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和平交渉 第151話 エマと再会する

和平交渉会議2日目午前中。


 ここはべランドル帝国、帝都ドール城、皇帝執務室。エリーは朝食を済ませて、ソファーでくつろいでいた。エランは執務机でハリーと打ち合わせをしている。

「お姉様、到着予定時刻です。ハリーさんを開放してくださいね。奥さんがせっかく来るのですから」

 エリーはエランに微笑み言った。

「ええ、わかっていますよ。ジェーンさんを待たせる訳にはいきません」

 エランは執務机の椅子から立ち上がりハリーを見る。ハリーは少し戸惑った顔をして言う。

「ジェーンはわざわざ来なくても良いのに、それなら娘に会ってやれば良いのです」


 エリーはハリーを見て嫌な顔をして言う。

「ジェーンさん、寂しそうでしたよ。もうだいぶ会っていないのでしょう」


 ハリーは椅子から立ち上がりエリーを見て微笑み言う。

「はい、そうですね。最近、家族揃う事はないですね」


「ジェーンさんが寂しがり屋だって知っているでしょう。それに本心はハリーさんにゾッコンなのですよ。口が悪いだけで心は乙女なのです」

 エリーは少し呆れた顔をしてハリーを見た。


「エリー様、ジェーンのことは理解しております。気持ちは十分に理解しております。可愛いヤツです。2人の時は雰囲気は違います」

 ハリーはエリーに頭を下げて言うと、エリーはハリーに近寄り囁く。

「まさか想像出来ませんでしたよ。ハリーさんとジェーンさんがくっつくなんてね。ジェーンさんなんてかなり酷い言いようだったのに……ね」

 エリーが微笑むと、ハリーは手を顔に当てて言う。

「エリー様のお導きに感謝致します。そして愛しい娘ラナを授かり嬉しい限りでございます」

 エリーはハリーから離れるとエランを見て言う。

「そろそろ2日目、和平交渉会議が始まりますね。今日は保証交渉ですね。お姉様は今日はどうされるのですか?」


 エランは執務机の書類を見て嫌な顔をして言う。

「法令認可関係の書類が山のように有ります。それを承認するだけで今日は終わりますね。それとハリーさんとの打ち合わせが、まだ残っています」

 エリーはエランから視線を逸らして言う。

「それは大変ですね。私は午後からベルニスの第一艦隊に向かう予定ですのでお手伝い出来ませんが、頑張ってください」

 そして執務室のドアがノックされる。

「どうぞ、お入りください」エランが答えるとリサが部屋に入って一礼する。

「ジェーンさん、エマさんが到着されました。ユーリさんが直ぐに案内されますのでお待ち下さい」

 

 エリーは嬉しそうに言う。

「エマさん……やっと復帰ですね。嬉しい限りです」

 リサは直ぐに一礼して部屋から出て行った。しばらくして再びドアがノックされる。エランが答えるとドアが開きユーリと後ろに2人の女性が入って来た。ユーリは一礼して言う。

「エラン陛下、お二人をお連れ致しました」


 2人の女性が前に出て頭を深く下げて言う。

「エラン陛下! お初にお目に掛かります。連邦国軍中佐、ジェーン・ジョージアと申します。夫ハリーがお世話になっております」

 ジェーンはそう言ってエランに頭を下げた。

「エラン陛下! 外事局エリー大隊副長、エマ・ドアンと申します。今後ともよろしくお願い致します」

 エマもそう言って頭を深く下げた。そしてエリーはエマを見て近くに寄って言う。

「お帰り……、エマさん! 元気になって良かった」

 エマは、エリーを見て嬉しそうに言う。

「エリー中佐、昇進おめでとうございます」

 

「ありがとう! エマさんも少佐への推薦したんだけど、今期は見送りになってゴメンね」

 エマはエリーの手を握り締め言う。

「またエリーさんと一緒に出来るだけで幸せです。私が少佐だなんてまだ早いです」

 エマは瞳から涙が流れている。エリーはそれを見て嬉しそうに言う。

「エマさん、本当良かった。また一緒にやれるね」


 エリーがジェーンのほうを見るとハリーとジェーンが抱き合っている。

(え……、思った以上に2人中良いだね。本当人はわからないですね)

 エリーがそう思っているとジェーンがこちらを見て視線を逸らした。

「あゝ、エリー……、ハル中将直属になったそうだな。まあ頑張ってくれ」

「ええ、今晩はハリーさんと、くつろいでくださいね」

 エリーは口を緩めてジェーンを見つめて言った。そしてジェーンは嫌な顔をして言う。

「エリーお前は、男は出来たのか?」

 その言葉にユーリが機嫌悪そうな顔をして声を上げる。

「ジェーンさん! 下品な物言いはなんですか! エリー様に失礼です!」

 ジェーンがユーリの反応に少し驚いた顔をして言う。

「ユーリさん……済まない。少し言葉が過ぎた」そう言って、ユーリに頭を下げた。

 エリーは少し戸惑った顔をして言う。

「付き合っている男性などいませんよ。そんな時間も有りませんけどね」

 ユーリはそれを聞いて少し嬉しそうな顔をして言う。

「そうですよね。エリー様に吊り合うものなどいる訳が有りません」

 エリーはユーリを見て言う。

「まあ付き合って欲しいとすればトッドさんくらいですかね」

 それを聞いてエランが少し嫌な顔をして言う。

「じゃあ……ライバルてことですね。エリー」

  エリーは顔を傾けて微笑み言う。

「本気ですか? 冗談ですよね」

 エリーとエランは見つめ合い微笑んだ。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます! これからも、どうぞよろしくお願いします。


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