表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

顔を上げられなくても

作者: 朝焼 悠

俯いて歩く

顔を上げる

色々と眩しいから


街行く人の笑顔が

僕の孤独を濃い色で縁取るから


見下してきたやつのこと

馬鹿にしてきた奴らのこと

見返したい


結局足掻くだけ足掻いて

時間と心を

削るだけ削って

何もできなかった


本気だった

全力だった

もう言うのも恥ずかしくなるくらい

何も残せなかった


そうやって

時間を見送るだけの間に

ようやく気付いたんだ

僕がやってきたことは

全部無駄だったんだって


自分なりの

どん底に落ちて

上を見ても

俯いても

どっちも真っ暗で

動けなくなって

身体一つも

起き上がらせること

できなくなって


もう後の残り時間

ずっとこのままなんだって


ただそこまで来て

ようやく思えたんだ

このままにしてしまったら

本当に無駄になるって

あの苦しみも辛さも

誰に届く訳でもなかった

一人で世界と大嫌いな自分と

闘い続けてきたあの日々も

全部

嘘にしてしまうんだって


ようやく思えたんだ


僕は今日も俯いて歩く

顔を上げると

色々と眩しいから


今日も僕は俯いて歩く


立ち上がれたあの日から

今日ここまで

顔を上げられなくても

光を感じられる場所まで

ようやく戻って

きたんだ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ