北部戦線58 アンドレア魔導師団11
エリー達は帝国軍精鋭部隊を殲滅したが、大部隊の反撃を受けようとしていた。
北部戦線、エリー機動大隊現地配備、12日目午後。
エリー達が、帝国領に侵攻、バレット市郊外に到着してから48時間ほど経過している。
エリー達は、先行出撃して来た精鋭帝国軍重装機兵部隊を壊滅させた。だが後方の増援部隊が思った以上に早く数が出て来たのだ。重装機兵200機、機動装甲車両300両ほどが前方広範囲から迫って来る。さらに後方には2個師団ほどの機械科歩兵戦力も迫っている。そして、帝国軍の砲撃は始まっており周辺に着弾していた。
エリーは少し驚いていた。(なんて数! こんなの相手出来ない)
エリーはインカム押し言う。
「タイムオーバーです! 撤退します!」モード解除して離脱します!」
《レッド二号! 了解!》
《レッド三号! 了解!》
直ぐにユーリ、アンジェラから応答が入る。エリーは思う。(イラついて弾倉を無駄に消耗させた)
エリーは戦闘モード3を解除、離脱しようとレンベルを反転させた。
そして、先ほど撃破したスタンレー重装機兵が目に入る。近くに生体反応を感知する。すぐさまレンベルを急減速反転、上方に防御シールドを展開し帝国軍の砲撃を防御した。レンベルの両腕をソフトモードにして二人を回収する。エリーはレンベルの魔導回路通して二人を神眼で視感すると、レンベルの両手関節駆動部を固定、空間を保持する。
直ぐにユーリからローカル通信が入る。
『エリー様! 何をしていのですか!』
ユーリの声は戸惑っていた。
「ええ、気になったもので・・・・・・無意識のうちに反応してしまいました! 早く撤退しましょう!」
そう言って、エリーはハル少将に言う。
「バレットの部隊に戦闘指示をお願いします!」ハル少将は頷き直ぐに本部回線に繋ぎ言う。
「こちらレッドリーダー! 管区本部! 只今、帝国軍大規模戦力南下移動確認した! バレット防衛戦力は直ちに戦闘体制を取り押し出せ!」
《こちら管区本部! 了解! 直ちに戦線3個師団を出します! 以上!》
ハル少将はエリーに確認する。
「守備前線戦闘発動しました。それで、帝国軍パイロットを回収したようですが」
エリーは直ぐ答える。
「あのままでは死んでしまうと思ったからです。移動だけも考えましたが、砲撃も激しくこれが一番良いと思いましたので」
「捕虜として連れ帰るつもりですか?」
エリーは少し間を置いて言う。
「とりあえずは、医療処置が必要です。一名はかなりの重症です。もう一名は命に別状は無いようですが意識が無いようです」
エリーは続けて言う。
「ですので、まずはブラウン商会の医療施設に運びますのでよろしくお願いします」
ハル少将は頷き答える。
「私は今回の件、関与致しません! 見ても聞いてもいませんので、エリーさんのお好きな様にされて結構です」
エリーはローカル回線でユーリに繋ぐ。
「ユーリさん! 申し訳ありませんが、バレットの医療施設に搬送したいのですが、手配できますか?」
直ぐにユーリから応答が入る。
『エリー様、お考えがおありなのでしょう! 了解しました! 手配致します』
そうこうしている間に、エリー達はバレット市手前15キロ地点まで戻っていた。
◆◇
ここは帝国領バーグア市、帝国軍第三軍司令本部、作戦司令室。
50畳ほどの作戦司令室内では将兵が慌ただしく動いている。司令官席に座っているマーク中将が声を上げる。
「ポイント10東西ラインより前に進軍するなと全軍に通達しろ! 何をやっている! 準備も無しにバレットに突入するのか!」
情報士官が慌てて広域通信回線で通達する。
「第三軍司令官通達! 全軍進軍を停止せよ! ポイント10東西ラインまで撤退せよ! 繰り返す!」
マーク中将は無線マイクを取り言う。
「第三軍司令官! マークだ! 撤退せよ! 貴様らは魔女の狩場に足を踏み込むのか? 防衛ラインまで下がれ! 以上!」
マーク中将は言い終わりため息を吐く。
「参謀部特別機兵部隊が壊滅したのは本当か?」隣りの情報士官に確認する。
情報士官はマーク中将に言う。
「はい、後続部隊が確認しております」
マーク中将が言う。
「隊長機には、参謀部情報士官のミリア中尉も搭乗していたはずだが、ジース大佐はどうなっている」
情報士官は首を横に振り言う。
「魔女に撃破されたようですが、生死は不明です。今後、報告は上がって来ると思います」
マーク中将は視線を下げる。
「まずは、戦線の混乱を収拾する。防衛ラインの再構築させる。すぐにボーデン少将を呼べ!」
マーク中将は向かい側の参謀士官に怒鳴った。
「はっ! 只今!」参謀士官は慌てて作戦司令室を出て行く。
◆◇
ここは特別第三機動連隊、バレット郊外野営地。
帝国軍南下、緊急戦闘出動のため、重装機兵待機場では慌ただしく重装機兵が起動スタンバイを行っていた。
ジェーンが技術士官に怒鳴っている。
「こいつは出せんのか!」
紅色のにラムザⅣの前にいる技術士官が言い返す。
「ジェーン中佐! さっき説明した通り無理です! 安全が保障出来ないのにできるわけないでしょうが!」
技術士官は怒り心頭で今にも殴り掛かりそうな勢いだ。
「わかった! 諦めた」
ジェーンは技術士官に手を挙げて言う。
「まあ、しっかり調整してくれ」
そして隣の重装機兵待機場へ駆け出す。
第一中隊長がジェーンを見て声を上げる。「ジェーン連隊長! 早く搭乗して下さい! 出撃しますよ」
ジェーンは中隊長を見て声を上げる。
「すまない、待たせた」
そう言って、自分の重装機兵ラムザⅢカスタムTYPE−Bの搭乗タラップを駆け上がり、コクピットに潜り込んだ。
ジェーンは素早く起動作業を行い、コクピットシールドを閉める。ジェーンは愛機を起動完了させ立ち上がらせる。
ジェーンはインカムを押し言う。
「こちら特三リーダー一号! 各員! 出撃!」
特三機動連隊、重装機兵30機が移動、各機ホバーリングを開始して、ジェーンの機体が浮上ホバー走行を開始してそれに続いた。
《接敵予定3分! 全機、兵装ロック解除! 戦闘に備えよ!》
中隊長からの無線が入った。
ジェーンがインカムを押し言う。
「第一中隊は私の指揮下で動け、まずは西の敵を潰す!」
ジェーンの機体が旋回すると第一中隊10機が続いた。
ジェーンがインカムを押し声を発する。
「久しぶりの戦闘だ! 各員! 気を引き締めて掛かれ!」
そして第一中隊は加速して帝国軍重装機兵部隊へと突入して行った。
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