北部戦線41 再会1
北部戦線、エリー機動大隊現地配備、10日目夕方。
エリー達、特三機動連隊は帝国領、南都バレット市の野営地にいた。
エリー達は、セリカと接触するべく動こうとしていた。
エリーはハル少将に近づき耳元で呟く。
「ハル少将お話しがあります」ハル少将はエリーの表情を見て言う。
「エリーさん、深刻な顔をされてますね。こちらへどうぞ」
ハル少将はエリーの手を握り士官用車両まで歩き後部ドアを開ける。
「どうぞ中へ」エリーが後部席に乗り込みハル少将も乗り込んでドアを閉めた。
「エリーさん、お話しとはなんでしょう?」ハル少将がエリーの顔を見て微笑む。エリーは少しためらいハル少将を見る。
「申し上げ難い事なのですが。今夜中に解決しなければならない事案がありまして・・・・・・、バレット市内に行かねばならないのです」
ハル少将は、驚いた表情をしてエリーを見て言う。「明日、市内制圧確認後ではダメなのですか?」
エリーは首を横に振り言う。
「それでは遅いのです! ダメでしょうか」エリーはハル少将の手をに握り頭を下げて言う。
「お願いします」
ハル少将は困った顔をして言う。
「エリーさんは、私が許可を出さなくても行くのでしょう。だから一応市内偵察で許可を出しましょう。ですが無茶は勘弁して下さいね」
ハル少将は渋い顔をしてエリーを見る。
「ありがとうございます。ハル少将はやはり優しいお方でした」エリーは微笑んで言った。それを聞いてハル少将の顔が若干緩む。
エリーは、ハル少将に許可をもらい、ひとまず安心いているとユーリが戻って来た。
「ユーリさん、とりあえずハル少将からは許可をもらいました」
ユーリがエリーの瞳を見て微笑む。
「それはよかったです。これで懲罰はありませんね」
ユーリがエリーに収集した情報を報告する。
「セリカさんの素性についてですが、旧王国家に仕えていたマクガイヤ家の出身でした。帝国移行前の動乱期にマクガイヤ家は中立を選択して、当主だった父親は帝政移行後処刑されています。マクガイヤ家は魔法士の家系なのですが、帝政移行時、魔法士は基本的に中央から追放されています」
「帝国の基本指針であるローゼ教信仰の禁止、魔法の排斥、科学技術による国家統治となっています」
「なぜローゼ教を毛嫌いするのですか?」
エリーがユーリに質問する。
「それは女神ローゼの心の支配の解放でしょうか、そしてローゼ教の神技の中の魔法を排斥して自分達の支配を完璧なものにする。科学技術を持って魔法と置き換え魔法と対抗し駆逐するものです」
ユーリはエリーを見て微笑む。
「エリー様のようなレベルの魔法士なら、科学技術兵器とも対抗出来るかも知れませが、一般の魔法士なら魔法を持たない兵士のライフル銃で簡単に殺されてしまうでしょうね」
エリーが不思議そうに言う。
「科学技術と魔法は同じ科学であるものなのですが、帝国は何か勘違いしているようですね。この大気内に存在するエネルギーを魔導回路により集約高圧縮して制御開放するのが魔法であるのに。何か非科学的なまじないのようなものと思っているように思います」
そう言ってエリーはペンダントを首元から引き出しユーリに見せる。
「このペンダントには魔導回路が3種類入っています」
エリーはペンダントを外して言う。
「ユーリさんつけてみますか」
「よろしいのですか? ではお願いします」エリーはペンダントをユーリの首につける。エリーはユーリの瞳を見て言う。
「先ず、ペンダントを意識してみて下さい。そしてペンダントの周辺のマナエナジーが集まって来るイメージをして下さい」
そしてすぐにペンダントが白色に輝き始める。
「ペンダントからマナエナジーを徐々に全身に流すイメージで解放してください」
ユーリの体が震えて白色の光に包まれる。「エリー様、体が変です! 全身が熱く力が溢れてきます」ユーリが驚いたように言った。
「ユーリさんやっぱり凄いね! 普通はすぐに出来ないけどね。普段からある程度魔法使ってるからだね」エリーが嬉しそうに言った。
「このペンダントの魔導回路は、旧べランドル王国に伝わる物の複製品ですが、効果は同等です。ユーリさんにお譲りしますので使って下さい」
ユーリがエリーを見て少しためらい言う。「このような貴重なものを頂けません! それにエリー様はこれが無いとお困りになるのではありませんか?」
エリーはユーリの手を優しく握って微笑む。「大丈夫だよ。その魔導回路は私の体の中に再現出来るからもう必要ないよ。今はただのアクセサリーみたいな物だから、ユーリさんに譲るよ」
そう言って、エリーはマナエナジーを全身に流して白色に輝く。
「大丈夫でしょ!」ユーリはエリーを見て微笑んで言う。
「ありがとうございます。大事に致します」
ユーリはハッとして言う。
「話が逸れましたね。話を戻しますが、
マクガイヤ家は魔法士の家柄なのですが、セリカさんには魔法力が感じられませんでしたね。魔法を封印しているのでしょうか?」
エリーが微笑みながら言う。
「そんな事ないよ! 私は感じたよ隠蔽はしているみたいだったけどね。修練された魔法力だったよ。だから只者では無いと思ったんだよ」
ユーリがエリーを見て言う。「帝国では魔法使用が禁じられているからでしょうか?」
エリーはすぐに答える。「そうだろうね、もし魔法を開放して戦ったらユーリさんと互角くらいかも?」
「セリカさんを上手く退けられるでしょうか?」ユーリが少し不安そうに言う。
「大丈夫だよ、けどセリカさん、今夜中に何とかしないと命を守る事が出来なくなります」
エリーはそう言って考えている。(どうすれば出て来てくれるのだろうか?)
ユーリがエリーを見て言う。
「では市内に行きましょう! 大丈夫です誘いは入れています」
そしてエリーとユーリは特三機動連隊の自走運搬車両まで行って、パイロットスーツから第一種軍装に着替える。
ユーリはエリーを連れて車両待機場まで行くと、3台の士官用車両が止まっている。
「こちらへ!」ユーリが真ん中の車両の後部席ドアを開ける。エリーは後部席に座るとユーリも乗り込んでドアを閉める。
運転席にはサラ憲兵軍曹、助手席にはカイ憲兵中尉がすでに乗り込んでいた。
カイ憲兵中尉がエリーに振り返り敬礼して言う。「エリー少佐! ご案内致します!」
エリーがユーリを見て言う。
「どこへ行くのですか?」
ユーリが微笑みエリーに答える。
「食事に参ります! 美味しい食事だと思います」
エリーは嬉しいそうに言う。
「うん! わかったよ、先ずは食事だね」
士官車両3台はゆっくりと待機場を出てバレット市内へ向かう。
「この車両3台の人員は、全てブラウン商会の手の者ですのでご安心下さい」ユーリが微笑みを浮かべる。
「凄いね、でも市内は大丈夫なのですか?」
「ええ、大丈夫です! 行く場所は安全は確認しています。セリカさん以外は問題無いと思います」
「お店てどんなお店ですか?」
エリーは嬉しいそうに言った。
「ヴィオレッテです」ユーリが言うとエリーは少し驚いた顔をする。
「あゝ、ヴィオレッテですか、営業していたのですか?」ユーリはエリーの顔を見て微笑む。
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