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転生ルーレット  作者: 秋葉 節子
転生二回目
17/74

恐ろしいのは外だけじゃないわけで。

 死者3名 重傷者5名

今回のジャイアントアントでの被害だ。

死者三名は南側に居たCランクのメンバー達だ。

重傷者も一人は腕を食いちぎられたらしく、メンバーとしても戦力外となった。

実質この村の戦力が大幅に減ったことになる。

俺達のクランを入れて総勢20人と少し。

簡単に言ってしまえば25%減となる。

ローズ達や、軽装備の武器もほとんどが壊れたからそれ以上の損害だろう。


「…と、以上が報告となります」

「うん、ご苦労様この村に君たちが居てよかったよ」

ギルドマスターのロキにジャイアントアント襲撃の報告を済ませ、ギルドを後にする。

まぁ、ロキをはじめ、救援に来た5人は俺達の家に招待しているから後でまたあうけどな。

とりあえずは他のメンバー達に労いの言葉をあげないとな




 会議室というか談義室と化しているが……に、入ると他のメンバー達が一斉にこちらを向く。正直恐い。

「ラフィお疲れ様~、父さんなんだって?」

「いや、ご苦労様と労いの言葉ぐらいだよ」

そう言い、嘆息しながら適当な椅子に腰掛けるとローズが飲み水を出してくれた。

「お疲れ様ラフィ、けど予想以上に援軍が早かったわね、そのおかげで助かったけど」

「そうだな、おかげで村への被害が少なくて済んだよ」

「本当にね」とローズは笑顔になって俺の隣に腰掛ける。

その後、仲間達に今後についてはロキからの指示を待つことと、彼等を俺達の家に招待した事を伝えて他メンバーに部屋の準備を命令した。

俺とローズは5人増えた15人分の料理だ。

レギンには久しぶりに親に会って来て、ついでに適当な時間に家まで案内しろと伝えておいた。




 「にしても、ジャイアントアントなんて初めて見たなぁ」

「そうね、あそこまで巨大だとは思わなかったわ……」

「ああ、どうやらあのジャイアントアントは変異した個体みたいらしい、普通なら50センチ程のサイズなんだとさ」

「50センチ……? だって襲ってきたのはラフィよりでかかったわよ……?」

そう、4倍近いでかい奴等だった。

というか、50センチ程度ならBランクでも倒せるんじゃないのか?

確かに今回のサイズならばAランクのメンバーじゃないときついとは思ったが。

うーん……よくわからんな?






-=Ξ=-=Ξ=-=Ξ=-






 食事が出来上がった辺りでレギン達が到着した。

食堂で食事を済ませ各自で風呂。

その後は談義室で今後の事をロキ達から説明を受けている。

「ジャイアントアント襲撃の件はご苦労様でした。君達のクランのおかげでなんとかこの村を守りぬけた事をとても嬉しく思います。

 それでなんですが、ラフィール・ブッチーニ、ギルドマスターとして君にはAランクの実力有りと考えAランクの称号を送ります」

「ありがとうございます」

一礼し、ロキの言葉を待つ。

「明日ですが、精鋭を集めジャイアントアントの巣を襲撃女王の退治を行います。

 今回は突然変異のジャイアントアントですので女王も突然変異の可能性がありますので油断しないように。

 巣への襲撃メンバーですが、私とバルブバル、ボステソ、ヴォラーレ、ラフィール・ブッチーニの5人で行います」

救援に来てくれたロキ達のクランの男3人が各々返事をしていく。

自分も最後に「ハッ」と返事をして頭を下げる。

元息子のロキに頭を下げるのは少しの抵抗感を感じるが今は親でもないし、どちらかというと部下みたいなものだからな。


そして、ロキが解散する旨を伝え「明日は頑張りましょう」と言い席を立つと、先ほど北側に救援に来た二人のうちの一人──髭面の男が声を掛けてきた。

「さっきの戦いぶりを見せてもらったから実力はわかっている、明日はよろしくな」

ガハハと大袈裟に笑いながら手を出してくる、どうやら握手したいのだろう。

握手をしようと手を合わせると力いっぱい握りしめてくるのを感じた。

なるほど……実力はわかるが力比べがしたいという事が。

変に抵抗して対抗心みたいなものを持ってほしくないんだがなぁ……

しかし、非力だと思われるのも癪なのでこちらも力を増していく。

「ほう…見掛け以上に力を持ってるんだな、失礼した」

どうやら思ったより礼儀正しいのか?

「強い奴を見るとついそいつの腕力が見たくなってな、ワシの悪い癖だ許せ」

「いえ、気にしないでください、気持ちはなんとなくですがわかりますので」

そう返すとまた、ガハハと大袈裟に笑い出し背中をバシバシと叩いてくる。痛ぇよ。

「俺はバルブバルだ、よろしくな」

そう言い部屋に戻っていった。

なんだがマイペースな人なんだな……まぁ、ああいう人は嫌いじゃない。

「へぇ……バルブバルに気に入られるなんて珍しい強いんだね君」

声がして振り向くと斧と槍が一緒になった長柄を使っていた男だ。

「珍しいのですか? 何かしたとは思ってないのですが」

「強い人が大好きなんだよバルは、まぁ彼が気に入ったみたいだし明日は問題ないね。僕はボステソと言うんだ」

「あ、自分は……」

挨拶をしようとしたら気の抜けたような笑顔を向けてよろしくと言い部屋に戻っていく。

なんというか……ロキのクランメンバーは変な奴が多いのか?

まぁ、いいやと部屋に戻り寝る事にした。






-=Ξ=-=Ξ=-=Ξ=-





 深夜、マスタールームに誰かが入ってくる気配がした。

剣を手に持ち待ち構えているとローズが入ってきた。

「なんだローズが、どうした?」

言うと何か気まずそうな表情で此方を見ている。

「何でも言っていいぞ?」

「……う、うん……なんか、身の危険を感じたからさ……」

身の危険? ロキ達のクランメンバーに危険な人はいないと思うが。

変な人は多いと思ったがな。

「な、なんというか……」

「ん?」

「気のせいだと思うしいいよ!」

言わないとわからんのだが。

「いや、気のせいでもいいから言ってみろ何か変わるかもしれん」

「……あ、あの……アスセナさんの目が恐くて……」

アスセナ? ああ、確かロキ達のクランメンバーの女性か。

「目が恐い? キリキリ動くような印象は受けたが」

「あーうー……優しいとは思うんだけど……」

徐々に赤面していくローズの話しを聞いていく風呂での過剰な触れ合いや寝る前に言われた事等を伝えてくる。

聞いてるうちに俺の方が恥ずかしくなってくる。

話終えた瞬間、マスタールームに駆け込んでくる一つの足音。

ローズは顔を真っ青ににして俺の後ろに隠れる。


「ラフィ! 大変だよっロー…ズ……が……あれ? ローズが居る」

入ってきたのはレギンのようだった。

「あー、レギンも来たのかどうした?」

「あ……うん、父さんから聞いたんだけど、アスセナさんって……女性しか愛せない人らしくて……って遅かった?」

「ああ、ローズからそれっぽいことは聞いた」

「そうか、あ~明日大丈夫かな?」

そういえば、明日はアスセナさんはココに残る。勿論ローズも。

ヒィッと後ろで悲鳴をあげるローズ。

なにこの娘かわいい。

「あー……ローズも明日一緒に行くか」

「え、けどラフィ、それは父さんが許すかわからないよ?」

確かにそうなんだよなぁ……まぁ、彼女の実力は俺が認めてるし、素早さだけなら俺より上だと思うし。

「んーローズの実力はロキさんも知らないしな、見せてやれば大丈夫だろう?」

「そうだねぇ……まぁ、明日聞いてみようか?」

「ああ、そうだな。それと……ローズ今日はどうする?」

「うう……部屋に戻りたくない……ラフィお願いだ! 一緒に寝てくれない?」

グハッ……それは色々と危険ではないだろうか?

「いや、あのさ……俺も男だし、ローズだって俺の気持ち知っているだろう?」

4年前にローズへ告白しているわけだしな。

「そ、それはそうだが」

ちなみに、手は未だに出していない。

奥手だって? そんなわけないだろう、俺が手を出そうとするといつも逃げるのだ!

言っただろう? 素早さなら彼女の方が上だと全力で逃げられる男の気持ちがわかるか!? まぁ、それでも好きなものはしょうがないけどな。

「う、うう……けどラフィなら」

「ん?」

「ふぇ!? あ、いや……何もしない?」

グハァッ目を潤ましながら上目遣いとか反則だろう、尚且つ俺の袖をギュッと握る姿なんて……

し、しかし……うーん……アスセナさんにローズの貞操を奪われるのもアレだし……

と、アレコレ考えてから覚悟を決める。

「わかった……覚悟を決めた。俺もお前を守ると言ったしな」

「う、うん……ごめんねラフィ」

普段は気丈なくせになんでこういう時はこんなに!

「いやぁ……なんかボクお邪魔だね? 部屋に戻るよ父さんも待ってるし」

「あ、ああ……おやすみ」

「うん、おやすみラフィ、ローズさん」

俺の部屋に俺とローズを残して扉を閉め自室へと戻っていく。




 あー……気まずい……

好きな女性と同じ部屋に居て共に寝巻きという。

あ、だめだローズを見ると我慢できなくなりそう。

ベッドに寝転がり目を瞑る。

少ししてベッドが軋む音がしたと思ったらローズが俺の背中に居る気配を感じる。

うおおおおおドキドキする!

俺寝れるのかこれ。

12歳の時とは違う!

精神はあれだが肉体は彼女を求めてる。

静まれ俺の息子! お前ならお前ならできるはずだ!

理性と本能が頭の中で大合戦をしてる最中彼女がピッタリとくっついて来たのを感じた。

○Θ×δ□ΦΨ!?!?

小振りながら確かに主張しているアレが……アレがあああ。

「ごめん、ラフィ……」

本能が勝つと思った一瞬彼女の言葉を聞いて理性が逆転勝利を収めた瞬間でした。

「どうした」

「うん……ラフィには辛い思いさせてるなって……」

「気にするな、ローズが覚悟できるまで待つよ」

そういえば、Aランクに上がったらローズにプロポーズしようとか考えてたんだよなぁ。

「……ローズ、明日伝えたい事がある」

彼女はえ? と呟いた。

「明日になったら言いたい事あるからさ、うん……」

「うん……待ってる」

あれ? 何か色々フラグたったか?






-=Ξ=-=Ξ=-=Ξ=-






 翌日、ロキに説明すると彼女の実力を見ると言い

アスセナとの模擬戦を行う事になった。

まぁ、女同士だからという理由だろう。

そして今知った事だが、ロキ以外の4人はAランクらしい。

そりゃあ強いわけだ。

ローズの剣はジャイアントアントに壊されたので俺の片手剣を貸す。

彼女の体格にはちょうどいいみたいだ。

ただし使い慣れてないと思うが。

ロキの始めという合図を聞き一気に距離を詰める。

アスセナはまさかそこまで早いとは思ってなかったらしく一気にペースを持っていかれた。

後はその流れの通り。

彼女の一方的な斬撃にアスセナの槍が飛ばされローズの勝ちとなった。

ロキも予想外の結果だったらしい。

まぁ、ウチのナンバー3だしな、舐められたら困る。

彼女の同行も許可され6人でジャイアントアントの巣があると思われる場所へ出発した。

新キャラクター?紹介。

バルブバル

ジャイアントアントの襲撃の際、ラフィ達が居る方面に来た髭面の男。

パッと見、山賊みたいな強面。子供が見ると泣くレベル

強面だが、面倒見は良かったりとクランメンバーからの信頼は厚い。

戦う事が好きというより強い奴を見るのが好き。

ロキが率いるクランの実力ナンバー3


ボステソ

ジャイアントアント襲撃の際、ラフィ達が居る方面に来たもう一人の方。

普段から緊張感を持たない。

あまり人の話を聞かない。

武器は斧と槍が一緒になった長柄、後のハルバードを持つ

ロキ達が率いるクランの実力ナンバー4


ヴォラーレ

バルブバルの弟。基本無口。

バルブバルの髭が無くなったような顔つき。

武器は鉄製の棍棒。鉄の塊とも言う


アステナ

同性愛者の少し困った女性。

今回一度も声だしてないが。

見た目できるお姉さんと言った感じ。

(女性限定)面倒見がよく、女性からの信頼も厚い?

ローズを気に入ったらしく隙があれば……とか考えてるとか考えてないとか。

実力はクランではナンバー5

ちなみに、アステナの名前は百合からとっています。リリィでもよかったんですがそれだと安直過ぎたかなと?

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