北部戦線29 作戦準備09
北部戦線、エリー機動大隊現地配備、8日目夜。
エリー達は無事に特三連隊ベースキャンプに帰って来て二時間ほど経過している。
報告書はアンジェラに任せて、エリーとユーリは別の場所にいる。
ここは、エリー大隊重装機兵整備ブロック、プレハブパイロット待機所。
「ドリスさんには、ご迷惑をお掛けして申し訳ありませでした」
ドリスはエリー顔を見て嬉しいそうに言う。「任務は果たせたので問題ありません。引き上げが早まっただけです」ブラウン商会技術職作業服を着たドリス曹長が言った。隣りにいるユーリはエリーを見て言う。
「最後はヒヤリとしましたが、なんとか無事に帰れて良かったです。今回脱出に関わった帝国軍メンバーは全員引き上げとしましたので問題はないと思います」
ユーリは思い出したように言う。
「お聞きになりましたか? ハル作戦部長が戦線指揮官として派遣されるとのことですが」ユーリがエリーに言うと、エリーは若干顔をしかめる。
「ハル少将ですか、また厄介な方がいらっしゃるのですね」
ユーリがエリーの顔見て聞いた。
「何か問題でも?」
エリーは少し考えてから二人の顔見て微笑んで言う。
「色々面倒なのです。少し前にもお会いしたのですが、とにかく疲れるお方です」
エリーは立ち上がりため息を吐いて言う。
「夕食を食べましょう! お腹が空きました」
「あゝはい、わかりました」三人が待機所を出ると、整備ブロックのレンベルの方からボビーの声がする。
「嬢ちゃん! 最終チェック頼みたいんだが!」
「今から食堂に行くので後から来ます」
エリーはボビーに向かって言った。
「俺も飯はまだ食って無いけどな」
ボビーが少し嫌な顔をして言った。
「どのくらい時間は掛かりますか?」エリーがレンベルの足元まで歩いて行く。
「まあ、15分くらいだな」
「【天空の雷神】システムシーケンス確認をしたいんだが、ダメか」ボビーが三人を見て言った。
エリーが少し意地悪そうな笑みを浮かべる。「それは、一時間コースじゃないですか? 15分嘘でしょ?」
ボビーはレンベルのコックピットタラップから駆け降りてくる。
「発動シーケンスを確認しとかないと! 明日にはハル作戦部長が来るんだ! 今日中に仕上げないと!」
エリーは澄まし顔をして言う。
「ご飯食べてからみっちりやりましょうよ! ねぇー! ボビーさん良いでしょう!」
ボビーがエリーの肩を軽く叩き言う。
「食堂に配達頼んでくれよ、たまごサンドで良いからさ!」
ドリスがボビーを睨み言う。「年上とはいえ、上官に対してその態度なんなのですか!」
エリーがドリスを見て顔を傾けて微笑んで言う。「良いですよ! ボビーさんにはいつもお世話になっているので、そうですね父娘みたいなものです」
ドリスは少し不満そうな顔をしてエリーを見る。エリーがドリスの手を握り言う。
「私は、ボビーさんに命を預けているのです。なんでもわだかまりなく話せる仲でないと、いざという時困ると思うのです」
「ドリスさんは納得していないようですが、私はこのままで良いのです」
ドリスはエリーに頭を下げる。
「申し訳ありません、余計なことを申しました」
ボビーが横で少し感動したような顔をしている。「嬢ちゃんがそんなふうに思っていたのか、嬉しいよ! ヨシ作業を始めるか」
ユーリがエリーを見て言う。
「私が食堂に行って、たまごサンドとベーコンサンド二人分注文してきます」
ユーリはユーリに頭下げる。「ユーリさんお願いします。今からボビーさんと頑張ります」
ユーリとドリスは食堂へと去って行った。
エリーはレンベルのタラップを上がり、コックピットのシート座り頭にヘッドギアを装着する。
「ボビーさんお願いします!」
それを聞いて、ボビーが接続端末を操作する。するとコックピット内の警告ランプが点灯して機体のスピーカーから女性の声でアナウンスが流れる。〈レンベル起動シーケンススタンバイクリア! 起動シーケンス、スタート確認!〉
エリーがコックピット正面パネルを見て確認呼称する。「起動異常アラーム無し! オールグリーンランプ確認! 起動シーケンス、スタート!」そしてセーフティーロックを解除、起動スイッチを押した。
レンベルの融合炉が起動、高周波モーターの様な音が鳴り始める。
エリーはモニターを見て各関節稼働部コア、ジェネレータ出力数値を確認する。
「各部出力異常無し! バックパックコアシステム結合します! ボビーさん問題ありませんか?」エリーがインカムからのボビーの応答を待つ。
『嬢ちゃん! 結合してくれ!』
「はい! システム連動結合します!」
エリーはシステムセーフティロックを解除して連動ボタンを押す。女性のアナウンスが流れる。〈警告! レンベルシステムモード通常モードから破壊神モードに移行します! 警告! 魔導増幅装置停止中!
警告! 融合炉出力異常値検出! 警告! エナジー供給バイパス回路オフ! 警告! 認証コード無効!」
エリーは正面パネルを見て、アラーム無効選択をチェックする。アナウンスが警告する。
〈警告! 魔導増幅装置アラーム無効! 警告! 融合炉出力異常値アラーム無効! エナジー供給バイパスアラーム無効!〉
エリーはシステム結合を確認してボビーにインカムで確認する。
「バックパックコアシステム結合確認しました! 問題ありませんか?」
『嬢ちゃん、問題無い、破壊神発動シーケンススタートしてくれ』
エリーはそれを聞いてセフィティーロック解除して発動シーケンススタートボタンを押す。警告アナウンスが流れる。
〈警告! レンベル破壊神モード発動します! 〉
コックピット内に警報が鳴り響く。 ボビーは端末画面を見ながらシュミレート出力値を確認する。
『嬢ちゃん、今のところは問題無い!」
「ボビーさん! エラーコード確認! 0025! チェック頼みます!」
ボビーは端末のモニターを確認してエラーコードを確認、原因を修正する。
『嬢ちゃん! 悪いが一旦止めて、最初からやり直す』
エリーがインカムを押して少し嫌な顔をする。「了解です! システム停止リセットします」
「ボビーさん休憩しませんか。 私も今日は疲れていますのでキツイです」
エリーがヘッドギアを外し、コックピットから這い出しボビーの顔を見る。
「そうだな、今日は大変だったそうだな」
「そうですよ! 今日はもう気分はベットに入りたいですけどね」
エリーがボビーの肩に手を置き疲れた表情する。
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