといけない。

「いえ、自分から希望して、ロ……フェティーダ様の護衛をしております」

あ、あぶねぇええええ……ついローズって呼びそうになっちゃったよ。


「変わり者なのね」


「前世から君によく言われます」とは言わない。


というか、言えない。


「そうですね、ですが私はフェティーダ様に忠誠を誓っております故」


忠誠、いや妄信か?

見た目や声はローズとそっくりなのに、彼女の態度や性格は全く違う。

環境が違うのだから当然かもしれない、けれど今の彼女を形作ったのは他の王族と家臣達だ。

ハッキリ言って殺意を覚える。


「ねぇ、暇なのだけれど…一緒にお茶でも飲みませんか?」


今彼女の所には侍女1人いない。

国内でも軽んじられている彼女なのだから、好き好んで仕えたいと願う侍女もいないのだろう。

だからか、彼女は王女というのに身の回りの事は全て自分でしている。

今の彼女を作った環境が憎い。


正直彼女と一緒にお茶等飲めたなら嬉しいのだが、身分があるし他の誰かがそれを見たのなら俺は罰せられるだろう。

それも結構重い罪で。


「……お気持ちは大変嬉しいのですが、持ち場を離れますと罰せられますので」


そう言うと、彼女はなら命令ではどうですか? と言ってくれた。

命令ならしょうがないよね! 絶対の忠誠を誓った相手からの命令は最優先事項なのだから!


「それなら喜んでお供します」


笑顔で答えると、彼女は嬉しそうに笑顔で「ありがとう」と答えてくれた。

なんとも癒される時間だ。

その後、親衛騎士の任務や訓練等色々聞かれたり。

俺のレキの時代から培ってきた知識をこれでもかと聞かせていく。

奇跡でも起きて前世の記憶でも戻らないかなと祈りながら。






 その日の夜はシャウトール国の王子の成人記念の祝宴が開かれるために、早めに休む事になっていた。

早めに来た交代する騎士と別れ休み。

何故か知らないがローズのエスコート役として抜擢されて、小隊長から何故か用意された礼服を受け取り、今ローズのエスコートをして会場に入場した所だ。

何故俺が!?

将軍家とは言え3男の俺はろくに礼儀作法等習ってないというか、子供時代は子供時代で我武者羅に生きてたし、その辺の作法は逃げてたからまったくわからない。

困った、これは困った。


「悪かったわね、貴方ぐらいしかエスコートしてくれそうなの居なかったから」


彼女はどうやら俺が嫌々エスコートしてるのだろうと考えてるようだ、随分ネガティブになってるな。


「いえ、先ほども言いましたが、私は貴方様に忠誠を誓った身です……むしろ、指名して頂き光栄の極みです」


周りに聞かれない程度の声量で答えて、彼女に向け心からの笑顔を送る。

心無しか彼女の顔が弱冠赤くなってるようだった。

……やばい、顔がニヤける。

耐えろ、耐えるんだ俺!




シャウトール王に挨拶をして、少し経つと主賓である王子様とやらが入場するという知らせが入り、扉が開く。

入場した王子様は、うん……まぁ、なんというか普通?

いや、整った顔ではあるんだけど……特筆する点が。

うん、普通にイケメンだよ?

身長もそれなりにあって、中肉中世でどの顔のパーツも整ってて非の打ち所がない。

ただ、バランスが整いすぎてて特筆する点がなかった。

その王子様は王の前まで歩き、父親であるシャウトール王に礼をしてから挨拶を始めた。


要訳すると。

「今日は私のために来てくれてありがとう、今日は楽しんでいってください」

だ。


長ったらしく10分近く話してた気がするのは、あれだ。

学校の校長先生の話が長いみたいなアレみたいな感じ?

いや、世の中には楽しい話してくれる先生もいると思うよ?

思うけど、うん……一般大衆的な見解って奴?


で、シャウトール国の臣下とかウチの国のお偉いさん達が挨拶して行き。

最後の方になってローズが挨拶する事順番が来たわけだが。

彼女の挨拶を聞いた直後の王子様の言葉に殺気を発しざるえない。


「父上! 私の祝いの品としてフェティーダ王女を所望いたします!」


は? 何言いやがったこの野郎。

俺が王子の言葉を聞いて発した殺気に気付いた者達が慌てたのは言うまでも無い。

とりあえず、王子だか玉子だか知らんが打ち殺すぞ☆


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