顔を上げられなくても
俯いて歩く
顔を上げる
色々と眩しいから
街行く人の笑顔が
僕の孤独を濃い色で縁取るから
見下してきたやつのこと
馬鹿にしてきた奴らのこと
見返したい
結局足掻くだけ足掻いて
時間と心を
削るだけ削って
何もできなかった
本気だった
全力だった
もう言うのも恥ずかしくなるくらい
何も残せなかった
そうやって
時間を見送るだけの間に
ようやく気付いたんだ
僕がやってきたことは
全部無駄だったんだって
自分なりの
どん底に落ちて
上を見ても
俯いても
どっちも真っ暗で
動けなくなって
身体一つも
起き上がらせること
できなくなって
もう後の残り時間
ずっとこのままなんだって
ただそこまで来て
ようやく思えたんだ
このままにしてしまったら
本当に無駄になるって
あの苦しみも辛さも
誰に届く訳でもなかった
一人で世界と大嫌いな自分と
闘い続けてきたあの日々も
全部
嘘にしてしまうんだって
ようやく思えたんだ
僕は今日も俯いて歩く
顔を上げると
色々と眩しいから
今日も僕は俯いて歩く
立ち上がれたあの日から
今日ここまで
顔を上げられなくても
光を感じられる場所まで
ようやく戻って
きたんだ