表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/445

皇帝権限奪還 第107話 皇帝護衛隊14

エリーはミナの彼氏と会う。


 帝都出撃翌日早朝。エリー達がアンドレアを出撃してから29時間ほど経過している。ここは帝都ドール城内。

 

 エリーは城壁外周を修練着でランニングしていた。

「おはようございます! ローラ様!」

 エリーが声のほうを向くと、見覚えのある近衛士官が立っていた。

(あゝ、昨日の食堂にいた士官達の中にいた見覚えがある)

 エリーは立ち止まり微笑む。

「お疲れ様です! 昨日はどうも」


「早朝からトレーニングですか? やはり大魔導師様となると日頃の鍛錬が違うのですね」


「ええ、イメージと体のズレは命取りですからね」エリーは頭を下げて走り出そうとすると近衛士官が言う。

「パンの美味しいお店があるのですが。よければどうですか? あと少しで勤務が終わるのでご一緒にどうですか」


 エリーは少し驚いたような顔をして言う。

「それはお誘いですか? 私を誘う・・・・・・、失礼と思いますが、あなた少し変わっていますね。普通は誘いませんよ」


 近衛士官が少し微笑み言う。

「ローラ様とお近づきになってお話をしたいと思ったのですが。それは失礼な事と承知しております。ですが興味が湧いたので自分に正直に申し上げたのです」


 エリーは少し考えてから言った。

「ええ、良いですよ。そのパンがおいしいのなら食べて見たいですね」


 近衛士官が嬉しそうな顔をして言う。

「本当ですか。ローラ様、味は保証致します」

 エリーは改めて近衛士官を見る。階級章は中尉、身長はエリーより20cmくらい高い長身だ。髪は金髪で目鼻立ちは整っている。瞳はブルーでイケメンの部類だった。

(この人、手慣れている。口が回るタイプだな、たぶんモテるタイプなんだろうけど。残念! お父様には及ばないけどね)


 エリーは微笑み言う。

「彼女はいらっしゃると思いますがよろしいのですか?」


「ええ、そういう感じでは無いのでよいと思います。それにいまアンドレアで消息不明になっているのです。あゝ、すみません。名を名乗っておりませんでした。近衛兵団、皇城警備隊、中尉、ハンス=エドマンです」


 エリーはハンス中尉を見て言う。

「その行方不明の彼女の名前は、なんとおしゃるのですか?」


 ハンス中尉はエリーの顔を見て言う。

「はい、ミナ=イーストと申します」


 エリーは少し考えて言う。

「近衛兵団飛行艦隊、近衛中尉、ミナさん・・・・・・、詳細は申し上げられませんが。連邦国内で捕虜になっています。生きていますよ」


 ハンス中尉が戸惑った顔をしてエリーを見る。

「それはどういった? ミナが生きているのですね」


「ええ、間違いなく。連邦国との和平が成れば帰国出来ると思いますよ」

 エリーは微笑み言った。


「今日はやはりやめておきます。そのソワソワした感じではダメですね。ハンス中尉また今度誘って下さい」

 エリーは微笑み頭を下げる。


 ハンス中尉は少し戸惑った顔をして言う。

「はい、そうですね。今日はやめておきましょう。また後日お誘い致します」

 

 ハンス中尉は頭を深く下げた。それを見てエリーは駆け出した。



◆◇



 ここは帝国領上空、帝国軍飛行船キャビン内。日が上り空が明るくなって行く。

 

 マーク中将はキャビン内座席に座り、隣のミリアに話し掛ける。

「あと二時間ほどで帝都か、ミリアはどうだ・・・・・・」

 

 ミリアを見ると虚な顔でマーク中将を見て言う。

「昨日は激しくて少し疲れました。マークはタフですね。流石に基礎体力の差を感じます」


 マーク中将はキャビンの窓を見て少し寂しい顔ををして言う。

「今日、新体制が発足し運営方針が決まります。私は宰相を拝命する。これから帝国はどこに向かうにですかね」

 ミリアがマーク中将の肩にもたれ掛かり言う。

「ここに集まるメンバーは、選ばれし者達です。良いほうに向かうはずですよ」


「楽しみです。エリー様と直接会うのは14年ぶりですかね。エネル=ダルクとの約束が果たせます」

 マークが少し嬉しいそうに言った。


「エネルとはどなたですか?」

 ミリアがマーク中将の腕を肩に巻き付けて言う。マーク中将はミリアの顔を見て微笑む。

 

「あゝ、私の尊敬する師匠のご子息だ。そしてエリー様の今の父親でもある」


 ミリアは少し考えて言う。

「ジョン代表ですか? 今回の全面的な皇帝支援・・・・・・、あゝ、納得がいきました」


 マーク中将が少し遠慮したように言う。

「今日の夜、娘との時間を作る。よろしく頼むな」

 ミリアは少し虚な表情から嬉しいそうな顔をして言う。

「まあ、気に入られる努力はします・・・・・・」


「娘はミリアと同い年だ。たぶん思うところは有るだろうがな」

 そう言ってマークはミリアの肩に手をそえた。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ