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転生ルーレット  作者: 秋葉 節子
転生一回目
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こんな家業はしたくないわけで。

 俺が生まれてから早13年が経ちました。


 色々楽しみにしてたんだけど、何より驚かされたのが文明の低さ。

銃がないというか鉄がない。ファンタジーでよくある剣とか石製だ。

なんとか切れるけどナマクラもいい所。

剣というより棍棒に近いな。

普通に石斧とか使うレベルだし。

飯関係どうするの!? とか考えてたら森にある果物とか木の実と……農作物。

あと動物の肉が主食だ。

料理? 何それってレベルだから最初の頃は神を呪ったね! うん。


『呪われても痛くも痒くもないがな』


 もう死ねばいいのに♪


 ちなみに、俺は今山賊をしている。

なんで山賊なんてーって思うけど、両親が山賊なのだからしょうがない。

自慢じゃないが規模がでかいと思っている、軽く100人ぐらいの山賊で、山と森を改造して集落のようになっている。

戦闘員は30人程。

初陣はまだ済ませてない。

というか、今日がその初陣の日なのだ。

村人にお願いして食糧を分けてもらうとか言っているが、ぶっちゃけると村を襲い食糧奪っていくって事だろう。

罪悪感が……前世では万引きとかした事もないし。

強盗ですよ……生きる為とはいえ、罪悪感で押しつぶされそうだ。


「おう、レキ緊張でもしてんのか?」


 声を掛けてきたのは俺と同じぐらいに産まれた幼馴染のラージ。

名前と同じで無駄にでかい体格してる。

13歳でその辺の大人の男よりでかい

俺まだ大人の女性ぐらいだぞ?。


「ラララージはき緊張しししないの?」


 どもりまくりのこいつはブチ、不細工な猫につけそうな名前で山賊一家に似合わない弱気な肥満体。

ブチは感がいいのか、動物を見つけるのがやけに旨い、その為盗み食いでもしてそうなぐらいの太りっぷりだ。

同年代の奴がこの3人しかいないため、今日初陣なのは俺含めたこの三人なのだが……


「緊張も何もやらなきゃ俺達だけじゃなく家族が死ぬだけだからな。それに、面白そうだろう」


 面白いというか、その行為でどれぐらいの人が被害を受け悲しむのか考えた事はないんだろうか。

まぁ、典型的な山賊タイプというか柄が悪いって事だろうか?


「でででも、てててて抵抗されたら危険だよ!」


 ブチの言い分もわかるんだけれど、この口調は十年以上の付き合いで慣れたが、たまにイラってくるなぁ。

根はいい奴だし、なんというか山賊向きじゃない。

なんでブチは山賊に生まれたんだ。


『それもまた運命だと思うがのう』


 なんか聞こえた気がしたが無視しておく。


「ガキども! 準備はいいか、腹空かせてる家族どもに飯は必要だからな、今日も可哀想な俺達の御恵みをもらいにいくぞ!」


「「「「「うっす!」」」」」


 とまぁ、なんでかしらねーが山賊の住処で生まれたわけで。

なるようにしかならんよなぁ……

ちなみに、俺の親父は山賊の頭領だったりする。

親父曰く、俺は歴史に名を残す程の天才だと言われた。

まぁ、産まれて数日で言葉を話して、数年前から多数の落とし穴とか警報装置として使う鳴子のような物。

あと、落石・川の塞き止めとか色々仕掛けたからな。

それも街道とか山道に。

動物にかかれば食料とか衣服になるし。

人間にかかれば食料とか奪える。

……って何してんだ俺……前世だったら思いっきり犯罪じゃねーか。


『まぁ、あれだ慣れだろう』


 声聞こえるけど無視でいこうと思う。

ここ13年まったく声掛けてこなかったくせに、なんで今日に限って声かけてくるんだよ。

とか考えてる間に村が見えてくる、RPGゲームとかに出てくる田舎の村の様な穏やかな村だ。

ちなみに歩いて1時間かからない所にあるんだけど。

定期的に強奪行くのに何故か対策しない村でもある。

名前は知らない、興味もないしな。


 あと、殴って殺すのとかはしたくない。

動物でも鈍器で殴り殺すのに嘔吐したし、なので武器は、パチンコもどき…スリングとか石弓みたいなのを自分用に作ってみた。

飛距離? 命中率? 改善の余地はいくらでもあるんだけどねぇ……

あれだ、自分の手は汚したくないから?


『それで人が死ねば殺してる事になるけどな……あと、殺しても罪とか考えてないぞ。結局は人間が罪だと言ってるだけだ』


 さいですか、けど嫌だね。少なくとも俺は。

無視してるつもりだけど無意識に突っ込んじゃう、自分の性格が恨めしい。

頭で色々考え事してたら親父が大声で村人に脅しを掛け始める所だった。


「俺達のためにいつもご苦労だな! 食い物と命好きな方を差し出しな」


 どう考えても俺達のために食い物作ってるわけじゃないんだけどな、なんというか可哀想ではあるな。

まぁ、奪うんだけどね。

親父の言葉に大げさな笑い声を出す仲間達。

なんつうか品がないというかぁ……一緒に笑う気はおきないよなぁ。

それにしても、いつになっても村人達は食料や金目の物──この時代なら衣服に使う布とかだ──を持ってくるのだろうか、親父が村へ声を掛けてから一向に出てくる気配がしない。


「……あいつらどういうつもりだ……?」


 親父が呟いてるが分かる奴なんているはずもない。

んー……こういう時ってどうすればいいんだっけ。


『火つけるとか、大きい石投げて家屋の破壊とか』


 アンタ神だろおおおおおおおお!?


「それだな、さすが俺の息子だ!」


 え……?俺なんか言ったっけ?

神しか言ってないよな?

あれ? あれれ? 一体どういう事?


『ワシの気分でお前の発言に変えた』


この自称神は馬鹿のようです。


『自他共に認める神だ』


聞こえない聞こえない。

とか言ってるうちに皆が松明を用意して投げ始めた。

うわぁ……地獄絵図。

近くにあった家や柵に火がつき、あっという間に燃え広がっていく。

燃えると同時に村人らしき人々の悲鳴が聞こえてきた。


『うわ、ひでぇ……お前ら最悪だな』


 どう見ても爺さんが指示出したよね?

俺何も悪くないよね?

屋根が藁だから滅茶苦茶燃えてる。

おっと、村から数名が逃げ出してきた。

親父たちに捕まった。

なんか話し合ってるな……あれ、なんかこっち来たぞ?


「近隣に新たな山賊が出てきたらしくてな、俺達の食料を先日奪っていきやがったらしい。お前ら黙ってられるか?」


 元々俺達のじゃないんだけどな。

どう見ても同じ穴のムジナだよなぁ……親父の頭の中はある意味すごいと思う、どれだけ自分に都合のいい思考回路してるんだろ。


「奪い返しにいくぞ。ついでに皆殺しだ! 人様の縄張りで好き勝手したらどうなるか教えてやるぞ」


「「「「「うっす!」」」」」


 ですよねー、そんな気はしてたんだよ俺。

で、たぶん何も考えず正面から行くんだろうなぁ。

やだなぁ……仲間も数人死ぬんだろうなぁ。


『お主がなんとかすればいいんじゃね?』


 どうやってだよ。


『洞窟の入り口に藁置いて煙送り込んで出てきたのをるとか』


外道だな。


『この時代ならいい手だろ?』


 まぁ、とりあえず村人に情報でももらうか。

住処とか教えてもらえれば色々考えられるしな。


「そいつ等の情報とかもらえる? 住処とか男達の人数とか」


 俺が声を掛けた村人……村人Aと呼ばせてもらおう。村人Aに聞いた話を纏めるか。


 確認できたのは10人前後。

住処は北に行ったところに行った洞窟の中。

罠とかが多かった。

運ぶときに案内されたけど、案内役が罠に引っかかってたらしい。


 ……規模は少ないか。

つか、その洞窟って俺達の住処がある場所の目と鼻の先じゃないか。

罠も俺が作った奴だろうし。

馬鹿なのかそいつら?


『存在に気付かなかったお主等も馬鹿っぽいがな』


まぁ、洞窟の中ならさっきの案がいいな、後は村人と報酬の交渉でもするか。


「じゃあ、その山賊は俺達がなんとかするとしてだ。今後他の山賊どもに襲われないように俺達と手を組まないか?」


 親父が何か言おうとしてきたが手で抑える。

正直俺は人から無理矢理奪うなんてのはやりたくはない。

それならお互いが利益を手に入れるべきなんだと思うし。


『善人ぶってるんですねわかります』


 この自称神って俗物っぽいよなぁ……

俺も神になれるんじゃないだろうか。

いや、間違いなくこの爺さんより神らしい神になれるだろ。


『なりたいの? なる?』


 御免蒙るわ。

まぁ、という訳で俺達を用心棒として雇う。

彼らは報酬として、今後は定期的に食料を分ける。

というのはどうですかと優しく村人Aに伝えてみる。


「おお……こちらこそお願いします……」


 泣いてお願いされたんだが。

という事で俺達は何故か山賊から用心棒に転職? したわけで。

親父はというとどうゆう事になったのかイマイチわかってなかったな。

俺以外わかってないなこれ……

つまりは俺の都合のいい風に色々環境を変えられるかもしれないという好機ではないか?






-=Ξ=-=Ξ=-=Ξ=-






 で、到着したわけだが。

あんな罠になんでかかるんだよ。

道中に俺が仕掛けておいた、というか数年前の試作品だけど。が、ほぼ全て消えてて、逆にその真似をして作ったであろう罠がバレバレな感じに仕掛けてあった。

誰がかかるんだよこんなの……


 ちなみに、あの後は火のついた家を燃え移らないように、家を壊して鎮火。

使う分の藁と適当に柵を少しもらってきた。


 洞窟の入り口で藁に火をつける。

柵は手に持ち刺す方を洞窟へ向ける。即席の長槍パイクの様なものだ。

そして、ここで致命的な事に気付いた。

煙に洞窟に入っていかない。

この時代、団扇なんてあるはずもない!

クソー……風を吹けー!


『あいよー』


 神の声がすると数秒後に洞窟へ向けて風が吹き始めた。

まるで意思をもってるかのように煙は洞窟の中へ。

え……ええええ?


『俺が神様だ!』


 というか、干渉していいのか? 自称神だろ。


『神様の気まぐれって奴だ』


 確かに気まぐれだなこれ。

っと、出てきたな。

煙に炙られ何人もの男達が洞窟の穴から出てくる。

走って出てきた為に柵にぶつかり腹に柵の先端が……グロ。


『大丈夫だ、お主の前世での死に方の方がグロかった』


 そりゃそうだわ。

あんな死に方以上なのはありえん。






-=Ξ=-=Ξ=-=Ξ=-






 数十分ぐらいは経ったか?

藁の火も消えて出てくる者もいなくなってきた。

女入れて20人ぐらいか……

煙も晴れてきたし中に入ってみるかぁ。

洞窟の中はそれなりに広かった。

これなら物資とか入れられそうだな。


中には煙を吸い込んで窒息した数人程の死体。

後食料もそれなりにおいてあった。

肉も……大量だな。

鹿が三頭分ある。

あの村で奪った農作物とかも多い。


「親父、一応一部は村人達に返してあげよう。信頼の証になる」


「その辺はレキに任せる、にしてもこんな楽ではワシの仕事が無くてつまらん」


 親父は激しい戦いがしたかったみたいで嘆息をもらしていた。

俺はそんな物騒な事はしたくないしな。それに山賊なんて出来ればやりたくない。


「じゃあ、戻ろう。それと住処は村の一部をもらえればいいと思う、護りやすくもなるし」


 というか、今まで洞窟内とか木の上で暮らしてたんだが。やっぱり嫌だ。

粗末でもいいから家に住みたいんだ。

何故そうしないといけないのかと親父やその仲間達から言われるけど。

とりあえず、無理矢理納得させた。

半分以上出任せだったけどね。


『主も十分悪だよな』


 なんのことやら。

とまぁ、俺の初陣で山賊生活は終わった。

さよなら山賊生活。

よろしく村人生活。


山賊一家の女性たちは皆気が強いから好みじゃないんだよね。

俺的にはもっとおしとやかな子が……ムフフ。

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