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和平交渉 第179話 女神スキル

ソアラはレンベルを操縦する。

 2国間和平交渉会議5日目夕方。

 ここはべランドル帝国帝都ドール市、ドール城、皇帝護衛隊待機場。


 エリーはレンベルTYPEⅡコックピット内サブシートに座って、パイロットシートに座っているソアラに指示をだしている。

 ソアラがコックピット正面パネルを見て確認呼称する。「起動異常アラーム無し! オールグリーンランプ確認! 起動シーケンス、スタート!」そしてセーフティーロックを解除、起動スイッチを押した。


 レンベルTYPEⅡの魔道融合炉が起動、高周波モーターの様な音が鳴り始める。ソアラはモニターを見て各関節稼働部コア、ジェネレータ出力数値を確認する。エリーは前に身を乗り出しモニターの表示を確認すると言う。

「ソアラちゃん! 全て正常値、問題ないよ。シールドを閉めて」


「はい、了解しました。シールド閉めます」

 ソアラはシールド安全装置を外しシールド開閉ボタンを押した。コックピット内にアラームが鳴り響き、シールドがゆっくり下へ閉まっていく。

 エリーはソアラの肩を軽く叩いて言う。

「ソアラちゃん、シンクロモードに移行してください」

「はい、了解しました。シンクロモード移行します」

 ソアラは答えると左右のレバーを離し、手前にある左右のスペースに手を入れた。

 コックピットスピーカーから女性のアナウンスが流れる〈機体パイロット認証システム作動! 認証しました! ソアラ•アルベイン確認! シンクロパイロットシステムに移行確認!〉


 エリーはソアラに続けて指示をだす。

「兵装システムシュミレートモード選択してください」


「はい、了解しました。兵装システムシュミレートモード選択します」

 コックピットスピーカーからアナウンスが流れる。

〈警告! 兵装システム! シュミレートモード選択! 模擬戦闘体制に移行!〉

 コックピット内アラームがなり終わると周囲の擬似目標がモニターに表示された。


 レンベルTYPEⅡの正面にはラムザⅣユーリspecialがブレードを構えて対峙している。

 エリーがヘルメットインカムからユーリに指示をだす。

「それではお願いします!」

『了解しました! それでは初めます』

 ユーリが答えるとユーリspecialがレンベルTYPEⅡへ距離を詰めてブレードを振り下ろす。

 レンベルTYPEⅡは直ぐに後退ブレードを右から横に振り抜きユーリspecialのブレードを外へ弾いた。エリーが直ぐに声を上げる。

「突きが来る! シールド展開!」

 ユーリspecialは沈み込む体勢から突きを繰り出して来た。レンベルTYPEⅡは突きに対して防御シールドを展開突きを弾き返した。そしてユーリspecialは直ぐに上方にジャンプして上段からの斬撃しを放った。レンベルTYPEⅡはブレードを掬い上げそれを受け止めた。


 エリーは直ぐに声を上げる。

「これまで! やめ!」

 2体の重装騎兵の動きが止まる。直ぐにユーリから無線が入る。

『どうしますか? 続けますか?』

 エリーは答える。

「もうやめます。ここのスペースでは無理なようなので。ユーリさんご苦労様でした」

 エリーは無線を切るとソアラの肩を触って言う。

「ソアラちゃん、いけそうね。今度レンベルが戻って来たら専用機にすれば良いね」

 ソアラは通信システムをオフにしてからエリーに言う。

「エリー、当たり前です。このレンベルのベースフレームは私の守護騎士だったものなのですからね。自分の手足のように動かせますよ」


 エリーは機嫌の悪そうな顔をする。

「戦闘スキルは私の方が上だけどね。ローゼは動かせるけど私には及ばないよね。それでさあ最強の守護騎士はどこに隠しているのか教えてよ」

 ソアラはそれを聞いて間を置いてから言う。

「あれは出せませんよ。今まで一度も使った事がないんです。それにあれは危険です。ですから使う予定はありません」


 エリーはソアラの肩を力を入れて握り締める。ソアラは顔を歪めて言う。

「痛いーーっ! エリー!」

「そりゃそうだね。ローゼがそんな出し惜しみしないもんね。本当に危険なんだね」


 ソアラはエリーの手を掴み引き離して言う。

「でもブラウン商会は頑張ってくれましたね。このレンベルの完成度は予想以上でした。アクセリアルの技術を取り込み上手く仕上げています」


「そうですよ。ブラウン商会はよくやってます。技術者が優秀ですからね」

 エリーは嬉しいそうに言った。


「とりあえず、戻ろうか」

 エリーがそう言うとソアラは頷き言う。

「はい、ローラ様、了解しました」


 ソアラはレンベルTYPEⅡの足を折り畳み跪かせる。そしてセーフティロックを解除してコックピットシールド開放ボタンを押す。コックピット内に警報が鳴り響き、ゆっくりとコックピットシールドが上方へ開放されていく。整備下士官達がタラップをレンベルTYPEⅡのコックピットに設置する。

 エリーはベルトを外してソアラを押し出す。

「ローラ様! やめて下さい! 痛いです」

 ソアラが不機嫌な顔をするとエリーは口を緩めて言う。

「スキンシップだよ。ソアラちゃん」


 ソアラがコックピットから出ると整備下士官が手を添えてタラップへ下ろしてくれた。エリーもコックピットから出ると、ソアラと一緒にタラップを下った。


 ユーリがエリー達に寄って来て言う。

「ローラ様、アンジェラが報告があると宰相執務室で待っています」

 エリーはソアラ見て言う。

「ソアラちゃん、アンジェラさんに紹介してあげます。着いて来て」

 エリーはそう言って護衛隊待機場から宰相執務室へと向かった。

 

 

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

 これからも、どうぞよろしくお願いします。

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