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和平交渉 第133話 第一艦隊訪問

エリーは第一艦隊訪問する。

 皇帝暗殺未遂事件翌日昼。エリーは第一艦隊旗艦スミスン号、会議室にいた。


 エリーは昼食を食べ終わり、ガイン中将を前に満足そうな顔をして話していた。


「ローラ様、どうでした? 今日の海鮮カレーはうちのシェフ達が気合いを入れて作ったものです」

 ガイン中将がエリーを見て嬉しいそうに言った。エリーは頷き口元を緩めて言う。

「お心遣い感謝致します。とても美味しかったです」


「これから王城へ向かわれるのですね。第一艦隊も全艦に出航命令を発令致します」

 ガイン中将はエリーの顔を見て微笑み言った。


「はい、お願い致します。万が一のためです。心配は無いと思いますが」

 エリーは椅子から立ち上がり一礼する。


「では、お気をつけて」

 ガイン中将は立ち上がりエリーに敬礼した。


 エリーユーリとリサを見て頷き言う。

「行きますよ。ユーリさんリサさん」


 それを聞いてユーリとリサはエリーのそば寄った。ガイン中将がエリー達を見て嬉しいそうに言う。

「失礼ながら、ローラ様のお付きの方々はお美しい方ばかりですね。見惚れてしまします」


 ユーリが少し嫌な顔をしてガイン中将を見る。直ぐにエリーはユーリを見て言う。

「ガイン閣下は褒めてくださっています。ユーリさんもリサさんも美人なのですからここは喜ぶべきかと思いますよ」

 そう言ってエリーはユーリに微笑んだ。


「ガイン閣下、失礼致しました」

 そう言うとユーリはガイン中将に頭を下げた。


「いえ、私こそ配慮に欠けていました。申し訳有りません」

 そう言って申し訳なさそうにガイン中将はユーリに頭を下げる。


「左舷へお願い致します」

 ジーン大尉がエリーに声を掛けた。ジーン大尉は旗艦ドール号(現在、連邦国ドック改修中)より第一艦隊情報課に異動になりいまは旗艦スミスン号に乗艦勤務している。


「はい、お願いします」

 エリーはジーン大尉に一礼するとユーリ、リサを伴って会議室から左舷へと移動した。左舷から浮き桟橋用タラップを下っているとパツパツと小雨が降り始めた。


「持ちませんでしたね。急いで連絡艇へ」

 ジーン大尉はタラップを駆け下り、浮き桟橋からエリー達を連絡艇に急いで乗せた。連絡艇操舵下士官が敬礼して声を上げる。

「それでは、出発致します!」

 連絡艇搭乗下士官が係留ローブを外すと連絡艇は浮桟橋から離れて加速を始めた。


「ローラ様、また夕方、戻られるのですか?」

 ジーン大尉は少し躊躇ったように言った。そしてエリーは少し考えたような顔をして言う。

「わかりません。まあ夕食は楽しみですが。状況次第ですから」

 

「艦隊はこのあと一旦沖合に出て艦隊行動を取る予定です。無事に終わる事を願っております。ローラ様」

 ジーン大尉はエリーを見つめてそう言って一礼した。


「ありがとうございます。ジーンさん」

 エリーはジーン大尉に微笑む。


 ユーリがエリーに近寄り呟く。

「一旦ランカーに戻って装備を整えてください」


「はい、万全を期しますね」

 エリーは頷きユーリとリサを見て微笑んだ。



 ◆◇◆◇



 ここはベルニス王国、王城国王執務室。


 アレッサンドロ国王はソファーに座りサンドラと苛立った表情で話していた。

「フランキー達3人が消えた? どう言う事だ! 15人衆の魔道士だぞ。そう易々やられる訳が・・・・・・」

 アレッサンドロ国王は言葉を詰まらせ顔を強張らせた。

「まさか・・・・・・、ローラ自ら動いた? いや、第一艦隊にいたはずだ。どうしてこうなった」


 サンドラは少し嫌な顔をして言う。

「先手を取られました。不覚でした。潜伏場所を特定されて、3人ともやられるとは・・・・・・、屋敷にはシンシアの血痕が残されていました。かなりの出血量です。魔導反応も僅かなながら残っておりましたが。もはや3人の生体魔導反応が全く受信出来ません」


 アレッサンドロ国王は少し驚いた顔をして言う。

「ローラとやらはもっと大人しいと思っていたが、敵とみなしたら容赦せんのだな。つまり帝都での暗殺未遂も我々の仕業と断定したと言う事だな」


 サンドラが頷き言う。

「しかし、我が国で勝手に暴れられては困ったものです。いかが致しますか?」


 アレッサンドロ国王はソファーから立ち上がり言う。

「我々はこれまでだ。もう偽装など必要無い。王城に招き入れ一気に蹴りを着ける。それで良いなサンドラよ」


 サンドラは冷たい視線をアレッサンドロ国王に向けて言う。

「しかしそれはどうでしょう。ローラとて流石に国王陛下を殺したりは出来ないでしょう。明白な証拠もないのに、ここはとりあえず様子を見てはいかがでしょうか」


 アレッサンドロ国王は腕を組んで言う。

「サンドラ、策はあるのだな。それならお前に任せよう」


 サンドラはアレッサンドロ国王から視線を外して言う。

「はい、私にお任せください。この局面打破してみせますのでご安心ください」


 サンドラはアレッサンドロ国王に一礼して部屋から出て行く。


最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

 

 これからも、どうぞよろしくお願いします。

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