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北部戦線32 国境侵攻3

 北部戦線、エリー機動大隊現地配備、9日目午前中。

 

 エリー達は帝国軍重装機兵部隊の急襲を受け戦闘中である。


 エリーはふっと息を吐き、モニターを確認する。機体スピーカーからアナウンスが流れる。《戦闘モード通常モードよりモード3に移行! 機体相互リンクシステム起動確認! 相互間リンクシステム連動確認! 防御シールド展開確認!〉

 

「みんなそれじゃ! 行くよ!」そして三機は一気に猛烈なスピードで加速、帝国軍重装機兵に接近しブレードと、ライフルを交互に使用して次々と、帝国軍のスタンレー重装機兵の強化装甲を破断撃破して行く。


 ビル中尉は驚愕していた、地形と機動性を利用して、何とか勝負出来ていた戦闘が、【グランの魔女】を中心に三機が、陣形を変えスピードを上げた途端に脆くも次々とスタンレー重装機兵が撃破されて行く。

(俺たちは帝国軍のエリートパイロットなのに・・・・・・、この機体だって性能が低いわけじゃないのに・・・・・・、なんて理不尽な、俺はここで死ぬ訳にはいかない絶対に・・・・・・)


 エリー達の突撃攻撃により最初10機いた帝国軍重装機兵は一気に半数を失った。


 スタンレー重装機兵は単独攻撃から5機が防御陣形を取り集まっていた。ライフルを斉射してエリー達三機に対抗しよとするが、正面に展開されている強固な防御シールドに阻まれライフル弾は貫通出来ないでいた。


 ビル中尉は中隊長に進言する。

「このままでは全滅です! 全機拡散して全力離脱を進言します! 迷ってる暇はありません、即断を願います!」


『ビル小隊長! そうだな全員死ぬ訳にはいかんな、了解した! 各員聞いたか! 3カウントで斉射離脱する』


 帝国軍特戦隊中隊長は直ぐに指示カウントした。

『行くぞ! 3、2、1 斉射離脱!』

 スタンレー重装機兵5機がライフルをエリー達三機に斉射して、同時に拡散高速離脱して行く。


 エリー達は一瞬戸惑った。

(えーー! 離脱? この機体は逃すと厄介だ。しかも判断が早い良い指揮官だ。余計逃すのは厄介ね)

 エリーはすぐに相互間リンクシステムを解除して、一機の重装機兵に追撃を掛ける。帝国軍の高速機動スタンレー重装機兵とはいえさすがにレンベルには叶わない。


 ビル中尉はスタンレー重装機兵のホバー全開走行させて、方向を帝国国境側に旋回修正した。ビル中尉の機体コックピット内では敵接近アラートは鳴りっぱなしだった。

(あゝ、俺はダメなのか? 魔女に追撃を受けている。なんて運がないんだ・・・・・・)


 エリーは追撃している帝国軍重装機兵が、ビルの機体であることに気づいていた。

(あゝ・・・・・・、ビルさんだよね。迷い無くやれると思ってたのに・・・・・・、エリーの心が躊躇している。セーレナならもうとっくに終わってるハズ・・・・・・、どうする)

 

 エリーは兵装システムをブレードからライフルに変更してビルの機体の脚部に2連射を加えた。ビルの機体は右脚が吹っ飛びバランスを崩し200mほど地面に機体をぶつけながら転がり止まった。エリーはすぐに距離を詰めて、ブレードでビルの機体の頭部、両腕を破壊する。


 エリーは直ぐにレンベルの外部スピーカーをオンにしてインカムを押さえて言う。

「帝国軍パイロットさん! 私達グラン連邦国軍は条約に基き降伏を表明した方は安全を保証します! ご安心ください!」エリーは言い終わると外部スピーカーをオフにする。


 ビル中尉はコックピット内で動揺していた。(確実にやられると思っていたのに、魔女が手加減してくれた? 本気ならとっくに俺は死んでいる。なぜ? それに降伏勧告までして来た。これは俺にまだ生きろてことなのか)

 ビル中尉はコックピット内で呟く。「そうだな、従おう」ビル中尉は固定ベルトを外し、コックピットシールド開放ボタンを押す。破損し見る影もないスタンレー重装機兵のコックピットシールドがゆっくり開いて行く。

 ビルはコックピットから這い出して、拳銃を下に見えるように投げ捨てから両手を上げた。そして目の前の朱色の重装機兵【グランの魔女】を見上げる。

 

 エリーはモニターでビル中尉を確認して、ふっと息を吐きインカム押す。

「素直に投降して頂き感謝します!」


 ビル中尉はそれを聞いて大声で言う。

「こっちこそありがとう! 魔女に感謝するぜ!」

  

 エリーは少し微笑んだ。(ありがとう、感謝? ビルさんやっぱり変だ)


エリーは中隊各員に無線を繋ぎ言う。

「こちらレッド一号! 各員現状報告願う!」

『こちらレッド二号! 帝国軍重装機兵三機逃しました! 現在各員待機中です!』

「了解! 他の戦闘域の状況はどうですか?」

『こちらレッド3号! 帝国軍重装機兵部隊はここ以外にもう1箇所攻撃があったようですが、連邦国軍側にかなりの被害が出た模様です。詳細は不明です。尚、帝国軍部隊はすでに撤退した模様です』


「了解! レッド隊各員! 只今より特三ベースに帰投します! こちらは一名捕虜確保したので、警備隊が到着するまでここに止まります! 以上!」


 《レッド隊各員! 了解!》


 エリーは通信機を切替、ユーリ機体との直通回線にして言う。


「ユーリさんプライベート回線にしています。実は問題があるんです」


『ハイ、何でしょう? エリー様・・・・・・』ユーリが何となく言葉に詰まりながら言う。

『捕虜は・・・・・・、もしかしてですが? ビルさんですか』


「ええ、そうなんです」


『エリー様、また面倒なことですね』


 エリー達が通信会話していると連隊本部から通信が入る。

『こちら特三本部! レッド一号!』


「レッド一号! 何でしょうか!」


『捕虜は特三ベースにて一旦預かります』

『警備隊が今の混乱でこちらに来れないとの事です』


「レッド一号了解! 本部から迎えをこちらへお願いします!」


『本部了解! 五分ほどお待ちください』

「レッド一号了解!」

 

 エリーは通信機を切替、インカムを押し言う。「ユーリさん、どうしましょう?」


『エリー様は残酷な方です。もし正体がバレたらビルさん壊れますよ、たぶん』

『そのまま放置すれば良かったんですよ、私はそう思います』ユーリは若干厳しそうに言った。

「ゴメン・・・・・・、ユーリさん出来なっかた」エリーは小さく呟くように言った。


 ビルは破損した機体の横に座って連邦国軍の迎えが来るのを待っている。

(これが【グランの魔女】かスマートな機体だな、圧倒的な機動性と攻撃力そして残酷無比と聞いていたが? 機体スピーカーからの少女のような声、ギャップがあるな? 特別機体のパイロットだから只者ではないのだろうが・・・・・・)


 そして、しばらくして車両がやって来る。憲兵隊車両だった。エリーは外部モニターを見て首を傾げる。

(何で憲兵隊車両? トッドさん?)


 憲兵車両はレンベルの足元で停車して三人が降りる。トッド、カイ憲兵中尉、サラ憲兵軍曹の三人が警戒しながらビル中尉に近寄る。ビル中尉は立ち上がり両手を上げている。

「連邦国軍、第5軍管区憲兵隊中尉のカイです!条約規定に基づきあなたを捕虜として拘束します」カイ憲兵中尉がビル中尉に言うと、サラ軍曹が身体を触り危険物がないか確認する。

 サラ憲兵軍曹がカイ憲兵中尉に頷き言う。「問題ありません!」

 そう言うとサラ憲兵軍曹は、手錠をビル中尉の両手にはめた。

「あなたは、仮収容となります。収容所は後日移送となりますのでよろしくお願いします」カイ憲兵中尉が言った。


「あゝ、わかった」ビル中尉が答えた。


そして憲兵車両の後部席の真ん中に座らされて、目隠しをつけられる。両サイドにはトッドとカイ憲兵中尉が座った。

 トッドがレンベルに手を挙げて微笑んで去って行く。


最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

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