北部戦線47 バレット進駐2
北部戦線、エリー機動大隊現地配備、11日目午前中。
エリー達が、帝国領に侵攻、バレット市郊外に到着してから17時間ほど経過している。
エリー達は今、バレット市街地に入り、大通りを市庁舎を目指して車列を組み行進している。
市街地内に市民は、ほぼ見かけない歓迎されてはいないようだが、敵意を向けてくるような事もない、平静を保っている。各重要施設は昨日のうちに警護隊と憲兵隊が抑えている。
エリー達は重装機兵に搭乗して車列の先頭付近にいた。エリーの愛機レンベルのサブシートにはハル少将が同乗している。
「あと3分ほどで市庁舎前に到着します。何事もなく到着出来そうですね」エリーはハル少将に言った。
「ええ、無事に市長会談まで終われば今日の予定は終わりです」
ハル少将は少し面倒そうにエリーに言った。
「行政官が到着していないので、私が代理で会談をしなければならないのですよ」
エリーはハル少将に振り返り言う。
「それは大変ですね! それで私は市庁舎前で待機でよろしいのですね?」
◆◇
ここは同時刻のパレット郊外の森の中。黒いコートを着込んだ10人ほどの集団が何やら準備している。
「魔導特殊榴弾砲装填完了しました!」
男達の一人が後ろを振り返り言う。
リーダーらしき女性が頷き空を見上げて言う。「ルカからまだ魔導誘導波が来ません! もう少し待ちます!」男達が頷き女性を見る。
「我々が出っ張るほどの相手なのですか?」女性リーダーの傍にいた男性が言う。
「大統領、直々の指示だからしょうがないでしょ! 帝国に恩を売るとかなんとか言ってたけど、まあ連邦国のショボイ魔法剣士なんて一撃で終わらせますけどね」
男性が女性リーダーに言う。
「良かったですね! 魔導榴弾頭残りがあって! 手持ちが無かったら他の奴らに手柄を持って行かれるところでしたよ」
女性リーダーは男性を睨み言う。
「何を言っているのですか! その時は直接斬り込んで仕留めるだけでしょ!」
男性は呆れたように言う。
「無茶苦茶言いますね! これだけの敵の中生きて帰れるわけないですよ」
「奴ら発射する前に気づきますかね?」
「無理でしょう! こちらは15キロくらい離れています。まあ、発射したら気づいても防ぎようが無いですけどね」
「連邦国軍は2キロ先にいますが、発射したら即、離脱するので問題ないです」
男性は女性リーダーを見て言った。
女性リーダーがイラついたように言う。
「それにしてもルカは何をしている。もう時間のはずですが!」
「レベッカ大佐、そんなに焦らなくても」
男性が女性リーダーに言う。
「テラ副長、ここは敵地です! 長居はしたく無いのです。わかるでしょう」
テラ副長と呼ばれた男性が言う。
「しかし帝国も舐めたものですね。魔法剣士の一人や二人で我々を使うなど」
レベッカ大佐と呼ばれた女性リーダーが言う。「我々は帝国から見れば小国だから舐められてもしょうがないですが! 帝国は、魔法は時代遅れの役に立たない代物とか言いながら結局は、我々に頼るのだから意味がわかりませんね」
テラ副長がレベッカ大佐に言う。
「帝国は国内の魔法血統者を、根絶やしにしたと噂がありますが本当でしょうか?」
レベッカ大佐はテラ副長を見て機嫌悪そうに言う。
「さあね、ただ帝国はローゼ教と魔法を排除して国家を形成しようとしていることは事実です。だから本来なら帝国は我々の敵なのですが、おかしな事になていると思いませんか?」
レベッカ大佐は時計を確認して言う。
「タイムリミットです! あと2分待って誘導波が無くても発射します。精度は下がるがしょうがないですね」
テラ副長は頷き男達に指示を出す。レベッカ大佐がバイザーを装着して言う。
「発射体制に入ります! 榴弾砲最終確認お願いします」
直ぐに男達が魔導特殊榴弾砲を確認して手を挙げ、発射準備完了を知らせる。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!




