久々にぶちきれたわけで。
ちょっと、少々黒い表現ありますんでご注意を。
軽い鬱展開?
次の日、ディネとレギンを残し俺は村へ戻る事にした。
その際、木の杭を数十ほどもらい村へと向かう。
時折木の杭を地面に埋め込む、方角が心配になった時は木を上り木の先から方角を確認。
そして、木の杭を埋めていく。
日が暮れるぐらいには、村に着く事が出来た。
木の杭も足りたようで一安心だ。
その日はギルドの者にレキの村へ伝言を頼んで寝る事にした。
それから5日程経ち、周囲の村からCランクメンバー20人、Bランク10人、Aランク3人が到着した。
俺達のクランからは俺、アリアド、リバル、ミューエ、バーチェの5人が出る事になった。
周囲の村の戦力は激減するが、盗賊を輩出してるのが。その村の代表という疑いがあるための戦力低下だろう。
その日は1日休息を取ることになった。
翌日は大人数での未開の森へ入るという事もあり、村の人達が不安になっていたが、ロキの演説で落ち着く事ができた。
そして、俺を先頭に出発。
木の杭を目安に進み、夕暮れ前には森を抜ける事ができた。
森を抜け少しするとセレニアとレギン達、それと反抗勢力の者達が出てきた。
しかし、そこにはセレニアの父親が居なかったのだが。
どうしたのかと聞くと、セレニアの父親が代表に拉致されたと言われた。
父親を無事に返してほしければ絶対の忠誠とセレニアを連れてこいとの事。
答えは3日程待つらしい。
あまりも馬鹿で屑過ぎる。
その夜、ロキ達とAランクのメンバーが集まり作戦会議を立てた。
隠密行動に長けた少数で屋敷に侵入し父親を保護、頃合を見て正面から攻めかかり、侵入班は脱出。
屋敷の間取りは反抗勢力の中に屋敷を立てた人が何人かいたため安心だ。
侵入班は俺とアステナ、ディネとBランクメンバーの2名。
指揮官は俺となった。
侵入路は定期的に喚起のため、使用人らしき人物が窓を開けるため、そのタイミングを計り侵入することになった。
昼前頃にエプロンをつけた少女が窓を開けたのを確認。
素早く中に入り、悲鳴をあげられないように口を塞ぐ。
出来ればしたくはないが。
「殺されたくなければ静かに、以前ここに攫われたセルド・ケファラス殿の居場所へ案内をすれば何もしない」
少女は目に涙を溜めながら激しく首を動かす。
「ラフィールさんは、何時見ても盗賊とかにしか見えませんわねぇ……」
ディネも軽蔑の視線を此方に向け頷いている。傷つく……
どうやら、この少女は無理矢理ここで使用人をさせられているらしく、怯えていたが村の現状を救ってくれるという事を信じ「お願いします」と言ってくれた。
いい女性と鉢合わせたものだ。
どうやらセルドは地下室に閉じ込められているらしい。
地下室なんて作る技術あるのに驚きだ。
そして、地下室の扉をあけると中には数人の男達が居た。
セルドは壁に磔にされビクリとも動かない。
確かめたい気持ちを抑え、男達を切り伏せる。
セルドを助けようと確認したが、絶句してしまった。
彼は既に事切れていたのだから。
セレニアは酷く悲しむだろう。
父親を失ったのだから、そして自分の中に怒りがふつふつと湧き起こっていた。
その時、地下室の扉が開かれ、振り向くと男が2,3人ほど立っていた。
どうやら、セルドを痛めつけていた数人だろうと直感的に感じ取り、一足で間合いを詰め切りつける。
断末魔の叫びが上がり、屋敷内に居た私兵達が騒ぎ出す。
それを外の連中も聞いたのか攻め込み始めたようだった。
「ディネとアスセナはその嬢ちゃんを護衛してやれ、お前達は俺についてくるか好きに戦え。邪魔だけはすんな」
そう伝え地下室から一気に躍り出る。
地下室の中を警戒していた私兵達が俺の存在に驚くが構いなく切り伏せる。
何かを叫んでいるか全く気にしない。
何処にあの代表が居るかはしらないが、この館に居る男達は全員生きて返すつもりはないので虱潰しに切り伏せていく。
廊下を走り、曲がり角を曲がった瞬間、槍が見えたので無理矢理横へ飛ぶ。
槍の持ち主を見るとレギンだった。
「なんだ~ラフィか、脅かさないでよ~」
「すまん、頭に血が上っていた」
「珍しいね? それでセレニアさんのお父さんは?」
「……死んでいた」
どうやら、レギンも予想外だったらしく、何時もの微笑みは消えて目を見開いていた。
「……そっかぁ……それは許せないよね~」
何処か冷めたその口調、いつものレギンの間延びした口調ではあったが背筋が冷えるような声色だった。
「んじゃ、僕達も頑張らないとね?」
「ああ、そうだな」
「あっ代表はねぇ、最上階に居るらしいよー?」
といい、「じゃ、行こっか~」と何時ものように微笑みを浮かべながら駆け出した。
3階への扉を探し、他の私兵達はメンバーに任せ階段を上っていく。
最上階に着くと、正面には大きな扉があったのでここに居るのだろう。
「下種な奴等の事だ、罠がある可能性もある気をつけろよ」
「うん、大丈夫だよ~」
二人目配せして扉を開けた。
部屋の中には大きな机が一つ。
そして、壷や動物の毛皮等が数多く置かれていた。
また、机のところには太った中年が一人。そして、部屋を囲むように10人以上の私兵が居た。
「レギン、代表は任せた」
「あいあいさ~」
部屋に入った瞬間に左手側に駆け、左から右へ横に剣を薙ぐ。
剣が巨大なため、奥にあったと思われる壷も巻き込み二人の男の胴体が別れ飛ぶ。
感情を爆発させて叫ぶ俺に、他の私兵達は怯えの表情を浮かべるが気にせず近くに居る奴等へ襲い掛かる。
その間にレギンは代表の目の前へと静かに近寄っていく。
「────~」
「──! ────ッ!!」
「───? ─────~」
「─ッ!? ───! ───────!!」
会話は俺の叫び声のせいで聞こえなかったが。
たぶん、代表は命乞いをしているのだろう。
俺だったら会話もせずに殺している所だ。
そして、10人居た私兵達は対した抵抗も出来ないまま絶命し、俺はレギンの隣に立つ。
「レギンまだ殺さないのか?」
「んー……殺していいんだけど、恐怖を植えつけてから遊ぼうかなぁ~って」
おいおい、サラッと怖い事いうなレギンは。
「た、頼む! 命はだけは何でも好きなものをやるから、この通りだ!」
「何でもいいんだな?」
そう聞くと助かったと安堵の表情を浮かべ俺に言い寄ってくる。
「あ、ああ! 女でも宝でもなんでもやる」
「じゃあ、お前の命をもらおうか?」
「うわぁ、ラフィって恐いこというねぇ~」
俺の言葉に代表は絶句し、口をパクパクと動かしている。
見れば見るほどに腹が立ってくる。
「もういいだろう」
「ひ、ひいいいいいい!」
俺の言葉で逃げ出そうと椅子から転げ落ちる。
逃がすはずもなく、手の剣で足首を切りつけ。
男の醜い悲鳴があがる。
うるさいので殺そうと思ったが、それではケファラスが浮かばれないと思い、手首を切る。
抵抗する事をやめたのか、代表は動かなくなった。
しかし声は出しているのでまだ生きているのだろう。
代表の首を持ち、窓へ近づく。
代表は怯えた表情でこちらを見ているが助ける気は毛頭なかった。
「じゃあ、これで楽になれるぞ、よかったな」
そう代表に伝え、窓へと投げ飛ばす。
少しして肉がつぶれる音と断末魔が聞こえたが無視し、屋敷を出る事にした。
なんとも後味の悪い結末となったもんだ……