和平交渉 第156話 戦闘の終了
2国間和平交渉会議2日目夜。
ここはジョルノ共和国とべランドル帝国の国境線沿い。
エリーは寂し顔をして小高い丘の上に立ち周辺を眺めていた。あれからエリーは散発的に帝国領内のジョルノ共和国軍を攻撃撃退して今ここにいる。
ジョルノ共和国軍はエリー達の攻撃と連邦国からの増援ベルーダの対地攻撃、情報撹乱で混乱してまともな戦闘行動が取れなくなり、自国領へ撤退して行った。そして30分前にエランから追撃不可命令が受けエリー達は国境線沿いに待機している。
リサがエリーを見つけて近寄って来る。エリーはリサを見て少し嫌な顔ををして言う。
「この件、権勢復活を狙う反大統領派軍部上層部の暴走として処理されるようですね。大統領は関与していないと……、本当に? まあ戦闘が終結すれば良いですけど」
リサはエリーの顔を寂しそうに見る。
「ええ、そうです。まったく関係ないてそれは流石に認められませんね」
エリーが国境のジョルノ共和国領側を見つめて言う。
「この周辺のジョルノ共和国軍は反乱軍として処分されるようですね。今日捕らえたもの達は公にせず秘匿してくださいね」
リサはエリーを見て言う。
「ジョルノ共和国中央から鎮圧部隊が派遣されるとのことです。まあほとんど私たちが無力化したので問題はないと思います。そして投降したものは部隊長以外の将兵は復帰を認めるとのことです」
エリーはリサの肩に手を乗せて言う。
「本当にバカなのですね! こんなことで内輪揉めなんてね。無駄でしか有りません」
エリーはそう言って仮第7軍本部へテントへと歩き出す。リサもゆっくりと追随する。
「ローラ様、食事はお済みですか?」
リサが声をかけるとエリーは立ち止まり振り返り言う。
「携帯食をかじっただけだよ! まともな食事があるなら食べたいよ」
エリーが少し疲れた顔をしてリサを見て答えた。
「はい、ブラウン商会の搬送車両に夕食の準備が出来ています。案内致します」
エリーは嬉しそうな顔をする。
「ありがとう! リサさん!」
エリーはリサと並んで歩き出す。そこへアンジェラが慌てたように駆け寄って来た。
「ローラ様! 急ぎ移動をお願い致します!」
「え……、どこですか?」
エリーは少し嫌な顔をしてアンジェラを見て言った。
「連邦国べマンです。お願い致します」
アンジェラはそう言って、エリーの手を持って歩き出す。
「今から食事をしようと思っているのですが! そんなに急用ですか?」
「ええ、まあそうですね」
アンジェラの返事はハッキリしない。
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