表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

第6章 決断

真理子の東京本社への転勤が正式に決まった日、二人は画面越しに何度も話し合った。これまで以上に忙しくなる現実に、遠距離の時間もまた長くなりそうだった。


「どうする?このままだと、もっと会えなくなる」


陽介は正直に心配を打ち明けた。


「私も同じ気持ち。でも…もう遠距離に耐えるだけじゃなくて、未来のために動かないとね」


真理子の言葉に、陽介は静かに頷いた。


「大阪から東京に引っ越すのは簡単やないけど、真理子と一緒にいたい。そのために仕事も頑張るし、新しい生活に挑戦するわ」


二人は具体的に同居の計画を練り始めた。お互いの勤務先の場所、家賃の問題、生活費のこと。お金がない中での現実的な問題も山積みだったが、話すたびに未来への希望が膨らんだ。


「まずは真理子が東京に来て、仕事に慣れてから、一緒に暮らそう」


「それがいいね。焦らず、でも確実に」


寂しさや不安は完全には消えなかったが、決断したことで二人の間に強い絆が生まれた。


その夜、電話の最後に陽介は言った。


「必ず幸せになろうな。どんなに遠くても、俺たちは一つやから」


「うん、家族になろうね」


二人の声は震えながらも、未来を約束する確かな力に満ちていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ