北部戦線45 再会5
北部戦線、エリー機動大隊現地配備、10日目夜。
エリー達が、帝国領に侵攻バレット市郊外に到着してから10時間ほど経過している。
エリー達は今、バレット市内ブラウン商会の関連施設内にいる。
一階の食堂でエリーは一人椅子に座ってボーとしていた。そこへユーリがやって来た。
「ハル少将には連絡を入れましたが、エリー様からも直接ご連絡をお願いします」
「はい、連絡はするけど詳細は言えないよね! どんな風に言っとこうか?」
「私は、特に言ってませんよ、要件は終わりましたが、今日は帰れませので明日、朝イチ帰りますと伝えました」
ユーリはエリーを見て疲れた表情をする。
「ユーリさんもう寝なよ、顔が疲れてますよ。警護は心配無いのでしょう」
「はい、一個歩兵中隊で周囲を警戒していますので大丈夫です」ユーリはエリーを見る。
「では、お言葉に甘えて少し仮眠をとって参ります」そう言って頭を下げて食堂から出て行った。
エリーはふっと息を吐き少し目を閉じて考える。(今日は忙しい一日でした。でも魔力量も魔力制御もここ最近随分上がってきてますが? 何故なんでしょう)
食堂の入口で声がする。
「エリー様、おやすみにならないのですか」セリカが食堂に入って来た。
「まだ寝ていたほうが良ですよ」
エリーがセリカを見て言った。
「大丈夫です。エリー様に治癒をして頂いたので随分調子が良いです」
セリカはエリーの隣の椅子に座ってエリーの肩に手を乗せ顔を寄せる。
「申し訳ありません。こうすると気持ちが良いのです」
エリーはセリカの髪の毛を優しく撫でながら言う。「これから、ブラウン商会の人間として動いてもらいますので、よろしくお願いします」
「はい、エリー様のために頑張りますのでよろしくお願いします」セリカはエリーの手を取って頬につけながら言った。
エリーはセリカを見て思う。(私が魔力を通した人はみんなこんな風になっちゃうですが? どうしてなんでしょう! これも女神のスキルなのでしょうか)
食堂にサラ憲兵軍曹が入ってくる。エリーとセリカの状態を見て怪訝そうな顔を一瞬して言う。
「本日、0530ここを出発しますので、よろしくお願いします!」
「サラさん、了解しました! 少しでも寝てくださいね」エリーはサラ憲兵軍曹を見て微笑む。サラ憲兵軍曹は頭を下げて言う。
「はい、ありがとうございます! お風呂に入ってからにします」サラ憲兵軍曹はそう言って食堂を出て行った。
セリカはエリーを見て微笑み言う。
「エリー様にお会いした事は、女神ローゼ様のお導きなのでしょうか?」その言葉にエリーは一瞬、機嫌の悪い顔になる。そしてエリーは少し考えた顔になり微笑んで言う。「そうですね、導きかもしれませんね、でも女神ローゼの力は万能ではありませから・・・・・・、なので私がここにいるのです」
セリカは少し不思議そうな顔をして言う。「女神ローゼ様とエリー様は繋がりが有るのですか?」
エリーは少し悲しい顔をしてセリカを見て言う。「ええ、深い絆で結ばれていますよ。血を分けた姉妹ですもの。昔、酷い目に遭わされてますけどね。今は少し感謝しています」
セリカは少し微笑みエリーの瞳を見て言う。「エリー様は冗談が過ぎますよ。いくらなんでもローゼ様と姉妹なんて!」
そう言ってセリカは笑っている。
エリーは優しくセリカの身体を両手で離すと言う。「セリカさん、少し仮眠をとりますので、おやすみなさい」エリーは立ち上がり食堂の入口に向かおうとすると、セリカがエリーの左手を握り言う。「エリー様! ありがとうございました! おやすみなさいませ」そして個室へと向かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ここは帝都、中央情報局本部、諜報工作部。
「バレット市内にてセリカ少佐、戦死とのことです」ヒルト中佐が悲しい顔で部長に報告する。
「そうですか、セリカ少佐の剣技でも無理でしたか! 貴重な人材をまた失いましたね」部長が残念そうにヒルト中佐に言った。
「現状の戦力構成では、魔女を仕留めるのは困難となりましたね」部長がヒルト中佐を見て言った。
ヒルト中佐が少し考えて言う。
「やはり、アンドレア共和国に魔法剣士の派遣を依頼しますか?」
部長がヒルト中佐を嫌な顔をして見る。
「それは出来ませんよ! 摂政様に漏れたらタダでは済みません」
「では局長を上手く使ってやれば出来るのではないのですか? 局長は手柄を欲していますので、上手く乗せれば良いかと」
ヒルト中佐が部長に微笑み言った。
「そうですね、上手くいけば魔女も局長も潰せるのですね」部長はヒルト中佐を見て少し嫌な顔をする。
「貴方も悪い事を平気で言いますね」
ヒルト中佐は部長に言う。
「いいえ、私は魔女を潰したいだけです。多くの仲間が犠牲になりました。潰すためならもはや手段を選べる状況ではありません」
部長はヒルト中佐を見て少し考えて言う。「わかりました。局長を上手く使い、アンドレア共和国に魔法剣士を派遣してもらいましょう。そうすれば事態も好転出来ます」
ヒルト中佐は頷き言う。「許可が出れば、私がアンドレア共和国に出向きます」
部長はヒルト中佐を見て言った。
「ですが、局長は引っ掛かりますかね?」
ヒルト中佐は言う。
「貴方はそう言う事は得意なので問題ありませんよ」そう言ってヒルト中佐は部屋から出て行く。
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