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アンドレア戦域71 帝国近衛兵団3

北部戦線、エリー機動大隊現地配備、13日目午前中。


 エリー達が、バレット市を出てから3時ほど経過している。


 エリー達を乗せたランカーⅡ5号機は約1400キロを飛行してアンドレアが目前に迫っていた。エリーは今ランカーⅡのコクピット後部座席に座ている。

《こちらブルーベリー1号! 目標補足!  現在高度1000から1500メートル、範囲3キロ円形陣展開にて進行中!》ランカーⅡのコクピット内に無線音声が流れる。

 エリーが無線マイクを取り言う。

「こちらエリーです! 国境手前30キロで予定通り、前方から後方に新型弾、順次投下して下さい。なお起爆高度設定はお任せします」

《こちらブルーベリー1号! 了解! 起爆高度、2000から500に設定します! 予定25分後より初弾投下開始します! 以上!》


 エリーは直ぐ無線に答える。

「了解です! 投下完了後はそのまま帰投して下さい!」


《ブルーベリー1号! 了解! お嬢様のご健闘をお祈り致します! 以上!》

 応答後、無線が切れる。


 エリーは機長を見て言う。

「荷物は届いていますか?」

 機長は操縦桿を操作しながらそのまま答える。

「はい、20分前に合流地点に到着しています。現在急いで調整を行なっているようです」


 エリーは微笑み言う。

「そうですか、間に合って良かったです。魔導徹甲榴弾の威力はどのくらいあるのでしょうか? レンベル標準兵装で最高火力て言ってましたけど」


 機長がインカムを押して言う。

「只今より! 降下着陸体制に入ります! ベルトロック願います!」

 そしてランカーⅡが降下を始めた。周辺上空には雲が立ち込めて視界が悪い。そして気流も若干乱れている。

 機長がエリーに言う。

「若干揺れますが! ご容赦を!」


 5号機が雲に入ると機体がガタガタと振動する。キャビンの方から悲鳴が聞こえた。

ハル少将が声を上げているようだ。

 それを聞いてエリーが声を上げる。「落ちたりしません! 何を怯えているのですか! ハル少将閣下!」

 直ぐにハル少将が声を上げる。

「びっくりしただけです! 怯えてなんかいません!」


 一番うしろのシートに座っている。レベッカがクスッと笑っている。


 エリーの搭乗ランカーⅡは可変翼を調整ホバーリング体制に入り着陸地点に到達徐々に高度を下げる。そして着地した。


エリーは直ぐに言う。

「流石です! 今度、操縦指導をお願いします」


 機長は直ぐに振り返り言う。

「お褒めに預かり光栄です。また機会があればよろしくお願いします!」

そして、敬礼して言う。

「お嬢様、ご武運を!」

 エリーは微笑んで機長を見る。

「ありがとうございます! それでは参ります」

 エリーはベルトを外しキャビンへと向かった。


 直ぐにランカーⅡからレンベルが下降ろされ起動調整作業に技師達が掛かる。

ボビー達もランカーⅡ2番機から降りると作業に加わった。


 ブラウン商会の技官がエリーに近づいて来る。エリーの目の前に来て頭を下げる。

「エリー様、カミロと申します。重装機兵兵装開発を担当しております。早速ですが、今回の魔導徹甲榴弾ライフルの説明を致します。このライフルは長距離戦闘用で最大射程30キロ、有効照準射程25キロとなっております。銃身は補強しておりますが100発が使用限度です。今回使用弾数はそれぞれ50弾、ユーリさんの分を合わせて100弾準備しております。また初弾から3弾目までで照準補正を行い静止物なら99%の命中率となっております。発射後の装填は自動となっておりますので、操作は要りません。射撃間隔は5から6秒ほど掛かりますのでご容赦ください」

 カミロ技官がエリーに説明を終えて頭を下げた。エリーがカミロ技官を見て微笑んで言う。

「無理を言ってすいませんでした。それで1分間に10発ですね」


 カミロ技官はエリーの瞳を見て少し照れた顔する。

「はい、そうですが銃身保護で発射出来ない場合もございますのでご了承下さい。しかしながら、エリー様は奥様に引けを取らぬ美しさでございますね」

 エリーは微笑んでカミロ技官を見て言う。

「ありがとうございます。ですがお母様には及びませんよ」

 そしてエリーは直ぐに振り返りレンベルのほうを見て言う。

「レンベルの調整はどのくらい掛かりますか?」

 カミロ技官がエリーの前に出て言う。

「はい、10分ほどでシステム更新出来ると思います」


 エリーは頭を下げる。

「終わったら知らせて下さい。それでは少しハル少将とお話しがありますので」

そう言ってカミロ技官から離れハル少将のほうへと向かった。


 ハル少将が近づくエリーに声を上げる。

「あの、大きい砲身はなんですか?」

 エリーは微笑んで答える。

「重装機兵用ライフルです!」

「え・・・・・・! あんなに長い銃身で?」

 ハル少将が驚いた顔をしてエリーを見た。

「はい、あと10分もすれば実演出来ますので、まあ見てください!」


「ハル少将も搭乗してください」

 エリーが言うとハル少将は嬉しいそうな顔をする。

「ええ、もちろんです!」

 

 エリーが真面目な顔をして言う。

「軽く何か、食べましょう! これから忙しくなりますから、商会の車両にサンドウィッチがあるそうですよ!」

 そう言ってハル少将の手を引っ張って行く。



◆◇



 同時刻、帝国領上空高度千メートル、帝国近衛兵団飛行船艦隊50隻はアンドレア国境を目指し100キロの速度で飛行している。


 ガルシア近衛兵団長が声を上げる。

「攻撃準備に入れ! 各艦に伝達!」


 飛行船艦隊は隊形を旗艦ドール号を中心にV字隊形に変更して行く。


 エランは皇帝シートに座り相変わらず不機嫌な顔をしている。

 

 ガルシア近衛兵団長がエランを見て言う。「攻撃開始の号令は、陛下! お願いします」


 エランはそれを聞いて頷く。


 そして帝国近衛兵団飛行船艦隊のはるか上空には、ランカーⅡ攻撃機3機が攻撃開始のタイミングを伺っていた。

 


最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

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