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北部戦線64 アンドレア魔導師団17

 北部戦線、エリー機動大隊現地配備、12日目夜。


 エリー達が、バレット市北部域戦闘終了後、8時間ほど経過している。


 エリーは、特別第三機動連隊、重装機兵待機場で紅色の重装機兵を見上げていた。


「どうだ!」ラムザⅣのコクピットから下を覗きジェーンがエリーに声を発する。


「機体調整が終わったから試運転に出る、エリー少佐もついてくるか?」ジェーンが嬉しいそうに言った。


エリーがジェーンを見上げて言う。

「レンベルの出動許可がもらえません! 軍管区司令官からの要請だそうです」


 ジェーン少し考えて声を上げる。

「じゃあ、ユーリの機体でどうだ。軍の管理下じゃないから良いだろ」


「あゝ、そうですね!」そう言ってエリーはブラウン商会の整備エリアに向かった。

 そこには森林迷彩塗装の重装機兵ラムザⅣユーリカスタムがあった。

「お嬢様、何か御用ですか!」

 デリック技官が声を掛けてきた。

「これを出したいのだけれど、良いかしら?」エリーがデリックを見つめて言った。

 デリックは直ぐ答える。

「お嬢様、それはユーリさんに言って下さい。勝手にするとユーリさんに怒られますので」

「デリックさん、ダメなのですか」

 エリーはデリックを寂しそうに見つめる。

「ユーリさんに確認してみましょう」

 デリックが他の担当者に何か指示して、エリーから離れて行った。


 直ぐにブラウン商会の整備エリアに紅色の重装機兵が移動して来た。ジェーンが外部スピーカーでエリーに聞いてきた。

〈どうだ? 出れるのか〉エリーは手を挙げて声を上げる。

「少し待って下さい! いま確認しています」


 紅色の重装機兵は脚を折り畳み跪く。そして、コクピットシールドが上にゆっくり開いて行く。ジェーンはコクピットから少し顔を出してエリーを確認する。

「エリー少佐! 時間はあるから待つよ」


「ジェーン連隊長すみません!」エリーは頭を下げる。


「あそこのシートの掛かった機体はなんだ?」ジェーンが声上げて言った。


 エリーはブロックの端にあるシートの掛かった巨大な機体を見て言う。「あゝ、あれは遠距離支援回転翼機ランカーⅡですね」

 ジェーンはコクピットからすぐに地面に降りると、エリーに寄って来た。

「あんなの見てないぞ! いつ到着した?」ジェーンが不思議そうに言った。

 エリーはジェーンの瞳を見て言う。

「多分、昼間の戦闘中じゃないでしょうか」


「どうな運用なのだ?」ジェーンが興味深々でエリーに質問する。

「重装機兵の遠距離攻撃をする場合使用します。先月の帝国ヤルト攻撃時も使用しました。行動半径は最大500キロ、最大運搬重量30tですけど、なにせ積載運搬時がもろいですよね、だから使い所がむずかしいですよ」


 ジェーンがエリーの肩に手を乗せて言う。「飛行船ではどうなのだ」

 エリーは微笑み答える。

「こちらのほうが機動性、防御力は高いですよ。飛行船じゃあ戦場での運用はむずかしいですよ。すぐ火だるま墜落じゃあ、たまたものではないですよ」

「通常は複数機運用を想定しています。前回は五機を作戦に使用しました」


 ジェーンが嬉しいそうに言う。

「これで飛べるのか?」

 エリーが首を直ぐに横に振る。

「操縦はかなり難しいです。私はまだ単独で操縦したことはないです」


「そうか、エリーでもむずかしいのなら、かなりだな」ジェーンはランカーⅡに近寄りシートの中を覗き込む。

「デカイなぁ! これで重装機兵が空を飛べるのか」


 エリーは直ぐに否定する。

「違いますよ、運搬するだけです。飛行中は兵装は使用出来ませからね」


 そうしてユーリの声がする。

「すみません! 今から出るそうですね!」 ユーリはすでにパイロットスーツを着用準備していた。


 ジェーンがユーリに敬礼する。

「ユーリ少佐! お手数お掛けします!」

 エリーはジェーンを見て思った。(ユーリさんには苦手意識が相変わらずあるな。一回ボコボコにされてからなんか謙虚なんだよな)


「いえ、エリー少佐のためですから、問題ないです」ユーリは敬礼して答えた。


 デリックは操作端末を確認して繋いでいたケーブルを外して右手を上げた。

「起動完了です! コックピットに搭乗して下さい!」

 

 そしてデリックはタラップを降りてエリーに軽く頭を下げる。

「お嬢様! お気を付けて行ってらっしゃいませ!」


 エリーはユーリからヘッドギアを受け取り言う。

「デリックさん、行って来ます」


 エリーがタラップを上り、コックピット内に入ると、ユーリが後ろのサブシートに座りベルトを着ける。エリーもベルトを着けて言う。

「ユーリさん、いいかな? コックピットシールド閉めるよ」


「はい、閉めてください」

 エリーはシールド安全装置を外しシールド開閉ボタンを押した。コックピット内にアラームが鳴り響き、シールドがゆっくり閉まっていく。


 エリーが正面パネル確認して呼称する。

「起動完了! 異常警告表示無し! 制御システム異常警告無し! 兵装制御システム連動異常警告無し!」


 ユーリのカスタム重装機兵は立ち上がり、歩行を開始する。

「夜間認知システム作動! 味方識別信号起動! コックピット空調システム作動!」

 エリーが手際良く各機器を作動させていく。

 エリーはインカムを押して言う。

「特三本部! 通信確保よいか! こちらレッド二号! 今から出ます!」


《こちら特三本部! 確認了解です! お気をつけて!》


 エリーはローカル通信に切替、ジェーンに繋ぐ。

「準備完了です! それでは行きましょう!」


『了解だ! 一時間ほどよろしく頼む』

 ジェーンの応答を聞いてユーリカスタム機は歩行を開始して整備エリアから外へ移動する。

「バレット南東部域をパトロール周回しますのが、よろしいでしょうか?」


『了解だ! エリーに任せる!』


「はい、それではそのように」


 エリーはそう言うと左右のレバーを離し、手前にある左右のスペースに手を入れた。機体のスピーカーから女性のアナウンスが流れる〈機体パイロット認証システム作動! 認証しました! エリーブラウン確認! シンクロパイロットシステムに移行確認!〉


「ジェーンさん! 全開で行くね」


 ユーリカスタム機体がホバーリングを開始する。そしてバレット南東に向かって猛烈に加速を開始した。少し遅れて紅色のラムザⅣも追随加速して二機の重装機兵はあっという間に見えなくなった。



最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!


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