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北部戦線48 アンドレア魔導師団1

 北部戦線、エリー機動大隊現地配備、11日目午前中。

 エリー達が、帝国領に侵攻、バレット市郊外に到着してから18時間ほど経過している。

 エリー達は今、バレット市庁舎前に到着し、敷地内に入ろうとしていた。


 エリーは一瞬、魔力を感じる。

(なに? 今の感覚・・・・・・、誰か何かしている! 共通意識で視感されたような感じですけど)


 エリーは直ぐに感知スキルを発動、周囲の魔力を確認する。魔力は市庁舎から500m離れた場所の群衆の中に確認した。


 エリーは胸騒ぎを感じると、直ぐに意識を沈めセレーナに確認する。(どう思う? 私では判断出来ないの・・・・・・)セレーナの意識は浮かんでくるとエリーにイメージを伝える。エリーは全身に震えが来て、動揺する。(私で防げることなの?)

セレーナの意識が言う。(時間はない、早く発動場所を特定しろ)

エリーはたまらず声を漏らす。

「ダメ! 特定出来ない!」

 サブシートのハル少将が驚いて言う。

「どうしたのですか、なにがダメなのですか?」

セレーナの意識はエリーに言う。

(どうする! このままでは大量の犠牲者が出るぞ!)

 エリーは覚悟を決めて後ろを振り返り言う。「ハル少将、これからのこと、どうか夢の中のこととして、お願いします」

 そしてエリーはセレーナに意識を譲る。エリーの体が白い光に包まれると髪色が紫色から銀色に変色し、瞳が開き若干釣り上がって瞳は赤色に変わった。

 エリーはパイロットシートの両サイドスペースに手を入れる。そしてエリーは言う。「レンベルよ、我はセレーナ ブレッドリー! 我に従え!」

 レンベルのシステムアナウンスが流れる。〈機体パイロット認証システム作動! 認証しました! セレーナブレッドリー確認! シンクロパイロットシステムに移行確認! 兵装システムロックオール解除! 魔導増幅システムリミット解除! バックパックバイパスシステムロック解除!」

 レンベルの警報が鳴りアナウンスが流れる。

〈北東15キロ地点反応確認、発射確認! 現在飛翔中! バックバック迎撃システム作動!〉

 レンベルは紫色の光に包まれている。僚機のユーリが異変に気づき無線で呼びかけるがエリーからの反応はない。

 レンベルのバックパックが開放展開すると瞬時に物凄い光のエネルギー体が発射される。

そしてバレット市上空で爆発と閃光が起こった。

「2弾目はやらせん! グラネードランチャーだ!」エリーが叫ぶと、兵装システムが瞬時に目標ロックしグラネードランチャーが発射される。


 サブシートにいるハル少将はなにが起こっているか把握出来ず、動揺して前にいるエリーに声を掛けることが出来ない。

 

 グラネードランチャーを発射すると、レンベルは、すぐさまホバー走行を開始、猛烈な速度でその場を離れる。


 その状況に周囲にいた、特三機動連隊のメンバー達は動揺して動きが取れない。


 レンベルは猛烈な速度で街並みを通過してあっという間に郊外に出ると、さらに速度を上げる。エリーは定期的にランチャー弾を発射して相手の退路を妨害していた。


「失敗です! 我々の位置が特定されているようです」テラ副長がレベッカ大佐に動揺した顔で言った。

「バカな! あり得ないでしょう! そんなこと! 魔導特殊榴弾が空中で爆散?」

レベッカ大佐はすぐさま撤退を指示するが、レンベルのグラネードランチャーが直ぐに到達、魔導特殊榴弾砲装置が直撃を受け破壊される。三人ほどが巻き込まれて吹き飛ばされた。

「そんな・・・・・・、反撃を受けている? あり得ない」レベッカ大佐は瞳を開いて眼が痙攣している。

「とりあえず、早く逃げましょう!」

テラ副長がレベッカ大佐の手を引っ張る。

我に帰ったレベッカ大佐は言う。

「この作戦は簡単に終わるはずだった? なんでこんなことに・・・・・・」

 残った7人は急いで森の中を帝国側に逃げようとするが、的確にレンベルのランチャー弾が撃ち込まれてくる。

「なーーっ! 我々は完全に補足されている! なんでわかるのですか!」

 レベッカ大佐が声を漏らし呻いた。


 そして轟音が近づいてくる。朱色の重装機兵レンベルだ。レベッカ大佐はテラ副長に諦めたような顔で言う。「あれが帝国の言う、魔女ですか? あゝ、確かに凄い魔力量を感じます。私が今まで出会った事のないとんでもない膨大な、無理ですね・・・・・・、とてもじゃないけどありえないですね」

レベッカ大佐は立ち止まり言う。

「貴方達は逃げなさい! 私がなんとかしてみます」

 テラ副長は頷き言う。

「覚悟は理解しましたが、無理ですよ、隊長でも瞬殺ですよ」

レベッカ大佐は引き攣った笑顔で言う。

「役に立たないてことですか」

「ここにいる全員でかかっても変わりませんよ」テラ副長が全員の顔を確認して頷き言う。「死ぬのなら一緒で良いと思いますよ。多分逃してはくれませんよ、魔女様はね」

 レベッカ大佐はそれを聞いて悲しそうに言う。「すみませんね、上官として情けなく思います」


 レンベルが7人の前に立ちはだかり、ライフルを構える。

 レベッカ大佐は諦めた顔をしてレンベルを見上げる。(あゝ、凄い! 私は神に手を出してしまったのでしょうか? ルカ達だけでも生き延びてくれれば良いのですが)

 

 7人が呆然と立ち尽くすていると、レンベルの外部スピーカーから声がする。

「お前達は何を望む! 服従かそれとも死か?」

 7人は動揺して意味が理解出来ない様子でレンベルを見ている。

レベッカ大佐は戸惑いながら声を上げる。

「服従すればどうなるのですか?」

レンベルから直ぐに答える。

「それは我に一生涯服従し従うことだ!」

レベッカ大佐は叫ぶ。

「全員命は助かると言うことでしょうか」

「そうだ! だが女神の紋章を受け入れなければならんがそれで良いのか」

レベッカ大佐は頷き言う。

「全員が助かるのならば、受け入れましょう」

 そしてレンベルの光が拡散して7人に降り注ぐ、全員が光を全身に浴びて動けなくなりその場に倒れ込む。

エリーが呟く。「これでお前達は我の忠実なしもべとなった。もはや反抗することは許されぬ」

 

 そしてエリーはセレーナの意識からエリーへと戻る。銀色の髪は紫色に変色し、瞳はいつもの優しい切長のエリーに戻る。

「あゝ、疲れました」エリーはなんとか意識を保っている。

レンベルのシステムアナウンスが流れる。

機体パイロット認証システム作動! 認証しました! エリーブラウン確認! シンクロパイロットシステムに移行確認! 兵装システムロック作動! 魔導増幅システムリミット作動! バックパックバイパスシステムロック作動!〉

 レンベルの開放展開していたバックパックシステムが収縮格納される。

 

 ハル少将はまだ理解出来ない様子でエリーを見て言う。

「エリー様! 貴女さまは神だったのですね! ようやく理解出来ました。なぜ国の上層部がエリー様を優遇するのかを・・・・・・、度重なる失礼お許しくださいませ」ハル少将は目を潤ませ顔を強張らせている。

「ハル少将、すみませんがこのことは、どうか夢を見ていたと言うことでお願いします。それと、すいませんが、応援を無線で読んでもらえますか、もう限界です」そう言ってエリーは意識を失った。



最後まで読んでいただきありがとうございます!

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