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北部戦線68 アンドレア魔導師団21

ついに動き出す女帝エラン!

 北部戦線、エリー機動大隊現地配備、13日目早朝。


 エリー達が、バレット市北部域戦闘終了後、13時間ほど経過している。


 ここは帝国領バーグア市、帝国軍第三軍司令本部に近い司令官居住区。


 マーク司令官居室のドアが激しくノックされる。マーク中将が慌ててドアの施錠を解除してドアを開ける。そしてブラス参謀長が部屋に飛び込んで来た。


「電話を何度もしたのですが、お出にならないので直接伺いました!」

 ブラス参謀長が慌てたように言って敬礼した。

 マーク中将は少し虚な目でブラス参謀長を見て言う。

「どうした、そんなに慌てて何があったのだ」

 ブラス参謀長は直ぐに報告する。

「アンドレア共和国で動乱が発生しました! 軍部主導のクーデターです」


「ブライアン殿も加わっているのか?」


「いえ、わかりません! 詳細情報は不明です」ブラス参謀長が答える。


 奥の寝室のドアが開きバスローブ姿のミリアが慌てて出て来る。

「何かあったのですか!」

 ミリアとブラス参謀長の目が合い一瞬の沈黙が起こる。


 ブラス参謀長が少し戸惑った表情をしてミリアを見る。

「・・・・・・あゝ、すまない・・・・・・、ミリア中尉はここにいたのですね」

 マーク中将がうしろを振り返り、ミリアを見て言う。

「ミリア、とりあえず服を着替えたほうが良いな」

 ミリアは顔を下げて、その場からバスルームへと直ぐに入って行った。

 ブラス参謀長は困った顔をして言う。

「意外でした、閣下があのような若い娘に・・・・・・、彼女は参謀部の者です。閣下に近づいたのも目的がある筈です。注意して下さい。お願いします」


 マーク中将が嬉しいそうな顔をしてブラス参謀長を見て言う。

「あゝ、忠告ありがとう。だがミリアは良い娘だ。心配はいらん」


 ブラス参謀長は姿勢を正し言う。

「閣下、お戯れはいい加減にして下さい。え・・・・・・、それでは続きを! アンドレア共和国大統領府など主だった施設は、

短時間で軍により掌握されたようです。突発的なクーデターで無く、用意周到に実行されたクーデターのようです。なおこちらに滞在中の魔導師団は、現在所在不明です」


 マーク中将がソファーに座りブラス参謀長を見る。

「帝国との国境付近はどうなっている? 中央軍は、不穏な動きは気づいていた筈だ。国境付近にある程度戦力は配置していると思うが」


 ブラス参謀長が反対側のソファーに座り言う。

「五個師団と確認しております。侵攻出来るほどの戦力は配置されておりません。そしてクーデター派の後ろに連邦国軍がいた場合、迂闊に手を出せばアンドレア国境沿いが危うくなります。アンドレアの制圧を考えた場合、最低でも30個師団、安全性を考慮すれば50個師団は必要と考えます。ただし、まだクーデター派からの声明が出ていませんので、中央軍も様子を見るのでは無いでしょうか」


 マーク中将は少し考えて言う。

「クーデターを起こして、帝国側につくとは、まず考えられんな。たぶん連邦国とすでに通じていると考えるのが妥当だ」


 マーク中将はブラス参謀長を見て言う。

「アンドレア魔導師団のフレッド大佐はどうなっている! 監視を付けていたはずだが?」

 ブラス参謀長は視線を下げる。

「申し訳ありません。宿舎はもぬけの殻でした。密かに移動したようです」


 そしてバスルームからミリアが軍服に着替えて出て来た。

「先程は、失礼致しました!」

 ミリアがブラス参謀長に姿勢を正し敬礼した。ブラス参謀長はミリアを見て顔を緩めて言う。

「お邪魔したのは私だから、謝るのは私のほうだ。気にしないで欲しい」


 ブラス参謀長がマーク中将を少し嫌な顔をして見る。マーク中将はブラス参謀長に言う。

「ミリアは気にするな、そんな秘密にするような話は無いだろ。話を続けてくれ」


 ブラス参謀長は少し間を置いて言う。

「はい、わかりました。今回の件、魔女討伐はアンドレア魔導師団に上手利用されたのでは無いかと考えます。またブライアン師団長は今回、大きく関わっている事は間違いないと思いますが。今後、クーデター派の動きはどうなるかは見極めなければなりませなが情報が少ない現状ではどうにもなりません。一旦本部に戻ります」


 マーク中将は立ち上がりミリアを見て言う。

「ミリア、早いが朝食を食べるか? 私が作ろう。ブラス参謀長も一緒にどうだ?」

 ブラス参謀長は視線を逸らして言う。

「いえ、遠慮しておきます。それでは本部に戻ります」

 そしてブラス参謀長は立ち上がり敬礼する。マーク中将はドアの施錠を解除してドアを開けると、ブラス参謀長は頭を下げて部屋から出て行った。


 マーク中将はドアを閉め施錠する。

「ミリア、ついにアンドレアが動いた、これから何が起こるかわからない」

 

 ミリアは微笑んでマーク中将を見て言う。

「そのために、エリー様がいらっしゃるのです。そう思います」


 マーク中将がミリアに言う。

「お名前は他では口にしないように、お願いしますよ」


 ミリアが少し嫌な顔をして言う。

「はい、理解しております」

 そう言うと、ミリアはマーク中将に近寄り肩に手を回して優しく囁く。

「ねぇ、マーーク、朝食は何を作ってくれるのかしら?」


 マーク中将は呆れた顔をして言う。

「ミリア! ふざけるのもいい加減にしてくれるか、そんな性格だったのか?」


 ミリアはマークの顔を寄せて言う。

「ええ、そうですよ、こんな感じです! マークの素性を知って安心したのです。酷い目には絶対遭わされないと思ったのです」


 マークはミリアの顔を見て言う。

「昨日部屋に入って来た時とは、別人みたいだな。昨日は本当に顔に生気が無かったからな」


「そうでしたか、覚えていませんが」

 ミリアは微笑んで答えた。


 マークはミリアを優しく離して言う。

「卵焼きとトーストベーコンでいいな? 今から作るから待ってくれ」そう言ってマークはキッチンスペースに入る。


 マークはミリアを見て言う。

「食べたら、私は本部に行くが、ミリアはどうする?」

 ミリアをマークを見て微笑み言う。

「私は一旦、部屋に戻って化粧をしてから本部に向かいます」


「そうかわかった」

 そう言うとマーク中将は卵をフライパンに入れ焼き始めた。



◆◇



 

 ここは帝都、ドール市中央部の皇帝居城ドール城内、女帝居室。

 居室内に明かりが灯り、エリーによく似た紫髪色で朱色の瞳の女性がベットから起き上がり不機嫌な顔をして声を上げる。

「急ぎなのですか!」

 侍女の女性が申し訳無さそう言う。

「はい、エラン様、申し訳ございません。摂政様が急ぎとのことで・・・・・・、急ぎお召替えをお願い致します」

 この20代半ばのエリーに似た美しい女性はベランドル帝国女帝、エラン ドレークである。


「このような時間に! 朝ではだめなのですか」エランは機嫌が悪そうに言った。それを聞いて侍女が頭を深く下げて言う。

「申し訳ありません。それは無理でございます」

 侍女が軍服を準備して並べていく。

「それではお召替えをお願い致します」

 直ぐに三人の侍女が部屋に入って来て着替えを手伝い手際よく着替えを完了させた。襟には金色の星が五個付いている。階級章は元帥だ。

「ありがとう、これで良いわ」

 うしろの侍女は髪を整えて終わる。

 エランが椅子に座り右足を挙げると、侍女が黒のショートブーツを足に履かせる。そしてもう片足も同じように履かせた。

 そしてエランは立ち上がり、ドアの方へ歩き出すと侍女が慌ててドアを開けた。

 エランが部屋から出ると直ぐ隣に近衛兵団長ガルシア中将が一緒に付いて歩き出す。

「エラン陛下! おはよう御座います! 緊急出撃要請が摂政殿から出ております。アンドレアの件です。予定より随分早く動きがあったようで、このような時間になったようです」エランは頷きそのまま歩いて行く。

 皇帝執務室の前に来るとガルシア兵団長がドアを開ける。そしてエランが皇帝執務室に入ると、摂政アイクル シルバートが椅子から立ち上がり頭下げた。

「エラン陛下、申し訳ありません! 事態が急に動きまして、陛下御自身の出撃を要請致したく参りました」

 エランは直ぐにソファーに座り足を組む。そしてアイクル摂政を見上げて言う。

「少し前に聞いたアンドレアの件ですね。随分と早くなったものですね?」


 アイクル摂政は反対側のソファーに座りエランを見つめて言う。

「ええ、予想以上に早く動いたようです。よってエラン陛下にも直ぐに動いてもらわねばならないのですよ」


 エランは機嫌悪そうに言う。

「では予定通り、近衛兵団を率いてアンドレアを殲滅すれば良いのですね」


 アイクル摂政は微笑んで答えた。

「はい、陛下のお力をお借りすれば、アンドレア魔導師団とて問題にはならないでしょう!」

 

 エランは立ち上がりアイクル摂政を見て言う。「連邦国の魔女はいないのでしょうね?」

 アイクル摂政は少し微笑みを浮かべる。

「魔女は西の戦場でマーク司令官が釘付けにしてくれていますので、現れる心配はありません」

 エランはアイクル摂政を少し睨みながら。「では今から出ます! アイクル殿は残るのですか?」

 アイクル摂政は頭を下げて言う。

「私はやるべきことが御座いますので、近衛兵団長に全てを任せております。ご安心を」

 エランは直ぐに歩き出して言う。

「そう、ガリシア兵団長に任せば良いのですね。わかりました」


 そうして部屋のドアを開けてエランは執務室から出て行った。


 アイクル摂政はソファーに座りドアのほうを見て呟く。

「ちーーっ! 何もわからん小娘が! まあ良い使えるものは使わんとな」


 そして30分程してドール近衛兵団基地から帝国旗をペイントされた大飛行船団がアンドレアを目指して飛び立って行った。




最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます! これからも、どうぞよろしくお願いします。

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