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皇帝権限奪還 第110話 皇帝護衛隊17

エランは第一艦隊を威嚇する。


 帝都出撃翌日午後。エリー達がアンドレアを出撃してから38時間ほど経過している。

 

 エリーはランカーⅡ5号機キャビンで座席に座り転寝をしていた。ランカーⅡ2機は現在、ベルニス領空内に入り首都を目指して飛行していた。


「オルオ到着はあと20分ほどです」

 カーター機長がコックピットから声を上げた。

「現在、オレオ市、着陸ポイント確認中です。向こう側は早い到着に驚いているようです」


 エリーが虚な顔をしてエランを見て言う。

「そりゃね。飛行船の速度なら着くのは夜だと思ってるのに、この時間に来られたらね。相手だって準備があるだろしね。たまったものじゃないよね」


「まあ、そうでしょうね。でもこれで精神的に優位に立てるわよね」

 エランが微笑み言った。


「ハリーさんの指示通り、市街地を視認出来る高度まで下げゆっくり飛行して下さい」

 エランがコックピットへ声を上げた。カーター機長が手を挙げて後ろに合図する。

「エラン陛下! 了解です! これより高度を1000mまで下げます。各員ベルト装着確認願います!」


 それを聞いてエリーがベルトを締め直す。エランがコックピットのカーター機長に再び声を上げる。

「一旦王城付近で旋回したら、港湾に停泊中の帝国第一艦隊上空を飛行して下さい。そして皇帝護衛隊のシンボルマークを見せつけて王城まで戻るようお願いします」


「はい、了解しました! プラン通り行くと良いですね」

 カーター機長が声を上げて答えた。


 エリーがエランを見て言う。

「海軍は従順の意を表明したのではないのですか?」


「ええ、第一艦隊以外はね。第一艦隊司令官ガイン中将は、アイクル派だからね。王城での交渉中問題が無いように牽制しとかないとね」


 エリーが少し嫌な顔をしてエランを見る。

「第一艦隊が従順の意を表明しなかったらどうするのですか?」


「もちろん、その時はエリーに行ってもらいますよ。そのための大魔導師ローラなのですから」


「ええ、そうならないことを祈りますけどね。海の上は疲れるのでね」

 エリーは疲れた顔で言った。


 2機のランカーⅡは高度を下る。地上から視認出来る高度で王城付近まで飛行すると旋回して、港湾方向へ飛行する。


 エランがマイクを取り言葉を発する。

「こちら皇帝エランです。第一艦隊旗艦ドール号応答願います」


『こちらドール号! 認識符号確認しました! 皇帝陛下御身のお出まし歓迎申し上げます』


「只今より艦隊上空を低空で通過します! 乗員に注意喚起をお願いしますね」


『こちらドール号! 了解致しました! 通達致します!』


 2機のランカーⅡは海側から低空で艦隊停泊港湾内に飛行して入る。


 灰色の2機のランカーⅡの巨体が轟音とともに港湾に姿を現すと、艦隊艦船数十隻の甲板上にいた乗員達が驚きの表情で見ているのがキャビン窓から見えた。そして2機のランカーⅡは旗艦ドール号周辺を何回も旋回飛行する。ドール号の艦橋内の乗員の慌てふためいた動きが見える。


 カーター機長が声を上げる。

「陛下にドール号から通信が入っています! 切り替えます」


「はい、お願いします」


『こちら帝国第一艦隊司令官、ガインです。陛下、お戯れが過ぎるのでは無いですか? 将兵が怯えております。どうかご容赦をお願い致します』


「エランです。私は異国の地にいる。第一艦隊を表敬訪問しているだけですよ。他に意は有りません」


『エラン陛下! 我が第一艦隊は陛下に叛意などございません! 表明に時間を要した事は謝罪致します。どうかご容赦をお願い致します』


「そうですか。ではあとで確認の使者として代理人を差し向けます。我が配下、大魔導師ローラです。心も読めるので注意して下さいね」


『はっ! エラン陛下了解致しました! 歓迎致します』


 そう言ってドール号からの無線は切れた。エランがカーター機長に声を発する。


「ミッションクリアです。王城へ向かって下さい」


「はい、了解です!」


2機のランカーⅡは旗艦ドール号の艦橋の横を通過して高度を上げ旋回した。


 エリーが嫌な顔をしてエランを見る。

「あゝ、船に乗るのですか」


エランは微笑みエリーの手をとる。

「もう、敵対心は無いでしょう、戦闘は起こりませんよ。それに旗艦ドール号で美味しいカレーが食べれますよ」

エリーの顔が嬉しそうな顔になる。

「カレー? 私食べたことありませんね。そんなに美味しいのですか」


「ええ、私は一回食べた事がありますが、美味しいですよ」


「わかりました。そのお役目お任せください」

 エリーは微笑んで言った。

 

 ランカーⅡはベルニス王城上空に到達し着陸体制をとっていた。王城内では人々が動き回り混乱しているのが明らかわかった。エランはそれを見て微笑んでいる。



最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

 これからも、どうぞよろしくお願いします。

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