表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
227/446

第213話 ドール帰還

 2国間和平交渉会議9日目夕方。


 ここはべランドル帝国帝都ドール市、ドール城、皇帝執務室。

 エリーは、エルヴェス帝国ハイヤ市から、直接ドール市へ帰還していた。


 エリーは、ソファーの上で、だらけた顔をして寝そべっている。執務室にはエリーの他に、エラン、ユーリ、今しがた帰って来たソアラがいた。

 エランが横になっている、エリーの隣に座って言う。

「……協力は得られたのですね。良かったです」


 エリーは少し顔を動かし。

「はい、問題は有りません」


「ご苦労様でした。今日は十分に休養してくださいね」そう言ってエランは、エリーの肩に手を添えた。

 ソアラが反対側のソファーから立ち上がり、エリーを見て言う。


「エリー様、少しよろしいですか? お話しを……」

 エリーは、横になったまま視線をソアラに向けて。

「……あゝ、そうだね」

 そう言ってエリーはゆっくり体を起こして、エランの顔を見つめる。


「エランお姉様、少しソアラちゃんとお話しをして来ます」

 エリーはソファーから立ち上がり、ソアラに目で合図をした。そして、エラン一礼すとソアラと共に執務室から移動した。


 ◆◇◆◇


 ドール城居住エリア、エリーの居室。


 エリーとソアラは隣り合わせにソファーに座って。

「どうでした? カミュさまは変わりなしですか?」

 ソアラがエリーの方へ顔を向けて尋ねた。


「……まあ、大人しくはなられているようでした。外の世界と関係を絶って千年ですからね」


 エリーはボトルから水をコップに注ぎながら言った。ソアラは視線を下げて溜め息を吐いて言う。

「カミュさま……少し倫理観が私達とは違うのですよね。……で、外へは?」


「うん、出るって、リサさんに協力してもらってね。今は、肉体と精神強化中だよ」

 エリーはコップの水を飲み干してテーブルに置いた。


「……カミュさまを説得して閉じ込めるのに苦労しましたよね。」

 ソアラが顔を顰めて言った。エリーはそれを見て言う。


「……あゝ、まあね。だって美女と見たら片っ端にさらってハーレム作るんだもの……しょうがないよね」

 エリーは呆れたような顔をする。


「……リサさん、大丈夫!?」

 ソアラが心配そうな顔をする。


「大丈夫、私と従者契約しているからね。女神の契約スキルで変なことしたら直ぐわかるし、防御スキルも付与しているからね。痛い目見るのはカミュさまだから」

 エリーは微笑みソアラの顔を見た。


「……でもね、カミュさまは出したくなかったのですが。時間に余裕がないのでしょうがないですね」

 ソアラが嫌そうな顔をして言った。


「まあ、悪い方ではないですからね。しっかり監視さえしていれば」

 エリーはそう言って椅子から立ち上がりソアラを見る。


「レンベル、問題有りませんでした?」


「ええ、大丈夫です。あとは微調整だけです。アナ少尉も同行していますので安心です」


「アナさん、来てるんだ。顔見てないけど!」

 エリーが少し寂しそうに言うと、ソアラはエリーを見て言う。


「レンベルTYPEⅡⅡのシステムアップデートをすると、言ってましたよ」


「私には挨拶は別にいいんだけどね……」

 エリーがガッカリしたように言った。ソアラはそれを見て、エリーの背中に手を添える。


「とりあえず、お風呂へ行きますか? エリー背中洗ってあげますよ」


 エリーが機嫌の悪そうな顔をして、ソアラの頭に手を乗せて。

「ソアラちゃん、調子に乗ってますね。良いですよ。お風呂行きましょう! 髪を洗ってあげますよ」


 そうして、エリーはソアラを抱えて上げる。


「じゃあ、エランお姉様、ユーリさんも誘って」エリーはそう言って部屋の受話器を撮った。

「今からお風呂行きましょう!」


『ええ、良いですよ。今からですね』

 エランが電話の向こうで答えた。


「はい、お風呂でお待ちしてます」

 エリーは答えて、受話器を置いた。そしてソアラの脇に手を回して引っ張るように部屋を出て行った。


◆◇◆◇


 エリーは裸になったソアラを見て言う。


「さあ、お風呂に入りましょう!」


 浴場は皇帝一族専用でスペースは30畳ほどの大きさに洗い場と10畳の浴槽がある。

 エリーは洗い場の椅子にソアラを座らせる。

「まずわ洗ってあげるよ。ソアラちゃん」


「……あ! うん」

 ソアラは大人しく頭を洗わせる。エリーはシャンプーを手に含むとソアラの髪を洗い始める。


「それにしても、相変わらず成長してないね」


「……まあね。成長止まってますからね」

 ソアラは目を閉じて気持ちよさそうな顔をする。


「ソアラちゃん、髪は綺麗だよね。ほんと」

 エリーはシャンプーを泡立てながら手櫛で撫でるように、ソアラの髪を洗う。ソアラは嬉しそうな顔で口を大きく緩めた。


 そしてエリーはシャワーで優しく、ソアラの頭を洗い流した。

「……セレーナて、ホント、優しいのにね」

 ソアラがポツリと言った。


「……! いまさらだよ。ローゼは理解してないんだよ。私の本当の姿を」

 エリーはそう言って、ボディスポンジにソープを含ませ泡立てる。そうして肩から前後に右手を動かしながら、ソアラの体を洗い始めた。


「ソアラちゃん、このボリューム感はかわいそうだね。これて大きくならないんだよね」

 エリーがソアラの胸板を洗いながら、ちょっと遠慮気味に言った。


「……いいじゃない。邪魔にならないし、スッキリしていいでしょう」

 ソアラが少し機嫌悪そうに言った。

 

 エリーはちょっと笑って言う。

「まあね。良いんじゃない。微乳好きもいるしね」

 エリーはソアラを覗き込み自分の乳房と見比べて、

「ソアラちゃん、まあ、いい感じだね」


「……、気にしてないから」

 エリーはソアラの全身を泡立てると、シャワーを掛けて洗い流した。


「ありがとう。次エリーの番ね」

 ソアラは椅子から立ち上がり、エリーを椅子に座らせた。

 ソアラはエリーを見て嬉しそうに言った。


「16才になったばかりですよね。まだ成長しますかね……」

 ソアラはそう言って、座っているエリーの背後から両手で乳房を触り優しく揉んだ。

「……! ソアラちゃん!」

 エリーはソアラの両手を、掴み下げた。


 浴室の入口からエランの声がする。

「仲がよろしいですね」


 エリーが振り向くと、入口に裸のエランとユーリがたっている。ユーリは相変わらず美しい理想的な体型をしている。直ぐにエランとユーリは洗い場に来た。


「ユーリさん、私が体を洗います」

 エランがユーリに言うと、ユーリが驚いた顔をして言う。


「いえ、エラン陛下に……そのような、無理です。不敬ですので、ご勘弁を」

 ユーリは迷惑そうな顔をする。それを見てエランは、真剣な顔をして言う。


「……ユーリさん、不敬などと、私は、ユーリさんの体を洗いたいのです。これは私が懇願しているのです。命令です。ですから従ってください」


 ユーリは困った顔をして言う。

「はい、従います」

 ユーリは大人しく椅子に座りエランに背を向けた。

 

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

 これからも、どうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ