和平交渉 第130話 敵との接触
エリーはベルニス魔道士と接触する
皇帝暗殺未遂事件翌日朝。ここはベルニス王都港湾施設。帝国第一艦隊港湾管理エリア。
エリー達は先ほど到着して、第一艦隊警備隊がランカーⅡ2機の周りを囲み部外者が近づけけないよう警備体制をとっている。
「お昼前には帰って来ますので、よろしくおねがいします」
エリーはガイン司令官に一礼する。
「はい、ローラ様が第一艦隊旗艦におられることにすればよろしいのですね。お任せ下さい」
ガインがエリーの顔を見て微笑む。エリーは黒色の魔導ローブを羽織ている。フードを頭へ被りユーリに視線を送る。同じローブ姿のユーリは頷き第一艦隊士官用車両に乗り込んだ。
「それでは、リサさんおねがいしますね」
エリーが微笑みリサの顔を見つめて言った。
「はい、ローラ様、お任せください!」
皇帝護衛隊軍服姿のリサが敬礼してエリーを見送った。
エリー達はすぐさま海軍士官車両を走らせベルニス王都郊外へと向かった。
◆◇◆◇
ここはベルニス王都南東の郊外地区、住宅地がまばらに点在している。そこに大きな屋敷が一軒ポツンと立っている。
屋敷は現在使用されていないが、サンドラが今回宿泊待機用にフランキー、ハルドロ、シンシアの3人のために準備した。
「私達以外のメンバーがやられたなど信じられません」
銀髪長髪の男フランキーが2人を見ながら言った。
「逃げたイレイナから映像情報をもらったけど、そりゃメンタルやられるよ、あれは・・・・・・、現場にいたら魔導波動も感じるからたまったもんじゃあなかったろう。イレイナ、フリアはよく帰って来れたモンだよ」
グリーンの髪色ポニーテールのシンシアがフランキーを嫌な顔をして見る。
「ですが、今回の相手はその3人では無いのです。実力は映像の3人を上回るとの事です」
黒髪短髪で長身のガッチリした男性、ハルドロがフランキーを苦笑いして見る
「俺たちは、やるしか無いのだな。ローラとはどの程度なのだ。サンドラ様の話では魔法は国家特級魔道士レベル以上、剣技も国家魔導剣士特級レベル以上とはどんな感じなのだ。俺はそんなの今まで相手したことも無い」
フランキーが2人を見て微笑み言う。
「今回はサンドラ様がいます。私達は周辺の者達を抑えれば良いかと思います」
グリーン髪色ポニーテールのシンシアが少し呆れた顔でフランキーを見て言う。
「周辺の奴らだてかなりの者がいると聞いた。やばいやつがいるみたいだが・・・・・・」
フランキーが寂しそうな顔をして居間の窓の外を見て言う。
「ええ、楽な相手ではありません。確かユーリとか言う外交担当官です。エラン皇帝についていたセリカとか言う護衛隊長と同格と思われるとサンドラ様が言っておられました」
黒髪短髪で長身のガッチリした男性、ハルドロがフランキーを見て言う。
「4人の魔導剣士を2分も掛からず撃ち倒したやつと同格? 嘘だろそんな奴を相手にするのか勘弁してほしいものだぜ」
「逃げるのですか? それは出来ませんよ」フランキーが目を細めてハルドロを見る。
「はーーっ! 逃げる訳ないだろ」
フランキーが少し嫌な顔をして2人を見て言う。
「来客のようです・・・・・・」
「迎えか? 少し早いが」
ハルドロがフランキーを見て言う。
「いえ、魔力波動を発散しながらそれに僅かながら、殺意を感じます。敵だと思います」
フランキーが微笑みシンシアを見て言う。
「敷地内に侵入しています。確認してもらえますか? シンシアさん得意ですよね」
グリーン髪色ポニーテールのシンシアが魔力を高め空間感知スキルを発動させる。
「ええ、フランキー殿の言う通り侵入者がいます。2人だけですね。他にはいません。2人のうち1人は強烈な魔導反応がありますが、もう1人は大したことはありません。剣士でしょうか」
「朝イチ、ローラが港湾に来ると言っていたが、刺客を連れて来たのか? 情報が漏れている?」
ハルドロが怪訝そうな顔でフランキーを見る。
「フランキー殿、逃げますか?」
シンシアが居間のドアを見て微笑み言う。
「それは無理でしょう。逃がすつもりは無いようです。屋敷の周りには遮断結界が張られていますよ。それと電話ケーブルを遮断されているようです」
フランキーは受話器を持って言った。
「サンドラ様にはとりあえず連絡出来ないな」
ハルドロが魔導ライフルを手に取り弾倉を装填する。シンシアは短銃を2丁取り出してリボルバー弾倉を確認してフランキーを見て微笑む。
「建物内に入ったよです。もうすぐ来ますよ。魔力を上げて戦闘体制を」
「ええ、ではやりますか」
フランキーは魔導剣の鞘を抜き払い刃先を見つめる。
「では、配置につきます。相手がどんな手で来るかわからないので、様子見でお願いします」
ハルドロ、シンシア2人は離れて部屋の隅へと移動した。
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