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北部戦線18 特三機動連隊5

ここは、北方戦線、エリー機動大隊現地配備、7日目。


 エリー大隊は、帝国特殊部隊の襲撃を受けてから49時間ほど経過していた。

エリー大隊は後方配置命令を受け、特別第三機動連隊へ編入配置になった。


 あれから、特別第三機動連隊は緊急電を受けて中隊規模の偵察隊を編成、出撃して行った。


『こちら特三リーダー! ジェーン! 今から国境戦域に入る! 各員、通信機を暗号ショートレンジに切り替えろ!』

 

 エリーはヘッドギアインナースピーカーから聞こえるジェーンの指示に従い、通信セレクトボタンを押した。

 エリーは通信回線を開いて言う。

「こちら特三レッド一号! エリー! 了解!」

『こちら特三レッド二号! ユーリ! 了解!』

『こちら特三レッド三号! アンジェラ! 了解!』

 エリーの僚機からの通信を受信する。


「こちら特三レッド一号! エリー! 通信感度問題無し! 以上!」


『こちら特三リーダー! ジェーン! 先行はレッドに任せる! 行って来い!』


「特三レッド一号! エリー! 了解! ではお先に!」

「特三レッド各員! 準備良いか! 先行突入開始する!」


《レッド二号了解! レッド三号了解!》

 

 エリーのレンベルが一気に加速、両サイドのラムザⅣカスタム機兵がそれに追随して加速した。


 グラン連邦国軍の重装機兵の配備導入は決して長くなく、ここ十年ほどである。そして急速にこの二年ほどで性能が飛躍的向上した。重装機兵の世代は現在、第五世代にあたり、ラムザⅢの第四世代から性能が大きく向上し帝国軍重装機兵の性能を上回った。そこには、ブラウン商会重工業部門が大きく関わっている事は公然の秘密である。


 ジェーンはラムザⅢカスタム機兵のコクピットでモニターを見ながらため息をついた。

「こっちだってノーマル機体じゃないのに・・・・・・、性能差があり過ぎるな! ブルー一号! セーヌ! 聞こえているか!」


『こちら特三ブルー一号! セーヌ! リーダー! なんでしょう』

 

 セーヌから応答が入る。

「先行レッドが出た! 我々リーダー、ブルー各員は後方に敵を入れない様、牽制と支援だ!」ジェーンが残りの部隊に指示を出した。


『ブルー一号! 了解!』

《ブルー各員! 了解確認!》

《リーダー各員! 了解確認!》


◆◇



 ここは帝国軍第三軍国境戦域司令部。

 ベル戦線司令官が報告を受けている。

「戦闘域に朱色の重装機兵確認しました。敵重装機兵、中隊規模の模様です!」


 ベル司令官は軽く右手を上げて言う。

「連邦の欺瞞作戦などもう通用せん! 数ですり潰せ! 各師団からありたけの重装機兵を投入しろ! 偽物の魔女を叩きのめすのだ!」

 

 ベル司令官は伝令士官の顔を見て言った。「まあ要らぬだろうが、魔女討伐部隊にも連絡しておけ」


「はっ! 了解致しました!」


 ベル司令官が隣りの参謀士官に言った。

「どうだ! 偽物とはいえ、魔女を仕留めれば私は帝国の英雄だ。笑いが止まらん」


 参謀士官が不安そうにベルを見て言う。

「そんなに簡単に行くでしょうか、なにか不安を感じるのですが」


「戦場において大事なのは、戦局の見極めだ。やる時は是非もなく徹底に相手を叩く! それが今なのだよ」

 ベル司令官は勝利を確信した顔で参謀士官を見て言った。


 伝令士官がベル司令官に駆け寄り声を発する。

「各隊急行指示だしました! 百機以上は投入出来る模様です! 先発二個大隊2分ほどで接触予定!」


「そうか、先発隊で片付くかもしれんが、まあ良い、念には念を入れておけば確実だな」


 ベル司令官が椅子に座り、参謀士官を見て言った。

「君も座ったらどうだ。今日はとりあえず勝ちは確定だ」


「はい、念のため戦線付近に砲兵連隊と対機兵部隊を展開させたいのですが、よろしいでしょうか?」

 参謀士官がベル司令官を不安そうに見て言った。


 ベル司令官が参謀士官を嫌そうな顔で見る。「君は臆病者だな、まあ任せる」


「ありがとうございます! その様に致します」参謀士官が嬉しいそうに言った。


いつも最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!


 もしも少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。

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