北部戦線43 再会3
北部戦線、エリー機動大隊現地配備、10日目夜。
エリー達は、バレット市内レストランで食事をしていた。
「エリー少佐、美味しい食事をありがとうございます」サラ憲兵軍曹が立ち上がり頭を深く下げる。
「いいえ、御礼なら頑張って料理をした店主さんの方に言って下さい」エリーは微笑む。
エリーは給仕係の女性を見て言う。
「すいません、料金は連邦国通貨で宜しいでしょうか?それとも軍票でしょうか?」
給仕係の女性が慌てって店主に確認している。そしてエリーのテーブルに来て頭を下げて言う。
「本日はお代は結構です。どうも有難うございました」
エリーは給仕係の女性を見て微笑んでから立ち上がり女性に近寄る。
「すいません、そう言う訳にはいきません。料理や接客に対して対価をもらう事は当然の権利ですよ」そしてエリーは、店主を見て言う。
「今後もよろしくお願いします! おいくらですか」
店主は少し戸惑った様子で言う。「料金を頂きたいのですが、レートが良くわからないのですが」
エリーは少し考えて言う。
「では仮払いしておきます。もし多かったり少なっかたら次回調整すれば良いかと思います」店主は頷き言う。
「はい、それで結構です。ありがとうございます」
それを聞いて、ユーリが料金を給仕の女性に支払う。
全員立ち上がり店を出る準備そしていると、エリーがサラ憲兵軍曹に言う。
「サラ軍曹! 軍刀を私に貸して頂けますか」サラ憲兵軍曹は驚いて言う。
「私の軍刀は特別な仕様ではありません! エリー少佐の剣技に耐えられるとは思いません」エリーはサラ憲兵軍曹から軍刀を受け取り言う。「大丈夫です。魔法を通して強化するから充分持ちますよ」
ユーリもカイ憲兵中尉から軍刀を受け取り準備する。エリーがユーリを見て言う。
「外の人達は退避させて下さい。犠牲者を出したく無いのでお願いします」
ユーリは頷き言う。「了解です!」
エリーはサラ憲兵軍曹の顔を見る。
「店から外へは出てはいけませよ! 店主さん達と奥にいて下さい」
エリーはユーリを見て微笑み言う。
「凄い、魔力波動を感じますが、やはりこれってセリカさんですかね?」
ユーリは緊張した表情でエリーを見て言う。「私も少し驚いていますが、間違いなくセリカさんでしょう」
「やる気満々だね。こっちもそれなりにやらないとヤバイかもね」エリーが嬉しそう言うと、女神スキル神眼、身体強化を同時発動した。ユーリは魔力を全身に通して身体強化を図る。
ユーリが店の入口を出ると直ぐに声を上げる。
「警護の者は全員退がれ! この相手はお前たちでは役に立たない! 死にたく無ければかくれていろ!」そして店の周辺にいた警備兵士が店の後方に退避した。
エリーは神眼でセリカの位置をすでに把握していた。
(魔力量も多いけど技量も高そうです。セリカさんやはり魔法士家系出身だけの事はありますね)
エリーが声を上げる。
「私は、連邦国軍! 第三機動連隊、大隊長エリーブラウンです! 帝国軍の言う魔女部隊の隊長です」
セリカは通りの反対で物陰に隠れていたが、諦めたように姿を現す。
「さすがですね! わかるのですか」
セリカはすでに剣を抜くと魔力を上げてエリーに近づこうと飛び出す。
エリーの横にいたユーリがそれを見てすぐ様飛び出した。ユーリは中段左から斬撃を放ちセリカを牽制する。セリカはそれを半身で交わして、下段右から振り上げる。その剣先はユーリの左脇腹を掠め軍服を切り裂いた。
ユーリはすぐに右足を着いて反転し剣の軌道を外に逸らす。ユーリは呟く。
「ここまでやるのですね! 思った以上です」
セリカの動きが何かに気づいて鈍くなり、そして立ち止まる。
「あなたは・・・・・・、何故? マリアさん? どうしてここに」
街灯の明かりでユーリの姿を見て、セリカの瞳は大きく開き顔は酷く動揺している。
そして向きを変えてエリーを見てさらに驚いて言う。
「ローラさん? あなたは・・・・・・? 魔女?」
セリカはハッと一瞬考えて魔力量を上げエリーの方へ素早く上段から斬撃を放つ。
エリーはその斬撃を受け止めて右に受け流す。セリカは叫ぶ。「ローラさんですよね! どうしてこんな事になるのですか」
エリーは悲しそうな顔をして言う。
「申し訳ありません! 騙すつもりなど無かったのです!」
セリカは下がり間合いをとって言う。
「私には、理解出来ません! ですが敵であるという事は間違いありませんよね!」
ユーリがセリカの後方に周り込み斬撃を放つがセリカは剣で受けて上方へと剣を逸らした。エリーはそれを見てセリカがかなりの技量を持っている事を再認識した。
(帝国には今、魔法剣士はいない。でもここにとんでも無い剣士が一人いた。かなり出来るユーリさんが苦戦している)
エリーは心の中でワクワク感が止まらない事に戸惑っていた。
エリーは魔力量を上げて軍刀に通す。そして刀身が紫色の光に包まれる。
セリカはそれを見て動揺する。
「それはべランドル王国魔法剣技では?」
エリーはそれを気にせず右中段からセリカの脇に斬撃を放つ。セリカは剣でそれを受け軌道を逸そうとするが剣は中に押し込まれ、セリカの脇腹にセリカの剣が食い込む。「うーーっ!」セリカが唸り声を上げる。セリカは左に体を逸らし右足を蹴り出し後方に下がった。
直ぐにユーリが距離を詰めて右下段から斬撃をセリカに打ち込む。セリカは軌道に剣先を入れ外に弾いた。セリカは脇から出血がありシャツが血で染まり、血が地面に垂れている。
セリカはエリーを見て言う。「とんでもない強さです。べランドル王国剣士にここでお会いするとは思いませんでした。ですが連邦国軍とは残念です」
セリカは動き易くするため剣でスカートの両サイドの布を切り裂く。「しかし、驚きです。私達を苦しめていた魔女が、べランドル王国剣士とは、本当になんと言う因果なのでしょう」
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