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北部戦線28 作戦準備8

 北部戦線、エリー機動大隊現地配備、8日目夜。

 エリー達は帝国バレット市より脱出して国境戦線にいた。


 エリーの射撃により帝国軍飛行船は爆発を起こし墜落した。

「ミリア中尉! 早く脱出するんです!」とりあえず形を保ったキャノピーからセリカがミリアを担いで急いで出ると、飛行船は一気に燃えあがった。


 セリカはミリアを担いで飛行船から100mくらい離れるとミリアを地面の下ろす。

「ミリア中尉、大丈夫ですか?」

ミリアが少し苦しそうに言う。

「大丈夫です、ガスを少し吸っただけだと思います」


 300mほど先に人影見える。

「ミリア中尉ここにいてください。確認して来ます」セリカが寝かせているミリアに言う。

 ミリアが厳しい顔をして言う。

「危険です! 諦めた方が良いと思います。セリカ少佐は十分やったと思いますよ! これ以上はもう・・・・・・」

 セリカがミリアの顔を見て微笑んで言う。

「諦めませんよ! まだやれます!」

そう言うとセリカは身を屈めて人影の方へ接近して行く。


 ユーリがエリーに顔を見て言う。

「墜落した飛行船の方から一人こちらに接近して来ます」 

 エリーが感知スキルを発動周囲を確認すると一人だけ近寄って来ている。もう一人は後方で倒れていのがわかった。

 

 エリーは接近して来る相手が誰であるか認知してしまった。(セリカさん・・・・・・、気付いていた? いいえ、感情の揺れ具合がおかしい? 敵意、哀れみ、悲しみが入り混じり乱れている)

 

 五人は集まって身を低く体制をとっている。ドリス曹長がライフルを構えて、接近して来るセリカに対して声を発する。

「止まれ! これ以上接近すれば発砲する!」


 セリカがその場に伏せ叫んだ。

「なぜ! 女性でありながらこのような悪業に手を貸すのですか! 今、解放すれば罪には問いません! どうか三人を解放して下さい!」


 エリー達はセリカの言葉に困惑していた。(セリカさんは一体何を・・・・・・?)


 セリカが拳銃を前に投げ捨てる。

「武器は持っていません!」セリカの行動にますます困惑するエリー達。そして、セリカが立ち上がり前に歩き出す。ドリス曹長がライフルを上方に構えて〈パーンパーン〉2連射する。ドリス曹長が叫ぶ。

「これ以上は無理です! あなたを撃たなければなりません!」


 セリカは両手を上げて、その場で立ち止まって、大声で言った。「お願いします! あなた達の行動は忘れます! お願いします! ローラさん達三人をこちら側に渡して下さい!」

 

 エリーとユーリは顔を見合わせて納得した表情になる。

「私達は、どうやら人質認定されているようです」エリーが言った。


 ユーリが少し微笑んで言う。

「どうしてこうなったのかわかりませんが、こちらには都合が良いです」


 ドリス曹長がユーリを見て言う。

「どうしますか? 生かせば我々は帝国軍復帰は不可能ですね」

 ユーリは直ぐに答える。

「相手はかなりの手練です。諦めて商会に引き上げましょう」ドリス曹長は頷き。

「了解しました! その様にいたします!」


 そして連邦国側から、土煙が上がり何か大きな集団がジェット推進音をさせ猛烈なスピードでこちらに接近して来る。

 ユーリはそれを見て安堵した表情になって言う。

「お迎えです。エリー様、アンジェラ様!

 行きましょう!」


 セリカは接近して来るものが連邦国軍の重装機兵であることに気づき愕然としていた。(帝国軍の警戒網は後退している。もはやどうにもならない)


 次々と重装機兵がエリー達とセリカの間に入ってくる。連邦国軍特別第三機動連隊、ジェーン連隊長直属中隊である。

 ライトブルーの重装機兵ラムザⅢTYPE−Bがエリー達に向けて頭部発光信号器を点滅させた。ジェーン連隊長搭乗機体である。

 エリーが発光通信を確認して、手を挙げた。「了解です! それでは機兵の手の間に乗って離脱します」


 セリカには一機の重装機兵に重装ライフルを構えられ身動き出来ずにいた。


 エリー達五人はそれぞれに重装機兵の手の中に入り込む。それを確認するとライトブルーの重装機兵を先頭に次々とホバーリングをしてドリフト走行を開始、連邦国側へ引き上げて行く。


 セリカに重装ライフルを構えていた重装機兵も反転、連邦国側へ引き返して行く。セリカは呆然とそれを見送る。

セリカは思った。(私は何をしにここへ来たのか・・・・・・、すべて無駄に終わった)


 セリカはミリアの位置まで戻り声を掛ける。「ミリア中尉、歩けますか?」ミリアがセリカに顔を向けって微笑む。

「なんとかなると思います」そう言ってミリアが上半身を起こし、そしてよろめきながら立ち上がる。

 

 ミリアが少し顔をしかめって言う。

「ちょっと歩きは無理みたいです、救援を呼んでもらえますか」


「通信機も無いから、少し歩いて駐屯地まで行って来ます。ここで待てますか?」


 セリカはミリアを見て頭を下げる。

「申し訳ありませでした。付き合わせて、成果もなくこのザマです」

 ミリアは足を引きずりセリカに近寄って言う。

「しょうがないですよ、あれだけ準備されたらどうしようも無いですよ」

 そう言ってミリアはそこに座り込んだ。


 帝国側から微かなジェット音が聞こえてくる。そしてその音はセリカ達に近づいて来た。視認出来る距離まで来るとそれは帝国軍重装機兵スタンレーmarkⅡだった。


「魔女狩り部隊? なんでここに・・・・・・」ミリアが呟く。

そして重装機兵は二人の前で両足を畳み跪く。しばらくしてコックピットシールドがゆっくり開いていく。

「セリカ少佐! 無茶苦茶ですね!」

 コックピットから身を乗り出しビル中尉がセリカに言った。


「ビル中尉どうして・・・・・・」ミリアが驚いたようにビル中尉を見て言う。


「セリカ少佐とミリアが慌てて出ていった後に、事情を聞いて直ぐに追いかけたんですけど・・・・・・、間に合いませんでしたね」ビル中尉が気落ちした表情で言った。


「誘拐されたとは事実だったのですか? ローラを見たのですか?」ビル中尉が重装機兵から地面に降りてセリカに近寄り言った。

「ええ、帝国軍の軍服を着せられていましたがローラさん、マリアさん、セーラーさんだと思います」セリカは悲しい顔をしてビル中尉の肩に手を乗せる。


「そんな、昨日、初めて友達になったばかりですよ! まだまだ話したいことあったのに・・・・・・、終わりですか?」

 ビル中尉が下を向き瞳を潤ませる。


「大丈夫、殺されはしませんから・・・・・・」


 ビル中尉が潤ませた瞳をセリカに向けて言う。「でも・・・・・・、あんな屈託のない笑顔は二度と見れないですよね」


 セリカはビル中尉の肩を抱き寄せる。

「すみませんでした。私が不甲斐ないばかりに」


「なぜ! セリカ少佐が謝るのですか! 悪いのは誘拐した連中です。少佐が謝る必要はありません!」ビル中尉は直ぐにセリカ少佐の顔を見て言う。


「早く離れましょう、連邦国の侵攻作戦が始まります」


「残っている国境戦線司令部まで行けば車両に乗れるはずです! そこまで送ります」そう言ってビル中尉はコックピットに乗り込む。


最後まで読んでいただきありがとうございます

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