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北部戦線24 作戦準備4

エリー達は敵地バレット市で帝国軍士官と知り合い、食事する事に。

 北方戦線、エリー機動大隊現地配備、7日目夜


 エリー大隊は、帝国特殊部隊の襲撃を受けてから69時間ほど経過していた。


 エリー達は身分を偽装して帝国バレット市に潜入していた。


 ここはバレット市中心街の飲食店内。

セリカに連れられて、エリー達は六人掛けのテーブルに座り食事の到着を待っていた。メニューはセリカのおすすめで注文した。飲食店は軍関係者か軍人で満席状態で民間人はほぼいない。そしてエリー達は明らかに注目を浴びていた。


エリー達に周囲の声が聞こえてくる。

《あのテーブルどうした凄い美人揃いなんだけど、さすがに司令部士官の席には声は掛けられないな》

《司令官のご令嬢かな? 凄い美少女だな》

《相席出来ないのか? 緊張するから無理か》

 

 セリカが周りの反応を感じて三人を見て言う。

「普通はこう言う反応ですよ。マリアさん、セーラーさん、ローラさん自分達がどんな容姿か理解した方が良いですよ! でないと身に危険が及びます」

 

 エリーが微笑んでセリカに言う。

「セリカさんもですよ、自覚されてますか?」


 セリカは少し嬉しいそうな顔をしてエリーを見る。

「ありがとうございます。素直に受け入れます」

 エリーはセリカを見ながら思う。(このセリカさん中身はとんでもない本性を隠している。油断は出来ないけど情報は欲しい)


 セリカに女性士官が近寄り声を掛ける。

「セリカ少佐! 相席宜しいでしょうか!」

 

 ミリア中尉と後ろにヤング中佐が立っている。

 セリカがミリア中尉の顔を見て少し考えて言う。

「マリアさん相席よろしいでしょうか? 私の同僚です」

 

 セリカがユーリの顔を見て反応を見ている。

 ユーリは微笑み頭を下げて言う。

「どうぞ、お気になさらず」


 ミリア中尉はユーリに頭を下げて言う。

「ありがとうございます。感謝致します」


 ミリア中尉はエリーの隣の席に座る。

「ミリア アリストンと申します。よろしくお願いします」


 エリーは微笑み少し頭を下げて言う。

「ローラ ベーカーと申します。よろしくお願いします」


 ヤング中佐が頭を下げて挨拶する。

「ヤング フェルトと申します。よろしくお願いします」そう言ってユーリの隣りに座る。


 エリーは軍服を見て。(みんな右肩にモールが付いている。所属章は参謀部章と三軍司令部章か、帝国軍戦線の中枢司令部士官の様ですね)


 ヤング中佐が頭を下げて言う。

「あちらの方がマーク中将閣下のお嬢様ですか?」

 アンジェラが少し驚いて言う。

「いいえ、私はセーラー ブランフォードと申します」

 

 ヤング中佐が驚いて再度頭を下げて言う。

「申し訳ありません! あの旧公爵家のご令嬢様とは知らずにご無礼を失礼いたしました」


 アンジェラが更に驚いて否定する。

「いいえ、違います。ただのセーラー ブランフォードです」


 セリカが頷きアンジェラを見て言う。

「わかります! 身分を隠したいのですね。通りで雰囲気が違うと思いました」


 アンジェラは困った顔をしてエリーを見る。

「セーラーさんは本当にご令嬢ではありません!」エリーがも否定するがセリカ達は聞く耳を持たない。


 セリカが立ち上がり深く頭を下げて言う。

「大変失礼を致しました。この様な食事にお誘いして大変なご無礼を本当に申し訳ありません!」


 アンジェラが立ち上がり微笑んで言う。

「帝国では今、女帝陛下以外はみんな平等のはずです! 家柄など関係なくその様な態度は帝国の理念に反します」


 ヤング中佐が感心した様に言う。

「お噂通りの才女様です! 感嘆致しました」


 エリーは思った。(アンジェラさん! 貴女、火に油注いでるよ! どうするこんなにしちゃって!)

 

 ミリア中尉が瞳を輝かせてエリー達三人を見て言う。

「やはり生まれが高貴だと見た目も、雰囲気も私達とは違うのですね」


 エリーは隣りのミリア中尉を見て言う。

「違います! 冷静にお願いします」


 ミリア中尉がエリーの朱色の瞳を見てうっとりしている。エリーは視線を逸らしてセリカの方を見ると申し訳なそうな顔でこちらを見ていた。

(どうしてこうなった。どうする! そうだユーリさんならなんとか・・・・・・)

 

 エリーがユーリを見るとヤング中佐に話し掛けられて困っている。


 そして注文していたメニューが配膳される。〈チキンの照り焼き濃厚ソースとさっぱりパスタ、山菜ライス煮込み、野菜山盛り山羊煮込みスープ〉

 

 ミリア中尉とヤング中佐が慌てて注文する。エリー達と同じものを注文した様だ。


 エリーは料理を前に視線をセリカに向けると視線が合う、セリカが少し微笑み言う。

「ローラさん! では頂きましょう!」

 

 エリーは微笑み返して言う。

「セリカさん頂きます」


 四人が食事を始めた。ミリア中尉とヤング中佐が話しを始める。

「魔女討伐部隊はいつ戦線に移動するのですか?」ヤング中佐がミリア中尉に聞いた。

 ミリア中尉が嫌そうな顔で言う。

「重装機兵とパイロットの補充が終わり次第出る予定です」


 エリーが気持ちを落ち着かせて言う。

「魔女討伐部隊? それはどう言う」


 ミリア中尉が少し考えて言う。

「機密でもないのでお教えしましょう。連邦国の殺戮重装機兵【グランの魔女》を倒すために特別に編成された部隊です」


 エリーがミリア中尉を見て言う。

「ミリアさんはパイロットなのですか?」


 ミリア中尉はエリーを見つめて嬉しいそうに言う。「私、パイロットに見えますか! 私は部隊付の参謀部情報士官です」


 店の入口の方から若い男性の声がする。

「司令部勤務の士官はお気楽なものだな! 俺たち機兵乗りは命を張って戦っているのに!」


 ミリア中尉が慌てた様に立ち上がり声のする方に向き言う。

「ビル中尉! どうしたんですか? らしく無いですよ!」


 青年士官は赤い顔をしてふらつく足取りでエリー達のテーブルの前までやって来て、そしてエリーの顔を見て言う。

「どこのご令嬢か知らないが、お気楽なご身分だな、俺達は戦線で命を掛けて帝国のために戦っている。ついこの前も仲間が死んだ!」


 そしてエリーの手を掴み言う。

「今晩、俺と付き合え相手をして慰めてくれますかね」

 ユーリがそれに反応して立ち上がろうとした瞬間、目にも止まらない速さでセリカが距離を詰め拳をビル中尉の顔に拳を入れる。そしてビル中尉は後ろに倒れ込んだ。


「貴官は何をしているのかわかっているのか!」セリカが大声で言い放つ。


 ビル中尉は倒れ込み悶えている。セリカはそれを冷たい目で見て、そしてエリーを見て言う。

「またしても、この様な失態! 本当に申し訳ありません!」そう言って深く頭を下げる。ミリア中尉も同じ様に頭を下げて言う。「ローラさん、ビル中尉の醜態本当に申し訳ありません!」


 エリーは困った顔をしてセリカの顔を見て言う。

「ビルさんも悲しい事があって気持ちが荒れているのでしょう。だから、お気になさらず」


 セリカが顔をしかめて言う。

「寛大なお言葉ありがとうございます」


 ヤング中佐が険しい顔をして言う。

「憲兵を呼びますか? それとも部隊長ですか?」


 エリーが慌てたように言う。

「ビルさんに寛大な処置をお願いします」

 

 そしてエリーは倒れているビルの上体を起こして両手で頭を抱き寄せた。


「ビルさんはお酒に酔って本心でも無い事を言っているだけです!」


 ビルが虚な目でエリーの顔を見て言う。

「あんた変わってるな、こんな俺に関わって・・・・・・」


 エリーがビル中尉の耳元に口を近づけて小声で言う。「本当はもう正気なのでしょう。酔ったフリをしなくても良いですよ。あなたは不甲斐ない自分に罰を与えようとしている。そうですよね!」

そして更にエリーは言う。

「良いですよ。あなたの気が済むのであれば今晩付き合いますよ! でも言っておきますが、お話しだけですよ」

 

 ビル中尉が動揺した顔をしてエリーの顔を見て言う。

「なまえはなんて言うんだ」


「ローラ ベーカーと申します」

 エリーがビル中尉の顔を見て微笑む。


「ローラ・・・・・・、良いなまえだな」

 ビル中尉がポツリと言った。


「ビルさん立てますか?」


 エリーがビル中尉の脇に肩を入れて立ち上がる。

「ビルさん! 一緒にお食事どうですか? 気分直しにね! みんな仲良く食べましょ」エリーが満面の笑みで言った。


 セリカがそれを見て苦笑いしている。そして周りのメンバーも呆気に取られた顔をして見ている。

 

 そしてエリーが右手を挙げて店員を呼び椅子を用意してもらう。エリーはビル中尉の隣りに座り微笑みながらメニューを一緒に選んだ。

エリーは微笑みながら思っていた。(多分ビルさんの仲間を死なせたのは・・・・・・、私だ! 本当嫌になる。ビルさんと戦場あったらためらいなくやれるかな? でも今は今だから・・・・・・、ビルさんをちょっとでも癒してあげましょう)


 ビル中尉がエリーの顔を見て申し訳なさそうに言う。

「ローラすまない! こんな良い子に酷いことした! お前みたいな子が彼女だったらと思うよ」


 セリカがビル中尉を睨んで言う。

「貴官はローラさんに謝罪の気持ちはあるのか! 呼び捨てとはなんだ! 友達でも無いのに慣れ慣れしいぞ!」


 ビル中尉が動揺してセリカを見て言う。

「はっ! 申し訳ありません! つい緩んでしまいました!」

 

 エリーがセリカを見て少し困った顔をして言う。

「ビルさんはお友達です。呼び捨てでも言葉使いは気にしてませんよ」


 それを聞いて隣り座っているミリア中尉が厳しい視線をビル中尉に向ける。

「なんで悪態をついたビル中尉が友達認定受けて! 私はなんなんですか!」

 

 エリーは微笑みミリア中尉を見て考える。(ミリアさん・・・・・・、なにを言っているのか分かりません? なんで機嫌が悪い?)

 

 エリーはテーブルを見渡してはっきりと言う。

「失礼かとは思いますが。ミリアさん、セリカさん、ヤングさんもみんなお友達だと思っています」


最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

 これからも、どうぞよろしくお願いします。

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