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第256話 装甲強化スーツ

エリー達はマラリスへ突入した

 2国間和平交渉会議14日目昼。


 ここはライオネル連合共和国、魔都マラリス市街地。


 魔都の内部は無惨に破壊され尽くされ巨大構造物や建物が広がっていた。幹線道路沿いには爆撃攻撃により破壊された残骸瓦礫が多くの箇所で道を塞いでいる。エリー達、魔都突入第一部隊は西側より侵入して敵を警戒しながらマラリスタワーを目指していた。


「思った以上に酷い状況ですね。攻撃開始から7時間でこの状況ですか」

 エリーはヘルメットインカム越しにリサに話し掛けた。

『そうですね。地上の主だった建物はマラリスタワー以外残っていませんね』

 インカム越しにリサが答えた。


「こちらエンペラーワン! 2、3、4につぐ、これよりタワーに最接近する! 警戒を厳にして攻撃に備えよ! バルウス隊は周囲に散開して拡散弾準備!」

 エリーは指示をしてレンベルTYPEⅡの魔道増幅回路に精神体を接続、感知スキル発動させ周囲の様子を探る。

(マラリスタワー上部には生体魔導反応はないですね。地下部分入口付近に強い魔導反応が複数有ります。さらに深いところ100mから150m付近に多数の生体反応有りです。地下中枢ですからダグ•ギューデンさんもここですね)

 エリーは直ぐにデーターリンクを接続開放して僚機とデーター共有する。今回のローラ隊魔都突入部隊編成はブラウン傭兵隊精鋭バリウス特殊攻撃中隊、エリー乗機レンベルTYPEⅡ、ソアラ乗機レンベル、ユーリ乗機ラムザⅣユーリspecial、アンジェラ乗機ラムザⅣTYPE-Aカスタム4機の重装機兵、上空に支援航空隊ベルーダ5機が待機している。


 ラムザⅣユーリspecialのユーリから無線が入る。

『貫通徹甲弾を撃ち込みます! よろしいですか?』

 ラムザⅣユーリspecialには120mm短砲身魔道ライフルを装備していた。

「了解! 地下入口付近へお願いします!」


 エリーは部隊共通無線に切り替えて言う。

「エンペラー2へ! 魔導遠隔ポッド展開! 自動攻撃モードで、マーカー設定ロック! よろしくね」


『エンペラー2! 了解! ポッドマーカー攻撃モード自動確認!』

 ソアラの搭乗する朱色の機体レンベルから応答が入った。


 エリーの機体レンベルTYPEⅡの周辺には10個の魔導遠隔ポッドが浮遊展開している。

 エリーは無線で各員に呼びかける。

「貫通徹甲弾攻撃後、装甲強化スーツが飛び出して来ます。エンペラー3、4はシールド展開して直ぐに後退、バリウス隊は補足されないよう分隊単位で展開してください! エンペラー1、2で装甲強化スーツには対応します」


《こちらバルウス隊! 各分隊展開完了! 拡散弾準備完了!》


「エンペラー3へ! 貫通徹甲弾発射願います! 着弾マーカーセット確認してください!」

 エリーが部隊共通無線でユーリに指示を出した。

『エンペラー3! 了解! 着弾マーカーロック完了! いつでもいけます!』

 ユーリから応答が入った。エリーはふーーっと息を吐いて。

「カウント5で行きます。それでは、カウント開始します! 5、4、3、2、1」


 ◆◇◆


 ここは魔都マラリスタワー地下入口付近。


 装甲強化スーツに身を包んだハンナとドリー率いる10体の防衛隊が待機していた。


 ハンナは灰色の装甲強化スーツ内で周辺にいる敵部隊状況を確認していた。

「……ドリー! 敵重装機兵4体確認! こちらへ接近中! 周辺に敵歩兵100名以上潜んでいます! 目標は黒色の機体! ローラの搭乗機体です! 朱色の機体は気掛かりですが、無視して黒色の機体をお願いします」


 ドリーから無線が入る。

『ハンナ様、あの朱色の機体は確か……グランの魔女の機体です! グラン連邦国軍圧倒的エース! 重装機兵200機以上撃破した伝説級パイロットです』

 ハンナは間をおいてドリーに答える。


「それがどうしたと! ここは市街地です。我々バルデムが最も得意とする戦場です。以前帝国製のローランド重装機兵を10機以上撃破したでは有りませんか。重装機兵などここでは木偶に過ぎませよ! 指示通りコックピットを狙いなさい。取り憑いて近接徹甲弾を数発打ち込めば終わりです」


 ドリーが応答して来る。

『ハンナ様……申し訳有りません。しかし、感じないのですか? あの2体の重装機兵からのただならぬ何とも言えない気配を……。以前戦った帝国の重装機兵とは別物です』


 ハンナは無線を部隊共通無線からドリーとのローカル無線に切り替える。

「ドリー! わかってます。あの黒色と朱色の機体はかなり危険です。我々がいくら機動性で有利と言っても半数は失うと思います。でも、わかってるからといって逃げ出す訳にはいかないのです。ここで食い止めなければ、後が無いのです。ダグ様を守らなけれならないのです。我々そのために存在するのですから」


 ドリーからの応答が直ぐに入る。

『ハンナ……さま……了解致しました。私も出来る限りの事は致します。ですが、ハッキリ申しますが、自信はありませんので、ご容赦ください』

 そう言ってドリーの無線は切れた。ハンナは無線を部隊共通無線に切り替える。

「そろそろ始まる! 全員戦闘体制を取れ!」


《はっ! 準備は完了しております!》


 ハンナは周囲設置センサーからアラートを確認、自動防御魔法結界を確認した。

「貫通弾か? 重装機兵レベルの火力なら数発は耐えられるはず」

 マラリスタワー地下入口の魔法障壁がコンクリート壁と共に吹き飛び破片が周りに飛散した。

「……一撃……そんなバカな!」

 バルデム内の画像モニターを見てハンナは声を漏らし、慌てて声を上げる。

「全員! 散開、出る!」

 指示に従い装甲強化スーツ隊は一斉にマラリス地下入口フロアから外へ飛び出した。


 


最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

 これからも、どうぞよろしくお願いします。

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