和平交渉 第177話 女神ローゼ
本年初投稿。女神ローゼがエリーに語る。
2国間和平交渉会議5日目午後。
ここはべランドル帝国帝都ドール市、ドール城、皇帝一族専用浴場内。
エリーはソアラの髪をシャンプーで洗いながら言う。
「ローゼ……あなたソアラちゃんの体を奪ったのですか?」
ソアラは気持ち良さそうな顔をして直ぐに答える。
「いいえ、ソアラが望んだのです。ですから私はその望みを叶えただけです。ソアラは不治の病で寿命が尽きかけていたのです。祈りにより導かれ私はソアラの中に入ってそして女神と一体化した。それだけです。もちろんソアラは今も私の一部として存在していますよ」
エリーはソアラの髪をシャワーで洗い流しながら言う。
「そんなことがあったとしても、人間となるなど考えられない。理由があるのでしょう?
ソアラはエリーのほうを向いて言う。
「ええ、私はアクセリアルの必要な探知から逃れたかった。それが1番の理由です。私は精神エネルギー体です。外に出て移動すれば探知され攻撃を受ける。隠避にはかなりのマナエナジーを消費するので疲れてしまって……、魔法適正の高い人間を依代を持てば隠蔽も容易なのです。それにセレーナ、いえ、エリーの直接支援も出来ると考えて……、もう一度言いますが決して無理矢理ソアラの体を奪った訳では有りません」
エリーは微笑み両手をソアラの背中から前に回すと膨らみかけたおっぱいを優しく触り揉んで言う。
「ローゼあなたソアラちゃんを完全に自分に取り込みましたね。もう不死なのでしょう。だから12才くらいから歳をとっていないのですね」
ソアラはエリーのおっぱいを揉んでいる両手を掴み引き下げると言う。
「ええ、ソアラは私と一体化してもう分離は出来ません。でもそうしないとこの子は死んでしまっていたのですよ」
エリーは口を緩めて言う。
「じゃあこのままの見た目なんだね。でも周りは歳をとって行くのに浮いちゃうよね」
ローゼはボディスポンジを取るとソープをつけて体を洗い始める。
「そうね。この件が片付いたら姿を消すつもりです。行方不明だったら家族も悲しまずに済むと思います」
エリーはソアラのボディスポンジを無理矢理取り上げると、ソアラの背中を洗い始める。
「それは家族が可哀想だよ。20年くらいなら一緒にいても誤魔化せるから、ソアラちゃんのためにも家族のそばにいたほうが良いと思うよ。出来れば子供もね」
ソアラは動揺したように言う。
「……子供て?」
エリーはソアラの腕をスポンジで擦りながら言う。
「出来るよ。私だって前世で2人子供いたもんね。でも私より先に老人になって死んじゃってそれ以来嫌になっちゃて……。女神の不老不死は遺伝しないんだね」
ソアラはエリーの手を掴み言う。
「エリーそうでしたね。私は経験が無いのです。1300年精神エネルギー体として生きていますが。行為そのものは知識として知っています。ですが直接肉体的な体験をしたことがないのです」
エリーはソアラの肩に手を乗せて言う。
「じゃあ処女なのですね。まあこの見た目ではいくら年齢が18才と言われても普通の男性ならためらいが生じますよね」
ソアラはシャワーノズルを取りシャワーを浴び始める。
「エリーだって現世では処女ではないですか。何故ですか?」
エリーはボディスポンジを洗いながら言う。
「まあね。タイプがいなっかただけですよ」
ソアラがは体を流し終えると言う。
「エリーじゃあ、私が体を洗ってあげますよ」
エリーは嫌な顔をする。
「ローゼいいよ。自分でやるから」
ソアラはシャワーのお湯を頭に掛けて言う。
「いいじゃない! せっかくだから」
エリーがソアラを見て言う。
「そうだね。じゃあお願いするよ」
ソアラは浴場チェアに座ったエリーの背後に周りシャンプーでエリーの紫色の髪を洗い始める。
「言っておくけど、私がローゼである事は誰にも言ってはダメですよ。あなたの信頼がおける仲間でもです。私はローゼの使徒とでもしておいてください」
エリーが直ぐに言う。
「ええ、でもアーサー卿は誤魔化せるかな? ローゼの使徒などと言って大丈夫かな。まあ今日はバレなかったけど」
ソアラがエリーの髪を手で洗いながら言う。
「今日は驚きました。エリーが揺さぶりをかけて来たのでほんと驚きました。いつから気づいていたのですか? 私の隠蔽は完璧だったはずなのですが……」
エリーは振り返り言う。
「そりゃわかるよ。酷い目に遭わせてくれた相手だからね」
エリーが浴場の入口に気配を感じて会話を止める。
「ローラ様! ユーリです。少し遅いので伺いました」
ユーリはエリーにすぐに寄って来る。ソアラはエリーの背中をボディスポンジで洗っている。それを見てユーリは機嫌の悪い顔をする。
「ソアラちゃん! 何をしているのですか!」
ソアラはユーリを見て微笑み言う。
「はい、ローラ様の背中を洗っています」
ユーリはソアラを見て目を細めて言う。
「私でさえやったことないのに……、あなたはもうそんな距離感なのですか。調子に乗らないで」
ソアラは不思議そうな顔をしてエリーの耳元で囁く。
「この人、エリーの従者契約者でしょう。なんかヤキモチ妬いてますよ」
エリーはユーリを見て言う。
「ユーリさん、いいんだよ。ソアラちゃんに頼んだんだよ」
ユーリはそれを聞いて寂しそうな顔をする。
「このような得体の知れない相手に背中を預けるなど……、大丈夫なのですか?」
エリーは微笑み言う。
「うん! 大丈夫! いい子だよソアラちゃん」
ユーリはソアラを見て嫌そうな顔をして言う。
「ソアラ……、お前はどうやってローラ様をたぶらかした。どんな魔法を使った!」
ソアラは驚いた顔をしてユーリを見て言う。
「誤解です。私は魔法など使っていません! 真実をお話ししただけです」
エリーは立ち上がりユーリを見る。相変わらずバランスの良い理想的な体型をしている。
「ユーリさん、言っておくけど、ソアラちゃんはローゼ様の使徒なんだよ。私のサポートをするためにやって来たんだよね。だから警戒は必要ないから」
ユーリは少し戸惑った顔をしてエリーを見てから、視線をソアラに移すと跪き頭を下げた。
「失礼致しました! ローゼ様の使徒だったのですね。私はエリー様と従者契約を結んでおります。ユーリ•ローガンと申します。エリー様のサポートよろしくお願致します」
ソアラは驚いた顔をしてエリーを見る。エリーはユーリに言う。
「ユーリさん、そんな畏まらなくてもいいよ。見た目通りに接してあげてよ。ソアラちゃんでね。年の離れた妹みたいな感じで接してあげてよ」
ソアラはユーリを見て微笑み言う。
「ユーリさん、お身体を流させて頂けますか? ローラ様はもう終わりましたので」
ユーリはバツの悪そうな顔をしてソアラに小さい声で言う。
「はい、お願いします」
ユーリは浴場チェアに座るとソアラはシャワーのお湯を頭に掛けてシャンプーを泡立てる。
「ユーリさん、それにしても良い体をされていますね。おもてになられるのでしょうね。私などこのようなお子様体形でいつも幼く見られて困っています」
ユーリは戸惑ったように答える。
「そうですか。まあ確かに……、でも可愛い事は間違いないですよ」
ソアラはユーリの髪洗い流しながら言う。
「ユーリさんは綺麗ですよね。私が男性なら放っては置かないでしょう。ホントお顔もカラダも魅力的です」
「ありがとう……、ソアラ……ちゃん」
ユーリはぎこちなく言った。
そうして体を洗い終わると3人は湯船に浸かりしばらくソアラの身の上話を聞いた。
ユーリの最初の嫌悪感は無くなり、ユーリとソアラはあっという間に仲良くなった。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!
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