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皇帝権限奪還 第108話 皇帝護衛隊15

エリーは今後について打合せする。


 帝都出撃翌日朝、エリー達がアンドレアを出撃してから32時間ほど経過している。ここは帝都ドール城内。


 エリーとリサは皇帝執務室のソファーに並んで座って真剣な話をしていた。リサのベルニスについての知り得る情報を話していた。そしてエレンは、執務机で閣僚の打合せ内容について、セリカと今日の朝着いたばかりのハリーと話し合いをしていた。


 そこにドアのノックする音がする。エレンが声を上げる。

「どうぞ!」

 ドアが開いてビアが入って来て一礼する。

「エラン陛下! マーク閣下が到着されました。御目通り願いたいとの事なのですが。いかが致しましょうか?」

 

 エランは少し考えて答えた。

「ええ、ここへ通して下さい」


 ビアは一礼して声を上げる。

「はっ! 畏まりました! 直ぐにお通し致します」

 そう言ってビアは直ぐに出て行く。


「マーク閣下、宰相になられるお方ですね」

 エリーがソファーから立ち上がり言う。

「確か私の戦線区の帝国司令官でしたよね。なかなかのお方だと聞いています」

 エリーはリサを見て言う。

「お話しは一旦中断しましょう。またあとでね」

「はい、了解致しました」

 リサは微笑み答えた。そしてドアがノックされビアが入室して一礼する。

「エラン陛下、マーク閣下をお連れ致しました」

 そして将官軍服の男性と情報士官軍服の女性が入室して深く頭を下げる。

「エラン陛下、ただいま到着致しました。第三軍司令官、マークで御座います」

「第三軍司令官付き情報士官、ミリアで御座います」

 そして2人は跪き頭を深く下げた。

 エランは椅子から立ち上がりマークに近寄り手を取って言う。

「マークさんお待ちしておりました。頼りにしております。どうぞこれから私のこと、そして帝国をよろしくお願いしますね」

 そしてエランはマークの手を握り締める。マークは少し驚いた顔をして言った。

「陛下! 勿体無いお言葉! 身に余る光栄に存じます」

 マークはさらに頭を深く下げた。そしてマークは申し訳なさそうに言う。

「陛下にご報告したいことがあるのですが、よろしいでしょうか」

 エランは直ぐ答える。

「どうぞ何なりと申して下さい」


「はい、実はですね。隣に控えております。ミリアを妻に迎えたく陛下にご許可を頂きたいのです」


 エランは少し考えて言う。

「結婚に私の許可が必要とは思いませんが」

 マークはエランの顔を見て言う。

「宰相の妻となるのですから、陛下の許しが必要と思いまして」


 エランは直ぐに答えた。

「マークさん、何をおっしゃっているのですか? マークさんが妻とすると決めたのなら、私が口を挟む余地など有りません。もし私がダメと言ったらあなたはどうするのですか。ミリアさんが可哀想ですよ」


 マークは再び頭を下げた。

「申し訳有りません。陛下の心情を乱すような振る舞いを致しました」


 エランはミリアの手を取り言う。

「ミリアさん後悔はないの、このような方と結婚して」

 ミリアは微笑みエランの顔を見て言う。

「陛下、マーク閣下は私には過ぎたお方です。後悔などとんでもないことです」

 

 そしてエランに深く頭を下げた。

「そう、なら問題はないですね。私が結婚の立会人になりますわ。それでよろしいでしょうか」

 エランは立ち上がりマークを見て言う。

「マークさん、ミリアさんを幸せにしてあげてね」


 エリーはミリアを見つめて不思議そうな顔をして言う。

「ミリアさん、あなたは・・・・・・、まあ良いですけどね。幸せになって下さいね」


 ミリアは立ち上がりエリーのそばにより跪き頭を下げて言う。

「エリー様、申し訳有りません。今回の件お許しください」


「ええ、良いですけど。魔力はキチンと制御して下さいね」

 エリーはミリアの瞳を見て少し嫌な顔をする。

「エリー様・・・・・・、私に何か?」


「ええ、あと少しお話ししましょう。2人だけで」


「はい、わかりました」

 ミリアは少し不思議そうな顔をして答えた。


 エリーの横にマークがやって来て一礼して言う。

「エリー様、お会い出来るのを楽しみにしておりました。本当にお美しく成長され、そして強くなられましたね」

 

 そして跪き頭を下げた。エリーはマークを見て言う。

「遠い昔にお会いしたような感じは致しますが、残念ながらハッキリとした記憶はございません。申し訳有りません」

 エリーはそう言って頭を下げた。マークは嬉しそう言う。

「エリー様は本当に素直で優しい、お嬢様に成長され嬉しい限りです」

 

 エリーはマークの顔を微笑み見つめる。

「今後、エランお嬢様のことをよろしくお願いします」

 

 マークはエリーの顔を見て言う。

「もちろんお姉様を支えるためにここに参りました」


「それでは、今後の予定についてご説明致します。ご挨拶が遅れましたが、わたくしハリー=ジョージアと申します。エラン陛下のサポートをしております。よろしくお願い致します」

 そう言ってハリーは頭を下げた。


 ハリーは室内にいるメンバー達に今後の予定について説明した。

帝国の今後の政策運営方針について連邦国との和平交渉、周辺国との関係改善、国内の財政立て直しなど、短期間でよくまとめられた内容だった。

 

 エリーはそれを聴きながら思っていた。

(さすが、ブラウン商会の頭脳! そして元セリーナの叡智ですね。ほんとハリーさんがいて良かったよ)


 そして1時間程してハリーの説明は終了した。このあと帝国新体制第一回閣僚会議が開かれるのである。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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