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北部戦線63 アンドレア魔導師団16

ミリアは帝国軍に復帰することを決意し、帝国領へと帰って行く。

 北部戦線、エリー機動大隊現地配備、12日目夜。


 エリー達が、バレット市北部域戦闘終了後、6時間ほど経過している。


 エリーはミリアと食事を終えて部屋に戻り話をしている。

「エリー様、私は帝国に戻ります。帝国軍士官としてお役に立てると思うのです」

 

 エリーは少し心配そうな顔をして言う。

「ミリアさん、貴女は以前とは変化しています。それは、封印されていた魔力を引き出せるようにしたことです。セリカさんのようにきっちり隠蔽出来れば良いのですが、もしもうっかりでは済みませんよ!」


 エリーは考えてからミリアを見て言う。

「少し待って下さい!」

 エリーは慌てたように部屋を出て行った。そしてミリアは思う。(エリー様はとんでもないお方だと身をもってわかった。私の中を意識が通った時、とんでもない大きさ力を感じた慈悲に満ち、そして強大エネルギー! この世の者では無い! 何か女神様のような光に包まれた・・・・・・、王家の血統者だけの力では、あのようなような力を得れるわけはない! 私は感謝しようエリー様に出逢えたことを・・・・・・)


 しばらくしてエリーが部屋に戻って来た。エリーはネックレスをミリアに差し出して言う。

「これをつけて下さい!」

 ミリアはエリーからネックレスを受け取り質問する。

「綺麗なネックレスですね! ありがとうございます。これはただのネックレスでは無いのですよね?」


 エリーはミリアに微笑んで言う。

「もちろんただのネックレスではありません。魔力隠蔽の効果があります。なので常に着けておいて下さいね」


「はい、わかりました」

 ミリアは頷き微笑み返した。


「私のパイロットスーツは、ありますか?」

 ミリアがエリーに尋ねる。

「ええ、確認します」

 エリーは部屋からまた直ぐに出て行く。


 しばらくして部屋のドアが開き、エリーとダークブルーの軍服を着たユーリが入って来る。ミリアはユーリの顔見て微笑み言う。

「マリアさんも、ここにいらっしゃたのですか」

 ユーリはミリアの顔を見て頭を下げて言う。

「はい、ミリアさんも元気そうでなによりです。マリアでなく、本当の名前を名乗っておきます。ユーリローガンです。連邦国軍諜報部、少佐をしております」


 ミリアがユーリに頭を下げて言う。

「エリー様の親衛隊に本日入隊致しました。今後ともよろしくお願いします」


 ユーリがミリアを見て少し嫌な顔をして言う。「エリー様の親衛隊? えっ! いつの間にそのような組織が、私は関与しておりませんが」

 そしてエリーを見て寂しそうな顔をする。

 エリーは困った顔をしてユーリを見て言う。

「それは、モニカさんの冗談ですよ! 私は承認していませんから、非公認組織です」

 ユーリは少し嬉しいそうにエリーを見る。「そうですね、これを機に創設致しますか、総代表に相談してみます」


 エリーはユーリを機嫌の悪い顔で見て言う。

「それは勘弁して下さい、そんな組織出来たら自由がなくなるでは無いですか?」


 ユーリがミリアに言う。

「パイロットスーツはとりあえず保管しています。帝国軍に復帰するつもりですね。了解しました。準備します」


 ミリアは二人を見て微笑む。

「今夜中に帝国軍に接触したいのですが、よろしいでしょうか」


 ユーリがミリアを見て言う。

「そうですね、早い方が良いですね、合流手前までは、お送りします」


 ユーリは少し考えてから言う。

「帝国軍内にも協力者、機関員はいますのでサポートは手配しておきます。残念ながら名前所属等は明かせませんが」


「はい、ありがとうございます! では準備をします」


 ミリアはエリーを見て敬礼する。

「ミリア中尉! 只今より、帝国軍に復帰致します!」


 エリーはミリアの手を優しく握って言う。

「無理はしないようにお願いします。いつでもお迎え致しますので、連絡して下さいね」


 ミリアはエリーの瞳を見て微笑み言う。

「無理はしません! 心配しないでください」そう言ってミリアはユーリと一緒に部屋をで行く。


 そしてミリアは30分ほどして準備を整えユーリと共に、ブラウン商会施設より帝国領に向けて出発して行った。



◆◇


 

 ここは帝国領バーグア市、帝国軍第三軍司令本部、司令官室。


 マーク中将が微笑み嬉しいそうに言う。

「ミリア中尉が無事発見されたか! 嬉しいことだ!」


 ブラス参謀長がマーク中将のほうを見て報告する。

「ミリア中尉は戦闘区域から5キロほど離れたところで発見されました。重装機兵からジース大佐と一緒に脱出したそうですが、途中の砲撃で逸れジース大佐は行方不明です。怪我等は無く、若干の衰弱が見られる程度のことです」


 マーク中将はブラス参謀長を見て言う。

「ミリア中尉だが、ブラス参謀長の下につけようと思うのだが良いだろうか?」


 ブラス参謀長は頭を下げて言う。

「ご命令と有れば、ミリア中尉も我々第三軍で預かりますが、問題はないのですか?」

 マーク中将はソファーにゆっくりと座り言う。「それで構わんと思うがダメなのか?」

 ブラス参謀長はマーク中将を見て反対側のソファーに座る。

「彼女は中央軍参謀部所属なのでどうなのでしょうか、他の部隊員とは立場が違うと思うのですが」

 マーク中将は目を閉じて言う。

「まあ良い、ブラス准将! この件、私が確認するから関わらんで良い」


 そしてブラス参謀長が小声でマーク中将に言う。

「アンドレア魔導師団ですが、魔女討伐部隊は偽装されているようです。精鋭の魔道士部隊が来ておらず、アンドレア国内に留まっているとの情報です。触れ込みでは精鋭魔道士部隊で、対魔女攻撃を行う予定と聞きておりましたが、編成人数は合っているのですが、師団長と第一魔導部隊長以外は大した実力者はこちらにいないようです」

 マーク中将は視線を逸らして言う。

「フレッド大佐だったか、そのものは帝国国内でもかなり動き回っているようだ」

 ブラス参謀長は立ち上がりマーク中将を見て言う。

「今回の件、帝国は利用されたのでは無いですか?」

 マーク中将は顔あげて言う。

「ブライアン殿は私にこう言った。我々はアンドレアのために動かなければなりません。帝国のためでは無く、アンドレア人民のためにとな」

 

 マーク中将は窓のほうへ移動して言う。

「ブライアン殿は近日中に動くのは間違いない。まあ、私には関係ないがな」

 ブラス参謀はマーク中将に近づき言う。

「それでよろしいのですか?」

 

 マーク中将はブラス参謀長に背を向けたまま言う。

「アンドレアくらいの小国で、何かあったとしても帝国には影響無かろう」


 ブラス参謀長は少しガッカリしたように言う。

「マーク閣下、この件はこのままでよろしいのですね。ですが監視は続けます」


「あゝ、それで良い」


 そして司令官室の電話が鳴る。マーク中将が受話器を取る。

「マークだ! わかった通せ!」

 受話器を置きマーク中将の顔が緩んだ。

「ミリア中尉が来るそうだ! 明日でもよかったのだがな、私に会いたいそうだ」

 ブラス参謀長が微笑みマーク中将を見て言う。

「良かったですね。無事に帰って来られて」

「そうだな、ジース大佐は残念だが、これも運命だな」


 ドアがノックされてミリアが司令官室に入って来た。ミリアは直ぐに姿勢を正し敬礼する。

「中央軍独立特殊機動部隊、情報中尉、ミリア アリストン、只今帰還致しました!」そして更に言葉を発する。

「今回の作戦において、我々の部隊は壊滅的打撃を受け、お役に立てず申し訳ありませんでした!」そう言って頭を深く下げる。ミリアは顔を強張らせて緊張している。

 マーク中将がミリアに近寄り優しく言う。

「君は部隊指揮官では無い、参謀部の連絡情報士官だ。責任を問われる事も取る必要も無いのだよ。そう自分を責めることは無い」

 ミリアは瞳を潤ませマーク中将を見て声を発する。

「申し訳ありません・・・・・・私は生き残ってしまって」


 マーク中将はミリアの肩に手を乗せる。

「そう責めるな、ありきたりですまんが、これは戦争だからしょうがないことだ」


 マーク中将はミリアの顔をまじまじと見て言う。

「だが」雰囲気が変わったな? 朝とは何か違う、戦場で恐怖を味わったからか?」


 マーク中将はミリアの瞳を見つめて言う。「ミリア中尉、何があった」

 ミリアは顔逸らして言う。

「はい、戦場での戦いというものが、どのようなものか理解したことです」


 そしてマーク中将はミリア顔の近くで呟いた。

「え・・・・・・、いえ」ミリアの顔が激しく動揺して額から大量の汗が流れている。

 

 そしてマーク中将はミリアに言う。

「今晩これからどうだ、私と折言って話がしたいのではないか?」


 ブラス参謀長が話に割って入る。

「マーク閣下それは、若い女性対して戯れがいささか酷いと思いますが」


 マーク中将は言う。

「ミリア中尉に聞いている。ブラス参謀長には関係の無い話だ」


「しかし、ミリア中尉がかなり怯えているように見えますが」

 ブラス参謀長が厳しい口調で言った。


 ミリアが顔を上げてブラス参謀長を見て言う。

「マーク閣下は、私を心配されているだけですので、心配は無用です」


「では後で、私の部屋に来ると良い」

 ミリアは頷き声を発する。

「はい、わかりました。一時間ほどでお伺い致します」

 ミリアはそう言って敬礼して慌てて司令官室を出て行った。


 ブラス参謀長がマーク中将を怪訝っそうに見る。

「どうしたのですか?」

 マーク中将はブラス参謀長から視線を逸らして言う。

「気掛かりがあってね、確認しておきたいんだよ」

 ブラス参謀長は少し間を置いて言う。

「そうですか、重要な事なのですね、私はこれ以上申しません」

 そしてブラス参謀長は、司令官室から出て行った。



最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

 これからも、どうぞよろしくお願いします。

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