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帰り道
ガハハハ
豪快に瀬田が笑う。
「一緒の図書委員の前園がBLだなんだ騒いでたから、てっきり京ちゃんもその一味かと…」
日差しは強く、頭皮が火傷するかと思うくらい真上の太陽は容赦ない。
瀬田の当番が終わるのを待って、真昼間の中俺たちは歩いていた。
「なんか今日中に会わなきゃいけない理由あんの?」
瀬田がやや前屈みになりながら俺の顔を覗き込んで聞いた。
会わなきゃいけない理由でもないけど、可愛い?妹が不気味な呼び出しを受けた。そんな話をしたら瀬田の根っからの明るさで笑い話にしてくれるだろうか。裏表がない彼の性格に救われる気がした。
……裏表のない……
……一瞬、誰かを思い出したような……
「明日の夜中の2時に呼び出されたんだ…。」
顔全体に「??」を出しながら瀬田はいった。
「誰が誰を!?」
興味津々で目を輝かせている彼に、俺は事の発端を話し始めた。