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皇帝権限奪還 第105話 皇帝護衛隊12

誤字が多いです。その都度修正しますので申し訳ありません。


 帝都出撃当日夕方エリー達がアンドレアを出撃してから19時間ほど経過している。ここは帝都ドール城内。 

 

 エリーは皇帝執務室内にいた。エリーは応接テーブルのソファーに座り緩んだ顔をして反対側に座るエランの顔を眺めている。

「なにその腑抜けた顔・・・・・・、エリー昼から気合いが全然無いけど?」


「ええ、お姉様大丈夫です。レベッカさんから急ぎの要件があるとのことなので、夕食を我慢しているのでこうなっているだけです」


「急な要件とはなんですか?」

 エランがソファーから身を乗り出す。


「要件はわかりません。直接お話しするとのことです」


 部屋のドアがノックされる。エランんが声を上げる。

「どうぞ! 入って下さい!」


 ドアが開きセリカが入って一礼する。

「レベッカさんがお着きになりました。ここにお通ししてもよろしいでしょうか? それともうひとり同行しております」


 エランがソファーから立ち上がりセリカを見て微笑む。

「はい、この部屋に案内して下さい」


「了解致しました」

 セリカは直ぐに退出した。


「同行者?」

 エランがエリーの顔を見る。

「あゝ、アンドレアのリサさんとか言ってましたね。ブライアン少将付きの情報士官です。私は会った事ないので知りませんけどね」

 エリーは相変わらず緩んだ締まりのない顔をしている。

「その顔、魔法で何とかならないの。とてもじゃないけど、これから来客を迎える顔じゃないわ」

 

 エランが嫌な顔をして言った。エリーはそれを聞いて少し魔力を体に通した。そしてエリーはエランの魔導波動を再現する。

「エリー・・・・・・、あなたそれって偽装スキルじゃないの? 私を・・・・・・」


 エリーはエランを見て意地悪顔をして言う。

「これでお姉様と瓜二つ。見分ける事は困難です」


 エリーはソファーに寝そべりさらにだらけた。エランは慌ててエリーの手を引っ張り引き起こそうとする。しかしエリーは相変わらずだらけた顔をして起き上がらない。

 そしてドアがノックされてドアが開くとセリカと2人が入って来た。3人は並び深く一礼する。セリカが戸惑ったように声を掛ける。

「申し訳ありません・・・・・・、陛下、かなりお疲れようですが、お客人の前です。その態度はいささか・・・・・・」


 エランがセリカに振り返り言う。

「違いますよ。こちらはエリーです! だらけているから注意していたのです」


 セリカが困った顔をしてエランを見て言う。

「ここまでとは・・・・・・、もはや見分けられません。どちらがエリー様かエラン陛下なのか? 私はエリー様と従者契約を結んでおりますが、エリー様の存在を認知出来ません。まさか隠蔽偽装スキルを?」


 ソファーに寝そべているエリーが、起き上がり少し嬉しそうな顔をして言う。

「ゴメン、そうだよ。お姉様がうるさいから少しね」

 そう言ってエリーはエランの魔導波動を解除した。

 レベッカの横にいた女性が駆け寄り跪き声を上げた。

「エリー様! お初にお目にかかります!  アンドレア国家上級魔道士、リサヒューズです! ご拝謁感謝致します!」


 そして横に立っていたエランに対してリサは頭を下げた。

「エラン陛下! この度、帝国掌握おめでとうございます。今後ともアンドレア共和国をよろしくお願い致します!」

 そう言ってリサは頭をさらに深く下げた。


エリーはレベッカを見て微笑む。

「今回どのような? 急ぎの要件とは?」

 

 レベッカは頷きドアに戻ると施錠をする。

「今回の件は最重要事案でございます。ブラウン商会、そしてこの大陸全土諸国家に重大な影響がございます」


「実は、代表も危惧されていた事案です。詳細はリサさんからお聞き下さい」


 リサが跪いたまま口を開く。

「エラン陛下知っておられましたか? 帝国がベルニス王国の支配下にあることを」


 エランは少し驚いた顔をする。

「え・・・・・・? 帝国の属国支配下の国ではないのですか」


「ええ、アイクルの巧みな偽装によりそう見えていただけです。アイクルもベルニス結社の構成員のメンバーでした」


 エリーはリサを見て微笑み言う。

「なぜ、そこまでわかるのですか? ブラウン商会でもまだそこまではつかんっでいませんよ。おぼろげには何となく背後になにかいる程度です」


 リサはエリーの顔を見て微笑む。

「はい、我々はあらゆる所に何百年も前からずっと潜って探っております。そしてことが起こる時は動き始めます。それがアンドレア魔導団です」


 エリーは少し嫌な顔をしてリサを見て言う。

「アンドレア魔導団? 魔導師団ではないのですか?」


「アンドレア魔導師団は魔導団の一部の組織です。魔導団はいわばアンドレアの秘密結社的組織で国の支配体制が変わってもずっと変わらず存続し続けています」


「今の総帥はブライアン様です。まあ、少し問題はありますが、総帥です」


 エリーは立ち上がり部屋の端の水差しを取りコップに水を注ぐ。

「でえ、重要なこととは」


「はい、この大陸全土が動乱に巻き込まれるということです」

 リサがエリーのほうを見て言った。


「ベルニスは必ず動き出しましょう、先手を打たなければなりません」


リサはエランを見て微笑み言う。

「エラン陛下に動いて頂きたいのです」


「ええ、協力は致しますがどのように」

 エランは少し戸惑った顔で言った。


 リサは手提げカバンを開き封書を取り出してエランに渡した。

「開けてもよろしいかしら?」


「はい、お願い致します」

 リサが頷くとエランは封書を開封して中身を確認した。エランは中身を読んで言う。

「理解しました。早急に手は打ちます。エリーもよろしくね」

 そう言ってエリーに封書を手渡した。エリーも内容を確認して頷き言う。

「はい、お姉様了解です」

 リサがエリーを見て言う。

「エリー様、こちらにそれを頂けますか」


 エリーが封書をリサに手渡すと、リサは封書を魔法で燃やした。

「へーーえっ! 今どきそんな芸当出来る魔導士いるんだ!」

 エリーがリサを見て嬉しそうに言った。


「珍しいですか? アンドレアでは普通ですが」

 リサが嬉しいそうに言った。エリーはリサを見て微笑む。そして視線を移して言う。

「話終わりましたね。これでやっと夕食ですね。それでは参りましょう。もう限界です」


 エランは呆れたように言う。

「ええ、食事にいたしましょう。食堂の方へ、みなさん移動してください」

 

 そう言ってエランがエリーの手を取り執務室から出て行くと残りの3人も慌てて後を追って出て行った。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

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