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アンドレア戦域89 帝国近衛兵団21

エリー達は人身売買組織から少女達を救出するために戦う。

 エリー機動大隊現地配備、14日目夕方。

 

 エリー達が、バレット市を出てから36時間ほど経過している。


 エリー達はイグラ市北東部の郊外にいた。そこで少女達が引き渡される予定の場所、人身売買組織の到着を隠れて待っていた。

 今回はエリー、ユーリ、ビアの3人でやって来た。当然周辺にはブラウン商会のバックアップメンバーも数十人いる。


「ビアさん、電撃棒使えるよね? 魔力を

通して見て下さい」エリーが言うと、ビアが魔力を電撃棒に通すと電撃棒が白色の光に包まれた。

「私は、これでやられたんですよね、恥ずかしながら失禁までしてしまいました・・・・・・」ビアが俯き言った。

 エリーがビアの肩を軽く叩き言う。

「しょうがないですよ。訳もわからず不意打ちを喰らったのですから」

 ビアがエリーの顔を見て言う。

「エリー様は、剣の修練はここ最近されていないと伺っていたのですが? それに腕前もあまりお上手では無いと聞き及んでおります。大丈夫なのですか」


 エリーが微笑み言う。

「周りを欺き下手なフリをしていただけです。安心して下さい。ビアさんレベルくらいはこなせますので大丈夫です。それにユーリさんはかなりの使い手ですので盗賊くらいなら瞬殺です」

 ユーリは少し嫌な顔をしてエリーを見て言う。「エリー様にはとても及びません。冗談はほどほどにして下さい。ビアさんが信じますよ」


 そして幌付きの荷馬車1台が、予定の場所にやって来た。そして2台の荷馬車がしばらくして同じ場所に止まって男達が降りて来る。男達は全員で20人ほどいるようだ。

 少女達が頭に袋を被せられ馬車の荷台から引きずり下ろされている。


 ユーリが前の状況を見て言う。

「間違いないようです。行きますか?」

 エリー達3人は黒のジャケットにスラックススタイルで同じ服を着ている。そしてユーリが男達のほうへ駆け出す。エリーは少し驚いてユーリを追いかけて飛び出した、ビアも2人に続いて駆け出す。

 男達は3人を見て驚いて1人が声を上げる。

「何者だ!」 

 ユーリが男達に向かって声を上げる。

「その子達を解放しなさい! 抵抗しても無駄です」

 男達のリーダーが声を上げる。

「オリバーの組織が潰されたらしいが? てめえらか?」


 ユーリは電撃棒を上段右斜に構って魔力を通す。そして電撃棒が白色の光に包まれた。

 男達のリーダーが電撃棒を見て驚いて声を上げる。

「帝国の諜報か! なぜオレ達を・・・・・・、仲間だろ」


 ユーリは前に踏み出して前にいる2人の男に斬撃を放つ。男2人は悲鳴を上げて横に吹き飛んだ。

「てめえ! 何のつもりだ! こちらにはてめら諜報の仲間もいるんだぞ。仲間割れか? 俺達を巻き込むのは勘弁してくれよ」


 エリーはそれを聞いて首を傾げて言う。

「帝国の諜報がおられるのですか? それはどなたですか!」


 男達のリーダーが戸惑い背後を見て言う。

「マックスさん、頼むぜ! ちゃんと話し合ってくれよ」


 後方にいた男が1人前に出て来る。そしてエリー達を見て少し嫌な顔をして声を上げる。

「知らねな、ねえちゃん達、何処の組織だ!」

  そして男は拳銃を取り出し構えた。それを見てユーリが一瞬驚いた表情する。

 

 連邦国内において銃器の携帯使用は法律厳しく規制されている。軍人や警察官でも許可地域外での携帯使用は罰せられる。一般人の携帯使用はいかなる場合も当然認められず、厳罰対象である。つまり銃器所持で警察官と対峙した場合、警察官は相手を殺しても罪に問われない。集団でひとりでも所持使用した場合それは殲滅対象となる。だから通常、犯罪集団は銃器を所持使用しないのだ。数年前の事件をきっかけに銃器所持使用は激減した。ある現金強奪事件で拳銃が使用され、その強盗集団のアジトを何と警察でなく国軍精鋭歩兵連隊が全火力を持って容赦なく殲滅したのである。  

 これを機に犯罪組織では表面上銃器の流通は無くなった。


 ユーリが拳銃を構えた男に声を上げる。

「愚かな! あなたはそれで何とかなると思っているのですか」

 男マックスは高笑いして言う。

「銃は最強の武器だ! 少々剣が上手くても銃弾の前には無力だ! それも理解出来ないのかな、お嬢ちゃんは」


 舐めた男の物言いにユーリは明らかに機嫌の悪い顔をする。エリーが直ぐにユーリの横に出て声を上げる。

「あなたは、銃を出した時点で運命は決まりました」


 男マックスは顔を緩ませたままエリーを見て言う。

「運命だと? それはお嬢ちゃん達が撃ち殺されることだろう」


 エリーは不気味な笑みを浮かべて男を見て言う。「それはここにいる全員が殲滅対象になったてことですよ。ここにいる全員ね」

 男マックスはエリーの顔を見て驚いた顔をする。エリーの瞳が若干吊り上がり血のように赤い色に変わっていたからである。


 エリーは震える男を見て残念そうに言う。

「でも残念ながら今回は、真剣ではなく電撃棒なのであなたは殺せません。ですが多分あなたは死んだほうがマシと思う筈です。きっと・・・・・・」

 エリーは微笑んで電撃棒を正面上段に構える。次の瞬間、男マックスがたまらず拳銃を発砲した。2連射〈パン、パン〉。

 ビアが悲鳴を上げた。

「エリーーーっ! あーーっ!」

 銃弾はエリーの体の寸前で潰れてポトポトと地面に落ちた。

 男マックスは拳銃を構えたまま呆然とエリーを見つめている。そして震えながら言う。

「・・・・・・何が起こった。お前は何者だ・・・・・・」

 そして男マックスは震えながら拳銃のトリガー続けざま引きまくる。〈パン、パン、パン、パン〉そして先ほどと同じように銃弾はエリーの前で潰れポトポトと地面に落ちた。

 エリーは一歩前に踏み出して微笑み言う。「あなたは、銃が最強の武器だと言われましたが、それは違います」


 男達はこの状況を見て全員強張った恐怖の顔をしている。エリーが男マックスに歩み寄りよると男は悲鳴を上げて言う。

「あなたは、何者だ! 人間じゃない」

 男マックスは拳銃を捨てて電撃棒を伸ばす。電撃棒は小刻みに震えているのがわかる。エリーとの距離はもう詰まっている。男マックスは構わず電撃棒を振り下ろした。そして次の瞬間、男は悲鳴と共に10mほど吹き飛んだ。男は死んではいないが白目を剥き全身が痙攣して呻いている。

 それを見て男達のリーダーは慌てて声を上げる。

「俺たちは、あんたらに逆らう意思はない。だから勘弁してくれ」

 そう言って地面に額をつけて土下座した。残りの男達も手に持っている電撃棒や武器を地面に投げ捨て全員土下座する。

 エリーはスキルで周囲を視感して敵意が無いことを確認してスキルを解除する。

 エリーの瞳はいつもの優しい朱色の大きな瞳に戻る。

「ユーリさん、どうするこの人たちもう戦う意思は無いよ」

 エリーがユーリを見て言って。

「はい、全員矯正施設行きで良いかと思います」ユーリは微笑み直ぐに答えた。


 ビアがうしろで驚愕した顔をして立ち尽くしている。エリーはそれに気付き近寄りビアの手を取り言う。

「ねえ、言った通りでしょ!」

 ビアはエリーの顔を見て引き攣った笑い顔で答える。

「陛下がここまでの達人とは・・・・・・、私など遠く及びません」

 そしてビアはエリーの手を振り解き、両手で自分の頬を叩き気合いを入れ直す。

「申し訳ありません。陛下を侮っておりました。己が情け無く思います。今後精進して陛下の従者に相応しい実力を身に付けたく思いますので、どうか見捨てないで下さい」

 エリーがビアの頬に手を添えて言う。

「あなたは真面目ですね。私に仕えるのは命の危険が伴いますよ。無理はしなくて良いですよ。まあ、出来る範囲でお願いしますね」

 そう言ってエリーは微笑んでビアから離れる。ビアは崩れ落ち地面に触れ伏して咽び泣いている。


 ユーリはエリーに駆け寄り言う。

「エリー様、少女達をお願いします」

 エリーは向こうに座り並んでいる少女達を見て言う。

「ええ、わかりました」

 少女達に近ずくとやはり全員虚な顔をしている。ひとりは薄笑いを浮かべてエリーを見ている。たぶん酷い目に遭わされたのだろう。5人の年齢は10代前半から二十歳くらいに見える。

 エリーは微笑んで言う。

「あなた達はこれからどうしますか? もう自由の身です・・・・・・、ですが心や体に受けた傷は癒えずあなた達は苦しむ事でしょう。ですので私が少しばかり楽になるよう処置をこれから行いますので、私を受け入れてください。お願いしますね」

 そう言ってエリーは少女達の前に立ち魔力を練り少女達に通していく。

 エリーが、薄紫色の光に輝きその光をが少女達を包み込む。


 エリーが苦痛に満ちた表情をしながら魔力量を上げていく。少女達に魔力を通すと記憶を追体験して記憶を浄化していくのだ。そして体の傷も同時に治癒させて行った。少女達は恍惚としてわれを忘れる顔をしている。そして光が収縮して消える。

 エリーは嫌な顔をしてユーリを見て言う。「やはり5人はキツイですね。あんなことは私は耐えられませんね。ほんとこの子達よく持ちましたね」

 そう言ってエリーはハッと息を吐き少女達を見る。少女達はエリーを見て瞳を潤ませ膝付いて頭を下げる。

 エリーは微笑んで言う。

「やっぱりそうなるのですね」

 

 エリーはユーリを見て言う。

「この子達よろしくお願いしますね」

 そう言ってエリーはビアのところへ歩いて行った。



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