あれから何年経ったのかわからないわけで。
カリブス王家に仕える将軍の三男。
それが今回の俺だ。
前回俺が死んでから何年経ったのかわからなかった。
だって、爺さんに聞いてなかったし。
何故かいままでコンタクトとれなかったしな。
今でも取れないんだけど。
んで、現在。
俺はカリブス王家の騎士団に入団した。
何故か?
末子である、フェティーダ=カリブスそれがローズの生まれ変わりだと感じたからだ。
カリブス王家に連なるのに、赤い髪と切れ長の瞳何処かローズに似ている雰囲気。
王、王妃どちらとも似ていないため王の娘ではないのではと言われているがそんなはずもなく。
だからこそ、俺は彼女がローズの生まれ変わりではないかと信じた。
しかし、今回身分が違う事に苛立ちを覚える。
俺は将軍の血筋とはいえ三男、そしてローズは王女だ。
身分が違いすぎる。
普通ならば結ばれる事のない二人。
諦めるつもりはないが、結ばれる手段が浮かばない。
それに、俺は早死する運命でもある訳だから、彼女を悲しませるだろうとも思っているため、話しかける事さえ恐いのだ。
騎士団に入団してから二年程が経った。
今では騎士見習いから騎士へと昇格した。
俺は18になり、ローズは15歳。
そろそろ婚礼期だろう。
何処かの男に抱かれる彼女を想像するだけで腸が煮え繰り返る思いだ。
-=Ξ=-=Ξ=-=Ξ=-
カリブス国は出来て数百年の国だ。
要塞都市ケファラスの西にはエルドマド帝国がある。
カリブス国の南には同盟国のシャウトール王国があり。
また、山を挟んだ北側には獣人族の集落が幾つもある。
俺達とは仲が悪いようで、人間と小競り合いを続けていた。
前回の人生よりも遥かに開拓が進んでいる事にも驚いたが。
他にも人が住んでいた地域があった事にも驚いた。
獣人族の集落がこんなにも近い場所にあった事にもだが。
騎士団に入団して、俺の配属先なのだが。
集団戦闘はいい評価ではなかったが、個人での戦いの強さから親衛騎士団へ配属された。
親衛騎士団は主に城の警備や王族の護衛等が任務となる。
つまりだ、ローズに悪い虫がつかないように出来るという事だ。
けど、王女なんだから結婚相手は親に決められるよな、政略結婚とかありえるよな。
あー……こんな事なら、今回ローズを見かけなければ……いや、予想不毛な事だ。
どうせ、あの爺さんが出会う様に、流れを作りそうだし。
そして、今の状況だが。
うん、盗賊達に絶賛囲まれ中です♪
♪とか男が使うと気持ち悪いよな。
まぁ、冗談言ってる状況ではないのだが。
今は同盟国のシャウトール王国の王子が15歳になるのでそのお祝いするので来て下さい。
とか呼ばれた訳だが。
参加者は王様と王妃様、それと王子以外の王女様方。
勿論ローズも居る。
これは、あれか? 婚約発表か何かですか? と小一時間問い続けたい。
んでまぁ、悶々としながら護衛任務についてたわけだが。
道中の森の中で盗賊どもに奇襲を掛けられたわけだ。
といっても、シャウトール国は治安が少し悪い。
カリブスはギルドが出来た国でもあるために、メンバーが数多くいるので盗賊の被害が出てもすぐ収まるし。
盗賊達も一々すぐ消される場所にはいかないからな。
その分シャウトール王国はギルドという文化がイマイチ心酔してないためか盗賊被害が意外と深刻だったりするのだ。
で、いい加減現実を直視しようと思う。
此方の戦力は隣国の護衛というため2小隊……約100人程。
んで、盗賊は見える範囲だけでも200ぐらいは居る。
なんか、色々と裏がありそうですね、わかります。
なので、馬車を中心に円陣隊形を組んでるわけだが。
装備の違いはあれど、数は倍以上なわけで。
1人が2人倒せばいいじゃんとか思う奴もいるだろう!
現に血気盛んな何人かはそう思ってる。
けどだ、相手からしたら2人で1人を倒せばいいと思ってるんだ。
極端に言うと、1人が捨て身で当たってきて、その隙に1人が止めを刺すなんてやられたら勝ったとしても被害は甚大だよね?
まぁ、さすがにそんな狂った様な戦法は取らないと思うんだけども。
「で、隊長いかがします?」
円陣隊形の中央付近に居るこの小隊の総隊長に話かける。
個人個人で戦うならいいんだが、集団戦闘するなら指揮官の下戦わないといけないしな?
「アッハバーナは好きに暴れてこい、俺達は守ってるから」
アッハバーナは俺の名前です。
アラフィル=アッハバーナ、それが今回の俺の名前。
にしても、俺1人で好きに戦えとか。
事情を知らぬ人間が見たら、どこの鬼畜だと思うだろう。
俺もそう思う、この小隊長が言うには俺は集団戦闘に向かないらしい。
身体能力が他よりも突出しすぎているため、集団に混ざるよりも個人で戦った方が活躍できると、言っていたが実際どうなのだろう。
確かに、今回の身体は異常だと思うが。
鎖帷子と鉄製の胸当て、鉄製のガントレットやグリーヴ等を装備して数時間走っても息切れしないんだぜ?
それに現時点でも騎士団の中で圧倒的に強いしな。
新鋭騎士団団長より強いってんだから異常だ。
まぁ、戦術論とかそんなのがサッパリだから。所謂『脳筋』と言われている。
好きに暴れろって言われたし、暴れますか。
盗賊達が俺達を包囲したのを見た直後に戦闘の奴に襲いかかる。
盗賊は馬鹿が暴走したと思ったのだろう、冷静に対処しようとしたが遅い。
目の前の奴を俺の片手剣で斬りつける。
スモールソードは刀身が短いがその分取り回しが楽なので乱戦では重宝するのだ。
そして、その奥の奴に空いた左手で目を潰し、構わず直進していく。
5,6人程倒すと包囲を抜けたようだ。
やはり数はそんなに多くはないな。
さて、左右どちらに行こうかと迷っていると盗賊が左右から襲ってくる。
なんとなくの気分で右側へ駆け出す。
待ち構えるだろうと考えていた盗賊は突然距離を詰められ慌てたんだろう。
体勢を崩しながら剣を突き出してきた。
それを軽々と回避し、すれ違い様に切り伏せる。
盗賊の頭領だろうか、奥の方で怒鳴り声が聞こえたと同じぐらいに、他の盗賊が全員こちらへ注意を向ける。
愚かとしか言いようがないだろう。
その隙を見逃す俺達ではないのだから。
小隊長が一部を残し攻勢に出るよう指示を飛ばすのが聞こえた。
その間に俺はもう20人ほど戦闘不能にしてるわけだが。
盗賊達を斬ったり殴ったりと戦闘不能にしていくと、奥に一際体格のいいおっさんが居るわけだが。
まぁ、他の盗賊達に怒鳴り散らしてるのを見る限り頭領だろう。
剣は既に血塗れで斬る事は難しくなっているので、目の前の盗賊から剣を盗んで片手剣を頭領へと投げつける。
頭領は突然剣が飛んできたのに驚いて当たりはしなかったが尻餅をついている。
好機と読んで一気に距離を詰めていく。
頭領も俺に気付いたんだろう、周りに守るように指示を飛ばしている。
体格の割に臆病なんだな。
心の片隅でそう思いながら距離を詰める。
ぶっちゃけると身体能力は人外並なので他の盗賊なんて敵じゃない。
まぁ、それでも妨害は受けていたわけなので頭領の所に着いた頃には体勢は立て直されちゃってるんだけどね。
ちなみに、俺の圧倒的な強さのせいか他の盗賊達は怯えきってます。
ついでに言うと俺の仲間達が俺の近くに来ているせいで形成は逆転。
「で、投降するなら命は助けるけど、どうします?」
笑顔で頭領に聞くと武器を捨て「投降する」と一言呟いた。
他の盗賊達も命は助かるのだと安堵し武器を捨てていった。
とりあえずは一見落着?