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アンドレア戦域93 帝国近衛兵団25

エリーはレンベルTYPEⅡの調整に疲れる。

 エリー機動大隊現地配備、15日目午後。


 ここはアンドレア領帝国国境付近、アンドレア防衛隊基地。

 

 エリーはレンベルTYPEⅡコックピット内にいた。エリーは機体とシステム作動チェックをしている。

(機動性は装甲軽量化で若干向上。マナ伝達ケーブル伝送効率アップで10パーセント関節出力向上ね。あとは実戦で補正して行くしかないか。でもレンベルと同じフレームて言っていたけどやっぱりフィリングが違うだよな)


 エリーはとりあえず各兵装システム作動チェックを終わらせ少し疲れていた。

「各作動は問題無しです」

 エリーはインカムから技官のカシムの声がする。

『エリー様、お疲れ様です。一旦休憩してバックパックシステムの確認を行います』


「了解です」そう言ってエリーはレンベルTYPEⅡを足を折り畳み跪かせる。

 エリーはセーフティロックを解除してコックピットシールド開放ボタンを押す。コックピット内に警報が鳴り響き、ゆっくりとコックピットシールドが上部に開放されていく。

 ユーリがレンベルTYPEⅡの足元に駆け寄って来て、ユーリは手を上げて声を上げる。

「エリー様! おやつの準備しています! 早く降りて来て下さい!」

 エリーはコックピットシールドの隙間から身を乗り出し機体フレームを器用に滑り降りた。

 ユーリはレンベルTYPEⅡを見上げて言う。「この機体、朱色のレンベルとは印象がだいぶ違いますね!」

 エリーが少し嫌な顔をして言う。

「そうだね、艶消しの黒だからね。なんか威圧感があるね」

 エリーがユーリの顔を見て微笑み言う。

「次は模擬戦闘とバックパックシステムのチェックだね」


 エリー達がレンベルTYPEⅡから離れると、すぐに商会の技官達がタラップを設置、ケーブルを接続データ処理を行う。


 エリー達は食堂ブースに入って4人掛けのテーブルに座る。ユーリも同じテーブルに座って言う。

「ミルクティーにしておきました。ボーグさんのバームクーヘンでよろしいですね」

 エリーがハッとしてユーリを見る。

「えーーっ! もう食べちゃうの?」

「エリー様、日持ちが心配ですので、早目に頂こうと思いまして」


 エリーはお皿に乗ったバームクーヘンを見て少し悲しそうに見つめる。

「あゝ、作戦から帰ったら食べようと思っていたんですが・・・・・・」

 エリーがユーリを恨めしそうに見て言った。そして切り分けられたバームクーヘンをフォークを刺して眺めて口へと運んだ。


「エランお姉様はどうしているにですか?  姿が見えませんが」

 ユーリがエリーを見て言う。

「ハリーさんと打合せをしています」

 

「まあ、今回の要だものね。みっちりやらないとね」そう言ってる間にエリーの皿のバームクーヘンは無くなった。そしてミルクティーを口にする。

「レンベルの機体調整はとりあえずもう終わるけど、あとの準備はどうなの?」

 そう言ってエリーはユーリを見る。

「はい、出撃前には全て完了予定です。ランカーⅡも7機全て到着待機して最終装備中です」


「あとは、帝都へ上手く入れたら良いのですが、14年振りの帝都・・・・・・」

 そしてエリーはユーリを見て微笑んだ。



◆◇



 ここは帝国領バーグア市、帝国軍第三軍司令本部、司令官室。


 マーク中将はソファーに座りファイルを見ている。

「守備編成はこれで良いだろう。こちらは予備戦力があまりないからしょうがないな」

 テーブルの反対側にはブラス参謀長が座り頷き言う。

「近い時期に大規模作戦が展開されるようです。中央軍で準備中とのことですが・・・・・・、皇帝陛下も行方不明のまま情報もないようです」


 マーク中将はブラス参謀長を見て微笑み言う。

「皇帝陛下の件は口外されていないのだろう。いつまで隠しているつもりなのかは知らんが。まあ、問題はないだろう」


 ブラス参謀長が少し不思議そうな顔をしてマーク中将を見る。

「停戦交渉に障害になるのではないですか?」


 マーク中将はブラス参謀長から視線を逸らしてソファーから立ち上がる。

「明日になれば何もかも変わっているかもしれませんよ」


 ブラス参謀長は少し嫌な顔をして言う。

「何か掴まれたのですか?」

 

「いや、勘だよ。なんとなくな」

 マーク中将は窓のほうへ視線を移し答えた。



 

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

 これからも、どうぞよろしくお願いします。

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