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第317話 魔女の正体16

エリーは魔導隊の到着を待っていた。魔女の島へ近づく謎の集団

 2国間和平交渉会議20日目夜遅く。(大陸統一歴1001年11月2日0時頃)


 ここはヒイズル帝国南部島より南へ300キロ離れた孤島、南海の魔女封印地。


 エリーはリサに先ほど起こされ着替えを済ませて簡易飛行場管制プレハブ小屋にいた。

 20畳ほどのプレハブの中に暗号無線装置、情報端末モニター、管制レーダー装置が置かれ、グラン連邦国航空隊管制士官達が3名いる。

 エリー隊は端に置かれた椅子に座っていた。

 エリーとリサ、アオイ大尉が座って、エリーは、ぼーっと奥で忙しいそうにしている管制士官達を見つめていた。


「ローラ様、クリフォードの中継飛行場を魔導隊が出発したそうです」

 隣りのリサがエリーに報告した。エリーは虚な目でリサを見て答える。


「……予定通りですね」


「はい、予定通り到着すると思います。軽く何か食べておきますか?」

 リサがエリーの顔を見て尋ねた。


「……、あまり欲しく無いですね。アオイさんはどうですか?」

 エリーはアオイ大尉の方を見る。アオイ大尉は少しためらった顔をする。


「……水分補給なら、固形分は結構です」

 エリーはそれを聞いて椅子から立ち上がると壁際の冷蔵庫から水のボトルを取り出して、棚からグラスを取る。エリーがリサの方を見て尋ねる。


「リサさん、お水はどうですか?」


「いえ、私は結構です」

 リサはエリーを見て微笑み答えた。そしてエリーはアオイ大尉にグラスを手渡す。


「ありがとうございます」

 エリーはアオイ大尉のグラスへボトルから水を注ぐと、今度は自分のグラスを取って水を注ぐ。エリーはそれを喉を鳴らしながら一気に飲み干した。


 管制士官がエリーの前に立ち敬礼する。

「ローラ様! 防衛本部から連絡が入っています」

 そう言って管制士官が無線電話をエリーに差し出した。エリーは頭を下げて無線電話を受け取った。


「はい、ローラです!」


『防衛本部です! 監視ソナーに10分ほど前に反応がありました。多分誤報と思われますが、報告をと。隣接ソナーには反応は有りませんでした」


「はい、了解です! 念のため哨戒機を出すようこちらで指示します。座標データーをお願いしますね」


『了解しました。座標データーを哨戒機へ転送します』

 エリーは無線電話を管制士官へ返すと管制士官の顔を見て微笑み指示を出す。

「聞いた通りです。ベルーダを出撃させてください」


「はっ! 了解しました! ベルーダ哨戒任務、出撃させます」

 管制士官はエリーに敬礼すると奥にいた管制下士官へ声を上げた。


「哨戒機1号! 哨戒任務発令! 要員起こし、出撃されろ!」


 管制下士官は士官に敬礼すると、内容を復唱して管制プレハブから慌てて出て行った。


「5分後には出ると思います。一機でよろしいですね?」

 管制士官がエリーに尋ねた。エリーは頷き答える。


「……はい、それでお願いします」


 エリーはリサを見て言う。

「……うん……気になります。ちょっと防衛本部まで行って来ます。2人は待っていてください」

 

 エリーは士官用ジャケットを取り羽織ると航空ヘルメットを棚から取り出す。

「では、行って来ます。30分ほどで戻るので」


 エリーは軍刀を腰に装着して管制プレハブから出て行く。エリーが外に出ると丁度ベルーダⅡがプロペラを回し始める。エリーは手を振ると整備兵がエリーに敬礼して答えた。


 エリーは急いで30mほど離れた連絡用4輪バギーに近寄る。ヘルメットバイザーを下ろしシートに跨ると、起動キーを差し込み魔導モーターを始動させた。そして右手のスロットアクセルを回して一気に発進させ、直ぐにライトを点灯する。

 エリー乗ったバギーは島の小道から一気に海岸沿い道路へ北山陣地を目指してさらに加速した。


 ◆◇◆


 ここは魔女の島の沖合、北東1キロほどの海上。

 半潜水状態のボートのようなものが数隻島を目指しゆっくり進んでいる。ボートには一隻あたり6人ほどが傍につかまっている。全員黒ずくめの潜水スーツを着用している。そしてゴーグルを着用して口には酸素吸入用のマウスピースを咥えていた。タイトな潜水スーツは着ている者の体型がハッキリとわかる。全員が良く鍛え上げられた肉体であることが認識出来る。

 そして中央のボートの指揮官らしき女性の体型をしたひとりが手を挙げ合図すると、次々と漆黒のボートは海面から見えなくなった。


 5隻のボートは5mほど潜航して4から5ノットほどで海中を進んで行く。傍につかまっている潜水スーツの者達は、時折空気を放出して空気の小さい気泡が海面に上がる。


 そこから5キロほど離れた沖合をベルーダⅡ哨戒機が何回も旋回しながら海面を哨戒していた。

 


最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

 これからも、どうぞよろしくお願いします。

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