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皇帝権限奪還 第99話 皇帝護衛隊6

誤字は多いです。その都度修正していますのでご容赦ください。

 帝都出撃当日未明。ここはドール城内。

エリー達は摂政執務室前にいた。


 エリーは薄暗い部屋中のソファーに座る人物に話し掛けた。

「アイクル摂政殿、ただいま無事に帰りました」


 その人物は立ち上がりエリーのほうを見ている。

「私は陛下をかなり侮っていたようです。本当に芝居がお上手で私はすっかり騙されてしまいました」


 アイクルは奥に移動して棚を開け剣を取り出す。

「陛下、この剣をまさか使うことがあろうとは・・・・・・、この部屋にいても陛下の膨大な魔力を感じました。本当に残念です。陛下を生かしたことが私の甘さだったのでしょう」


 エリーは電撃棒を構えてアイクルを見据える。

「アイクル殿は文官ではありませんね。敬意を払いましょう」

 エリーはそう言うと電撃棒を収納ホルダーに入れる。そして軍刀を鞘からゆっくりと抜いていく。刃先がキラキラと魔力で輝いている。

 

 アイクルはエリーを見つめて微笑んだ。

「陛下、あなたは予想外ですね。私は心の中で、あなたを軽蔑して蔑んでおりましたが、それが芝居だと気づかぬとは私も愚か者ですね」そしてアイクルの雰囲気が一気に変わった。

 

 エリーはアイクルを視感して微笑む。

「アイクル殿は歴戦の剣士ですね。魔力覇気が只者ではありません。心してかからせていただきます」

 エリーは軍刀を握り直して下段右斜めに構え体勢を沈めた。エリーはアイクルを視感して声を上げる。

「その剣はベランドル王家継承のジークの魔導剣ですよね! あなたが使えるとは驚きです!」

 エリーは魔力量を上げ後方のビアに叫んだ。

「死にたくなければ全員退避して下さい!」


 ビアはその声に驚いて傭兵隊員達に声を上げる。

「さあ! 邪魔なようです! 急いで下がりましょう!」

 ビアは傭兵隊員達と慌てて後方に移動した。


 エリーは魔力量を増大させてアイクル目掛けて飛び出した。アイクルはエリーが間合いに入ると同時に左方向に猛烈な速度の斬撃を放った。エリーは攻撃体制から瞬時にその斬撃に剣先を入れていなそうとした。しかし軍刀は押し戻されエリーの体ごと横に引っ張られ大きく流され、そして壁に激しくぶつかった。エリーは腹部に激しい痛みを感じる。

 

 そしてエリーの口から血が噴き出した。

〈げふぉーーっ!〉

(内臓にダメージ受けてるよ! うーーっ、ジークの魔剣の力がここまとは・・・・・・)

 エリーは壁を背に膝をつく。エリーは腹部を左手で押さえて呟く。

「お姉様ゴメン! ここまでだよ・・・・・・、お姉様の力で勝ちたかったけど無理みたい・・・・・・」


 アイクルはエリーを見て少し顔を顰める。

「驚きです! 仕留めたと思ったのですが耐えましたね。ですが陛下、不用意に仕掛けすぎですよ。強者の余裕ですか?」


 エリーは口の中の血溜まりを吐き出すとエランの魔力波動を解除、魔力量を上げて治癒スキルを発動、全身に通した。


 アイクルが驚きの顔をしてエリーを見る。

「・・・・・・陛下、瞬時にそれほどのダメージを回復・・・・・・、もはや人間ではありませんね!?」


 エリーはゆっくり立ち上がりアイクルを見て声を上げる。

「ゴメンナサイ! 本意ではありませが、ここからは制限無しでやらせて頂きます」

 

 そしてエリーはアイクルを見て微笑んだ。アイクルはエリーを睨んで言う。

「陛下ではありませんね・・・・・・、似てはいますが違います。あなたは誰ですか?」


 エリーは軍刀に魔力を通して握り直して言う。

「エランの妹です。エリー・・・・・・いえ、王族名エレンドレークです」


 アイクルは少し動揺した顔をする。

「第二王女? そんなはずはない・・・・・・」


 エリーはスキル身体強化を発動そして魔力量を増大させる。エリーの体は青紫色に光り輝き眩いほどの猛烈な魔導覇気を周囲に放つ。

「アイクルさん、全力でやらせて頂きます。あなたは危険です。逃す訳にはいきません」


 アイクルはそれを見て後退りする。

「とんでも無い・・・・・・。あり得ない? あなたの底にはまだ得体の知れない巨大な力が有ります・・・・・・、それをまだ」

 アイクルは言葉に詰まり魔導剣を正面上段に構えた。

「私を危険とおっしゃっていますが。あなたのほうが遥かに危険だと思いますよ」

 アイクルは魔力量を上げ魔導剣へ通し、魔導剣は紫色に輝き魔力が迸る。


 エリーは周囲に猛烈な魔導覇気を放ちながらアイクルとの距離を詰めていく。アイクルはたまらずエリーに上段からの渾身の斬撃を放った。エリーは軍刀を振り上げそれを外へ弾き飛ばす。

 アイクルは強張った顔をしてエリーの左側へ移動して間合いをとる。


 アイクルはエリーを見て叫ぶ。

「魔導剣が! あなたはなんなのですか!」


 そしてアイクルはありったけ魔力をジークの魔導剣に注ぎ込む、魔導剣の色がドス黒い漆黒の煙に包まれる。


「これで終わりにしましょう! ジークの魔導剣の威力味わってください!」

 アイクルがエリーの前に飛び上がり上段から強烈な速度で斬撃を放った。エリーはそれを打ち消すように、少し遅れて軍刀に膨大な魔力を込めて掬い上げる。魔導剣とエリーの軍刀がぶつかり魔導剣が弾かれた。アイクルの顔が一瞬歪んだ。そしてアイクルの下腹部から胸部を裂いてエリーの軍刀の刃先が通る。

 アイクルは血を噴きながら後方に飛ばされて棚ぶつかった。

〈ぐーーっ!〉

 アイクルは棚にぶつかって、しばらくして前に倒れ込んだ。エリーは神眼でアイクルを視感して〈ふーーっ!〉と息を吐き、全てのスキルを解除する。


「本当に! このジークの魔導剣は厄介な代物ですね」

 そう言ってエリーはジークの魔導剣を床から拾い上げる。


 エリーは振り返り声を上げた。

「ビアさん! 終わりました! お姉様に連絡して下さい!」



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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