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北部戦線54 アンドレア魔導師団7

 北部戦線、エリー機動大隊現地配備、12日目午前中。


 エリー達が、帝国領に侵攻、バレット市郊外に到着してから41時間ほど経過している。


 ここはバレット市郊外、時三機動連隊野営地。


 エリーは、重装機兵整備エリアにいた。

エリーの隣にはボビーが端末を操作して確認作業をしている。


「嬢ちゃん! レンベルのシステムチェック完了したぞ! 朝飯食べに行こうや!」

 

 エリーはボビーを見て少し難しい顔をする。「レンベルの融合炉の出力限界はどのくらいなのですか?」

 ボビーが少し考えて言う。

「わからない、軍工廠のテストでも結果は出ていないからな、融合炉の構成素材自体が不明素材なんだからびっくりだぜ! だから強度計算も出来ないからシュミレートも出来ないだよ。骨格フレームも同じく不明素材だ。耐熱耐圧テストではとんでもない事になっているが・・・・・・」

 エリーは首を傾げ言う。

「とんでも無いって、どう言う事ですか?」


 ボビーはエリーを見て両手を上げ呆れたように言う。

「テスト機器限度条件で壊れなかったんだよ」

 エリーはボビーを少し驚いた顔で見る。

「それって! 連邦国の通常兵器では破壊出来ないと言う事ですよね!」


「そう言う事だ。だからレンベルの機体記号が♾️になっているらしいな」

 ボビーが答えた。そしてエリーは更に質問する。

「前から不思議に思っていたのですが、戦闘モードが段階区分されているのはどうしてですか?」


 ボビーがエリーを見て驚いた顔をする。そして言う。

「嬢ちゃん! 今更かよ! びっくりだぜ!」

 エリーはボビーを見て機嫌悪そうに言う。「だって、教えてくれませんでしたよね!」


「レンベルの操縦マニュアルには記載してあるぞ」ボビーがエリーをバカにしたよう言うと、エリーはそれを聞いて瞳が開き顔が真っ赤になる。

「嬢ちゃん! 怒るなって!」

 ボビーが揶揄うように言った。


 ボビーはエリーを見て言う。

「レンベルはどんなにマナエナジー魔力を流し消費しようが問題無いが、パイロットはそうじゃないだろう。例えばだが、一機の重装機兵を倒すのに【天空の雷神】を使ったりしないだろう。いわばパイロット疲労軽減のためのシステムだ。敵の状況に合わせて強さ、出力を調整して魔力消費を抑えているってことだ。まあ、嬢ちゃんは、半端無く魔力圧縮制御出来る力を持っているから、レンベルを操縦出来るんだけどな」


 エリーは少し申し訳なさそうに言う。

「理解しました。ありがとうございます」

 

 ボビーはエリーの肩に手を回して言う。

「嬢ちゃんは、国軍士官学校始まって以来の秀才て聞いたことがあるのだが、同姓同名の別人がいたようだな」


 エリーは顔をしかめてボビーを見る。

「なーーっ! それはどう言う」


「気にするな、全てを完璧にこなす人間なんてこの世にはいない。嬢ちゃんは、そういう抜けっているところが可愛いんだよ、そうだろ!」ボビーはエリーに微笑み言った。


 エリーは髪をかき上げてボビーを見て言う。「まあ、良いよ! たまにムカつくけど、ボビーさんには気を使わずに済むからね」


 エリーは、ボビーの顔を見つめて真顔になって言う。「ボビーさんは本当に良い人だよ。ずっと一緒にいてくださいね」

 

 ボビーはエリーの顔を見て少し動揺したように言う。

「俺に、愛の告白か? そんな真剣な顔でなんのつもりだ」

 それを聞きエリーは少し機嫌の悪い顔をする。「それは無いです。レンベルのために必要だからですよ」エリーの冷たい口調に、ボビーは少し寂しそうな表情になる。

「まあ、一緒に頑張ろうや」

 ボビーは思った(嬢ちゃんに一瞬、女性を感じちまった、これはヤバイな)


 エリーは嬉しいそうにボビーの手を取って言う。

「何か期待しました! 私がボビーさんに愛の告白ですか? それは、今後もたぶんないと思いますよ」


 ボビーはエリーの肩から手を離して言う。「さあ! 朝飯行こうぜ」


 レンベルのバックパック側で開放点検していたアナ曹長が表に出て来てエリーに声を掛けた。「ボビー大尉とエリー少佐は良いコンビですね」


 ボビーがアナ曹長に手を上げて言う。

「アナ、終わったのか? 朝飯行くか」


「ええ、完了しました。でも朝食は遠慮しておきます。シャワーを浴びてからにしますので」


「そうか、わかった」

 ボビーはエリーと一緒に重装機兵待機場から食堂テントへと向かった。


 そして、アナ曹長が整備機材を片付けていると、ユーリがやって来る。

「エリー少佐はおられませんか?」

 アナ曹長はユーリを見て直ぐに姿勢を正し敬礼する。「エリー少佐は食堂へ向かわれました」


「そうですか、了解しました」

 ユーリはアナ曹長を見て言う。

「少しよろしいでしょうか? お伺いしたいことがあるのですが」


 アナ曹長は嬉しいそうに言う。

「はい、なんでしょうか?」


 ユーリはアナ曹長の近く寄って言う。

「以前エリー少佐から、ブラウン商会へのお誘いがあったと思うのですが」

 アナ曹長は一瞬顔を曇らせて、焦ったように言う。

「はい、確かにそのような話がありましたが、ハッキリお断り致しました! ですので勘繰られるような事は一切ありません」


 ユーリはアナ曹長を見て微笑む。

「なぜ、断ったのですか?」


 アナ曹長は少し考えて言う。

「私は、軍に残り働きたかたからです」


 ユーリは残念そうな顔をしてアナ曹長を見る。「そうですか、貴女の才能はここでは発揮出来ないと思うのですが・・・・・・、私としてはブラウン商会に移ってもっと色々やって欲しいと思うのですが、残念です」


 アナ曹長は戸惑った顔をして言う。

「ユーリ少佐! それは私が必要無いから、ブラウン商会へ行けと言う事ですか?」

 ユーリは直ぐ答える。

「いいえ、違いますよ。戦争が終わってから役目が終わってからの事です。エリー少佐も言っていたと思いますが」


 アナ曹長は瞳を潤ませてユーリの顔を見る。

「ユーリ少佐は諜報部の方ですよね。エリー少佐の護衛任務で、ここにおられると知っていますが、他にもたくさんお仕事があるのでしょう! 私に構わないで下さい」


 ユーリはアナ曹長に微笑んで言う。

「アナさん、あなたはブラウン商会に是非とも欲しい人材ですので、いま直ぐに決める必要はありせん。ゆっくり考えて下さい」そう言ってユーリはアナ曹長に頭を下げた。

 アナ曹長はユーリの態度を見て混乱していた。(なぜ、ブラウン商会へ・・・・・・?)


「ユーリ少佐! すみません、時間がある時に、二人でお話し出来れば良いですが」


 ユーリはアナ曹長の手を握り言う。

「ええ、宜しいですよ、また連絡してください。待っています」

 

 ユーリはアナ曹長の手を優しく離して微笑むと去って行った。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

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