北部戦線51 アンドレア魔導師団4
北部戦線、エリー機動大隊現地配備、11日目夜。
エリー達が、帝国領に侵攻、バレット市郊外に到着してから28時間ほど経過している。
エリーは、あれから市内から移動してバレット郊外の特三機動連隊野営地にいた。
エリーはハル少将のプライベートテント内でハル少将と話をしている。
ハル少将がエリーを見て言う。
「今日のアンドレア魔導師団強襲について、参謀本部でも情報確認しておりますが詳細はまだ報告が来ておりません」
エリーがハル少将を少し機嫌悪そうに見て言う。
「申し訳ありませんが、ハル少将! 遠慮なくお願いします!」
ハル少将は困った顔をして言う。
「目の前であのようなお姿を見て、どうしたら良いかわからない状態なのです。ご理解をお願いします」
エリーはハル少将の瞳を見つめる。
「あの事は、夢の中の出来事だと思って下さい」ハル少将の瞳からは明らかに怯えの感情が見える。エリーは微笑んで言う
「ハル少将は何に怯えていらっしゃるのですか? 私の力は敵に対してのみ行使されるものです。仲間や味方を守るための力なのですよ、怯える必要などありません」
ハル少将は少しためらいながら言う。
「はい、それは理解しているつもりです。帝国特殊部隊やアンドレア魔導部隊を簡単に退けたセレーナ様がまさか、エリー様と同一人物とは・・・・・・、もちろん他言するつもりはございません」
エリーは立ち上がりハル少将の肩に手を優しく乗せて言う。
「私の女神の力は、みなさんが平和に暮らせるためのものです。決して悲しませるようなことには使いません! 約束致します」それを聞いてハル少将は顔を伏せる。
エリーはハル少将の頬に優しく手を添えて言う。「私はいつものエリーです。どうか今まで通りにお願いします」
ハル少将は頷き少し微笑んで言う。
「大丈夫ですよ、気を使わなくても・・・・・・」ハル少将は思っていた。(あゝ、余計なことを知ってしまった。まさか噂のセレーナ大尉がエリー様と同一人物とは、この作戦に参加しなければよかった。こんなこと知って私の身は大丈夫なのでしょうか?)ハル少将の表情が暗くなる。
エリーは少し考えてから言う。
「この後、予定がないのなら夕食を食べに行きませんか? 市内のヴィオレッテというお店なのですが、美味しいですよ!」
ハル少将はエリーに答える。
「ええ、今日は予定はないので大丈夫ですよ」
エリーはそれを聞きハル少将から少し離れて微笑む。「準備して参りますので、少しお待ちください」
エリーはテントから出てユーリのところへ向かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ここは帝都中央情報局本部、情報工作部長室。
「要請後にアンドレア魔導師団は、素早く動いたようだが・・・・・・、失敗したようだ。局長が摂政殿に呼び出された」
諜報工作部長がヒルト中佐を見て少し嫌な顔をする。
「魔導師団第二遊撃隊を送り込んだとのことでしたが、作戦失敗後、部隊員が消息不明になっている模様です」ヒルト中佐はインテリ風の諜報工作部長に言った。
「アンドレア大統領はかなり自信満々だったようだが、これでは立場は無いな」諜報工作部長はメガネを押し上げてヒルト中佐を見る。
ヒルト中佐は視線を諜報工作部長から逸らして言う。「アンドレアは諦めていないようです。バレット市の詳細地図が欲しいと連絡がありました。第二次魔導部隊を本国から送り込むようです」
諜報工作部長は少し驚いて言う。
「アンドレアは自分達の武器を惜しげも無く使うのだな、もしも大敗でもしようものなら、アンドレアは終わってしまうのに」
「ですがこれで魔女も無傷とはいかないと思います。なにせ魔導師団長ブライアンは大陸一番の大魔導士との事ですからね」
ヒルト中佐は瞳を輝かせて諜報工作部長を見て言った。
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