北部戦線50 アンドレア魔導師団3
北部戦線、エリー機動大隊現地配備、11日目午後。
エリー達が、帝国領に侵攻、バレット市郊外に到着してから25時間ほど経過している。
エリー達は、バレット市ブラウン商会関連施設内にいた。
エリーはレベッカとテーブルで向き合い話をしている。レベッカはアンドレア共和国、魔導師団第二遊撃隊の隊長で階級は大佐。そして魔導遊撃隊は五つの部隊編成で、隊員は全て国家魔道士であり、レベッカは国家魔道士序列3位とのことであった。
レベッカはエリーを見て言う。
「エリー様はどこかの王家の血統者でいらしゃいますよね、あれだけのマナエナジーを圧縮制御出来るなど、修練だけ積んでも出来るものではありません。天性の力が必要です」
エリーはレベッカの茶色の瞳を見て微笑み言う。「ええ、そうです。名前は明かせませんが、その通りです」
レベッカは更にエリーに質問する。
「エリー様は王家血統者で有り、そして女神様の加護スキルをお持ちの伝説級の大魔導士であると思うのですが? それは間違いでしょうか」
エリーは顔を傾けてレベッカに微笑む。
「大体合っています。ですがこの事は公にはしていませので、よろしくお願いします」
レベッカは頷いて、エリーの両手を握り言う。「私はなんと素晴らしい! 奇跡に遭ったのでしょうか、魔導士としてこれ以上望むべき事はございません」
エリーは立ち上がり言う。
「ルカさんはそろそろいらっしゃる頃ですね」レベッカは頷いて立ち上がる。
「はい、入口に迎えに行って参ります。ここでお待ち下さい」
エリーは、薄紫のロング丈のワンピースを着ている。さすがに連邦国軍の軍服で会う事はマズイとの判断だ。
しばらくして部屋のドアがノックされる。エリーが答えると部屋にレベッカと町娘風の若い女性が入って来る。
レベッカがエリーに頭を下げて言う。
「連れて参りました。こちらがルカでございます」ルカもレベッカの様子を見てエリーに頭を下げて言う。
「お初にお目に掛かります。ルカ アディールと申します。よろしくお願いします」
エリーはルカに微笑んで頭を下げて言う。「エリーブラウンと申します。よろしくお願いします」
ルカはレベッカを見て質問する。
「こちらのお方は?」
レベッカは微笑み答える。
「私のあるじで有り、偉大なる大魔導士、エリー様です。ルカ中尉、敬意を表しなさい!」ルカは驚いた顔をしてレベッカを見る。
「エリー様はアンドレアのお方ではございませんね」ルカは怪訝そうにエリーを見て言った。
「はい、その通りです。私は連邦国軍に所属する軍人です」それを聞きルカは動揺してレベッカを見る。
「レベッカ大佐・・・・・・、貴女は国を裏切っていたのですか?」
レベッカはルカを悲しそうに見て言う。
「アンドレアはこのままでは終わりです! ルカ、貴女だって分かっているでしょう!」
ルカはエリーに視線を移して言う。
「はい、いずれ帝国にのまれるのは、避ける事は出来ないでしょう! しかし、私の尊敬するレベッカ大佐が早々に国を見限っていたのは驚きです! いくら上層部が役に立たないからといって、これではあまりに酷いでは有りませんか」
ルカは言い終わると瞳を潤ませて顔を伏せる。レベッカはルカに近寄り腰に手を回し体を引き寄せて言う。
「貴女は、アンドレアが滅びるのを何もせず見守るつもりですか?」ルカはハッとしてレベッカを見る。
「レベッカ大佐はアンドレアを救おうとお考えなのですね! そのために私にも仲間になれと・・・・・・」
レベッカはルカを頷き言う。
「アンドレアを救う事は今なら出来ます。それには多くの仲間が必要なのです。ルカ、理解出来ますよね」
エリーがレベッカとルカに近寄り言う。
「ルカさんどうですか? 私達、ブラウン商会の情報組織に参加してくだされば良いのですが、いかがですか?」
ルカが不思議そうな顔をしてエリーに質問する。「ブラウン商会とは連邦国の巨大商会ですよね。なぜ? 国家組織では無いのですか?」
エリーは少し気味の悪い顔をして答える。「それは私がブラウン商会の総代表の娘だからです。何かと動き易く都合が良いからですよ。そして何より一番大事なアンドレアを救う事が出来ます」
エリーはルカの手を取り瞳を見つめる。
「私と一緒にアンドレアを救いましょう」
ルカは頷き言う。
「はい、お願いします」
ルカは思っていた。(レベッカ大佐がここまで心酔するエリー様、私にはそこまでとは思えない。容姿で判断するのは何だが、育ちの良いお嬢様にしか見えない? とりあえず様子を見てみるか)
エリーは内線電話を取り言う。
「ユーリさん、お願いします」
直ぐに部屋のドアがノックされた。エリーが答えるとユーリが入ってくる。ユーリはジャケットにスラックスのスタイルだった。
「初めまして、ブラウン商会情報担当のユーリ ローガンと申します」
ユーリとレベッカ、ルカの三人で細かい打合せを行い、今後について取り敢えず決定した。エリーはその間、時間が空いたので食堂で紅茶を飲んでいた。
「エリー様、終わりました」ユーリが食堂にやって来た。
「じゃあ、バレット脱出はどうしますか」
エリーがユーリの顔を見る。
「2日ほど様子を見てアンドレアへ送り届けます」
エリーは微笑み頷いて言う。
「わかりました。よろしくお願いします」
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