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和平交渉 第166話 エリーの思い

 2国間和平交渉会議3日目夜。

 ここはグラン連邦国首都、べマン市。


 エリーはブラウン家2階家族食堂で夕食を食べ終わり、ルイカの部屋でリサ、ルイカの3人で話していた。

「エリーお姉様、明日ドールに戻られるのですか?」

 ルイカがエリーを寂しそうに見つめて言った。


「ルイカごめんね。明日には出ないと色々やる事があるからね」

 エリーがそう言ってルイカに微笑んだ。


「……、あのですね! エリーお姉様について行ってはダメでしょうか?」

 ルイカがエリーのそばに寄って手を握り締めて言った。エリーはルイカの瞳を見つめて少し間を置いて答える。

「ルイカ……、今、大陸で一番安全なのはここなんだよ。ドールは比較的落ち着いてはいるけど、何が起こるかわからない。そんなところへルイカは連れて行けない。護衛だって必要になるからね。だから理解をしてね。それにお父様やお母様を心配される訳にはいかないでしょう」


 ルイカはエリーから視線を外して悲しい顔をする。エリーはルイカの頭に手を添えて撫でながら言う。

「そんな顔しないで……、私だって寂しいんだよ。でもねルイカ。やらなくてはならない事がいっぱいあるんだ」

 ルイカは頷き言う。

「はい、お姉様理解しています」

 そう言ってルイカは無言になった。


「じゃあ、もう寝ましょうね」

 エリーがルイカを見つめて言うとルイカが嬉しいそうな顔をする。

「エリーお姉様と同じベットで寝るのは久しぶりです」


 横の椅子に座って見ていたリサが立ち上がり申し訳なさそうに言う。

「それでは、おやすみなさいませ」

 そうして一礼するとリサは部屋から出て行った。ルイカがエリーを見て微笑み尋ねる。


「エリーお姉様、また会えるのですよね」

 エリーはそれを聞いて優しくルイカの頭を撫でて囁く。

「もちろんよ。また会えるよ。私は女神像の加護を持っているのだからね」


 ルイカはエリーの瞳を見つめて言う。

「エリーお姉様、たとえ血が繋がっていなくても私の自慢のお姉様です。私を見捨てないでください。絶対にお姉様のお役に立てるよう頑張りますから」


 エリーはルイカに頬を寄せて言う。

「ルイカ……、私だってルイカを大切に思っているよ。だからこそ私のそばには来て欲しくないんだよ。私の周りには常に危険がつきまとうからね。この世の中にはとんでもない私の能力でも対処が難しい事だってあるんだ。ルイカには安全なところにいて欲しいだよ。ルイカを危険に晒す訳には絶対出来ない……、それだけが私の願いだよ。私みたいに戦いに身を投じて欲しくない。ルイカ……、私は戦争とはいえ人を殺しているんだよ。大切な妹にはそんなことして欲しくない。ルイカには普通に生活して普通の人生を送ってくれればそれが一番なんだよ」


 ルイカはエリーを抱きしめて言う。

「ハッキリ言わせてもらいます。なんで、お姉様に嫌なことを押し付けて、自分だけが幸せになることなど出来ません。お姉様の幸せこそが私の幸せなのですよ」


 エリーはルイカを抱き寄せ囁く。

「うん! わかった。ルイカ、気持ちは理解したよ。私も幸せになるからね。でもねルイカが思っているような感じじゃあないからね」


「じゃあ寝よう」

 エリーはベットに入るとルイカも一緒にベット入って来て体を寄せた。

「おやすみ。ルイカ」


「エリーお姉様、おやすみなさい」

 ルイカはエリーを見て微笑み言った。


 

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

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