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第200話 今後の予定

エリー達は今後の予定を話し合う

 2国間和平交渉会議7日目夜。


 ここはエルヴェス帝国首都ルーベンス市郊外、エルヴェス帝国軍、皇帝派第1軍駐屯地、エラン皇帝護衛隊宿舎。


 エリーは8畳ほどの宿舎個室内で、明日の打ち合わせを行っていた。先ほどサディが到着したと連絡を受け、ユーリとリサは少し緊張した様子で部屋に来るのを待っている。


「……大丈夫だよ。女神の紋章を刻んで従属契約をしているからね」


 ユーリが寂しそうな顔をして言う。

「はい、それは知っております。私はサディさんが諜報だったとは今でも信じられないのです。見事に出し抜かれたのが……私は自分に自信を持っておりました。それがただの傲慢でしかなかったと……常に周囲に気を配り、警戒する事を怠らない。それを忘れてはならないと、大いに反省しております」


 エリーはそれを聞いてふーっと息を吐き言う。

「まあね。反省は大事だよね。私だって気づかなかったし、後ろを取られて危なかったんだよね」


「……!」

 リサが申し訳なさそうな顔をする。


「エリー様の従者としてチカラを得ながら、まだまだ活かせておりません……申し訳ございません」

 リサが椅子から立ち上がり深く頭を下げた。


 そして部屋のドアがノックされた。

 〈トン、トン〉

 エリーは直ぐに返事をする。

「どうぞ! お入りください」


 ドアがゆっくり開いて黒のローブを羽織った青色のロングヘアの妖艶な女性が入って来る。


「失礼致します! 只今到着致しました」

 そう言って女性は深く丁寧に一礼する。その女性を見てエリーは少し嫌な顔をして言う。


「……サディさん、また雰囲気変えましたね。あなたの魔法スキルは、ホントにすごいですね。でもここでは普通にお願いしますよ」


 サディは顔を上げるとエリーを見て妖艶な笑みを浮かべる。


「はい、申し訳ありません! ですがエリー様の隠蔽偽装スキルには遠く及びません」


 そう言ってサディはユーリとリサを見て微笑み一礼すると。ユーリとリサはサディを見て少し緊張した顔をして頭を下げた。


 サディは2人を見て少し間を置いてから。

「ユーリさん、リサさん!? ……何を警戒されているのですか? 危害を加えたりは致しません」


 ユーリが少し顔を緩めて口を開く。

「はい、わかっています……」


 リサはサディに近づくと全身を観察してから尋ねる。

「その魔法スキル、私でも修得出来ますか? 出来ればご教授願いたいのですが」


「それは余りおすすめしませんが……」

 サディはリサを見て微笑み言った。リサは怪訝そうな顔をする。


「なぜです?」

 リサはサディに尋ねた。


「……それは、エリー様よりお聞きください」

 サディは優しく答えた。


「それは、とりあえずあとにしましょう」

 エリーは3人を見て少し機嫌悪そうに言った。直ぐにサディがエリーを見て言う。


「報告致します。ルーベンス市のライオネル諜報拠点は二つあるのですが。ニセ情報を流し明日、各拠点に全員集まるようにしております」


 エリーはテーブルのティーセットからカップを取りティーポットから注ぐ。


「それで、流した情報とは?」

 エリーはサディに尋ねた。


「はい、帝国の内通者が紛れ込んでいると」

 サディは微笑み答えた。


「……それで反応は?」


「はい、地区リーダーのみに情報を与えておりますので特には、それとライオネルの諜報員を1名、言いくるめてベランドルへ向かわせました。その者が今回の内通者と仕立て上げました」

 サディは答えると、笑みを浮かべて嬉しそうに言う。


「私が、アルティさまの推薦により、こちら方面の統括責任者となりました。それで私はエルヴェスのライオネル諜報組織壊滅に伴って消息を断つ予定です。今後のライオネルの諜報情報はアルティさまから入るので問題は有りません」


 エリーはサディを見て呆れた顔をして両手を挙げる。

「……了解しました。でも統括責任者になったのなら、組織を潰す必要はないのでは?」


「いいえ、ライオネルの諜報組織は必要有りません。今後、ライオネルは崩壊します。上を失った諜報員が他国に流れる可能性も有ります。ですから潰しておくほうが良いと判断します」


「……サディさんがそう考えるのなら、まあ確かにそうですね」


 エリーは頷き言うと、エリーは視線をユーリに向けて言う。

「明日、特殊部隊を2個分隊ほど、お願いします」


「はい、ビルト隊長に連絡しておきます」

 ユーリはそう答えてエリーに頷く。サディがローブの中からファイルを取り出しテーブルの上に置いた。


「エリー様、これがライオネルの現状の概要情報です」


 エリーはファイルを取り目を通す。


「……ここまでの情報を、この短期間で!」

 エリーは声を漏らした。そしてサディは嬉しいそうに言う。


「お褒め頂きありがとうございます。エリー様が思っていらしゃる程は、労しておりませんので」


「そうですか、でもこれは大いに役立ちます」

 エリーがサディを見て口を緩めた。ユーリとリサは少し戸惑った顔をしている。


「でえ、集合時間は何時ですか?」


「はい、10:00です。エリー様! 二手に分かれて一気に叩く予定ですが、よろしいですか」

 サディがエリー達3人を見て言った。


「……サディさんも一緒に? 一応部下でしょう、よろしいのですか」


「はい、問題有りません! それにエリー様は無益な殺生はされないかと」

 サディは微笑み答えた。それを聞きエリーは嫌な顔をする。


「ホント……サディさん、あらためて思うけど、仕事が出来るよね。それに私がどんな考えか理解しているし」

 エリーが少し呆れ顔をすると、ユーリはサディの顔を見て言う。


「サディさん、2拠点を一気に潰すのですね」


「はい、ユーリさんとリサさんでもう一カ所をお願い致します。エリー様と私でメインの拠点を叩きますので」


 ユーリは機嫌の悪い顔をしてサディを見る。

 「……!」


 

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

 

これからも、どうぞよろしくお願いします。

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