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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

五月の花火 〜最後にゾッとする怖い話〜

作者: おりみみ
掲載日:2026/05/08

『校舎裏にて教師には内緒の花火大会!五月二十七日、深夜一時に集合!』


 私の下駄箱に入っていた紙切れに書かれていた文字。

 五月の今、花火は早い気もするし火遊びは危険だ。


 全く、この紙切れを書いた頭のネジが外れたやつをドライバーで止め直してやりたいくらいだ。


 だからこそ、あえて行ってやろう。

 深夜に集まった腐った阿呆どもを、風紀委員である私が華麗に処罰してあげるのさ。


 しかし深夜一時、しかも今日か……毎日九時には寝ている私にとってはなんともキツイ時間帯だ。世の思春期やらは遅くまでお疲れ様なこった。


 私は花火大会招待状を折りたたみ、胸ポケットにしまった。


 そうして下校してから数時間。

 悪党討伐気分でルンルンに家を出た私は、ペットボトルの珈琲をちびちび飲みながら学校に到着。


 よくホラーで題材になりがちな夜の学校は、外から眺める分には大して怖くも無かった。


 五月の夜は冷える。

 最近春らしからぬ暑い日が続いていたので、夜も暑いのではと思っていたがそうでは無いらしい。

 眠いし寒いしで帰りたいが、新しい発見をしたことに関しては、火遊びに夢中な悲しき生物に、感謝ァ☆だな。


 にしても、深夜の校舎は物静かだ。

 こんな遅くなのだから当然は当然なのだが、花火大会当日にも関わらずこの静けさは合わない。


 集合場所に行ってみても、そこに誰も居なかった。


 もしかして騙されたか?

 そんな考えが頭を過ぎった時。


「お、まさか本当に来るなんて……びっくりだなあ」


 後ろからそう声をかけられる。

 振り向くと、そこには見慣れたクラスメイトが居た。クラスで人気者、それでいて問題児でもあるカーストトップなやつだ。


「招待状を下駄箱に入れたのは君だね? 学校で火遊びはダメだと親や教師には習わなかったの?」


 私の善意100%な説教に。


「ああ? 会ってそうそう(うるさい)いんだよ。ノリ悪いなおまえは」


 反吐を吐いたような嫌な顔をして言った。

 ノリが悪いと言うのは君の判断基準だ。全てが君の気分通りに動いてくれると思うなよ?


「それに火遊びはしねえよ、何勘違いしてんだ」


 フっ……と鼻で笑うそいつに私は眉を細める。


「花火大会を開くのではなかったのか?」


「開くさ、たった今から……なッ!!!」


 一歩後退りしたがもう遅かった。


 腹から熱く、激痛が襲う。

 

 そうか、ネジが外れていたのは私じゃないか。ここにまんまと釣られて来た愚か者なのだから。


「俺はおまえのことが嫌いだ。クラス全員が思っていることだ。ははっなんせ、窮屈なんだよ」


 ネジを閉めるように、私の腹を捻じるように回したそいつは、血に染った包丁を引き抜く。


 涼しげに透き通った五月の星空の下に、赤い花火が打ち上がっていた。

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