急に友達になろうという子には裏がある
生活にも慣れてきた冬のある晩。私はふと目が覚めた。水でも飲もうと思い起きると「タスケテ…」という声が聞こえた。
誰かが助けを求めている?
私はあわてて外用の防寒具を身に着けると外に飛び出した。声はどうやら精霊の湖から聞こえている。寒くて凍えそうになるけれど、私は走った。
◇
精霊の湖にたどり着くと、一人の女の子が水際に座って泣いていた。女の子は白いワンピースを着た、赤髪のおかっぱ頭の子だった。なぜこんな夜にしかもこんな薄着でいるのか気になり声をかけた。
「どうしたの?」
「コワいの…」
「何が怖いの?」
「みんな…ミンナ…コロサレテ…」
「みんなってだれ?殺すって?何かされたの?」
「オカアサン…コロサレテ…スンデイルトコロも…」
そいうと女の子は泣き出してしまった。よくわからないが女の子をほっと置けない。
「あなたの事情は分からないけど、とにかく一度私の住んでいる家にいきましょう。私と一緒に住んでいるおばあさんがどうにかしてくれるよ。」
「みんなをタスケにいきたいけど、ココからウゴケナイ…力もナイ…でもあなたとトモダチになればドウニカなルカも…」
「よくわからないけど…わかった。今日から私とあなたは友達だよ。私、エル。あなたは?」
「ナマエ、ない」
「名前がないって、どいうこと?記憶を失っているの?」
「………」
「わかった。とりあえず、あなたのことをリンって呼ぶね?それでいい?」
「私の名前はリン…ありがとう。エル」
そうヨルが言った瞬間に強い風が吹き、私の中の何かが急激になくなっていくのを感じた。頭痛と吐き気を感じ、薄れゆく意識の中で「エル!!!」とおばあさんが私の名前を呼ぶ声がした。
◇
目を覚ますとそこは薬草などがいっぱいある調合室だった。
外で言い争っている声が聞こえたのでこっそり扉を開けてみるとそこにはおばあさんと赤髪の綺麗な女の子がいた。年齢は12歳ぐらいだろうか?
「そもそもなんであの子を巻き込んだい?!あの子は関係ないだろう!」
「いいえ!関係あるわ。あの子は黒の民の子よ。それに世界が滅びるのをただ待っている訳にもいかない!」
いつものんびりのおばあさんがこんなに声を荒げて怒っている姿は初めてで、思わず私は扉を開けた。
「おばあさん…?」
「エル!お前さん目が覚めたのかい?!良かったよ…」
そいうとおばあさんは私の事を強く抱きしめた。
「おばあさん、どうしたんですか?そんなに取り乱して…」
「エル、アンタはどこまでわかってるんだい?なんで精霊と契約しちまったんだい?」
「契約?なんのことですか?私はただ湖で女の子と友達になっただけですけど…」
「その友達が精霊だったんだよ。精霊にとっての友達とは、契約を意味している。自分の名前を告げて精霊に名前をつける。お互いに了承を得れれば契約を結べる。そして結んだ契約はほぼ消えることはない…」
「もし仮に、そうだとしても精霊と契約することってそんなにまずいことなんですか?精霊にたまにお願いことしてもらっても何も影響はないかったですけど。それと変わらないんじゃないですか?」
「確かに、ものを等価交換としての精霊にお願いすることは問題じゃない。だが、精霊と契約するときは、精霊の願いを叶える代わりにその契約した精霊の力を使えるようになる。細かいことはまた後で説明するつもりだが、エルは精霊とどんな取引をしたんだい?」
「精霊は、仲間を助けたい。ココから出たいけど出れない。助けてほしいと言っていました。それで私は助けたいと思って友達になりました。」
「なんてことだ…」
そいうとおばあさんは力尽きたようにがっくりと椅子に座り込んでしまった。
どうやら私が精霊と友達になったことはよほどまずかったらしい。
「一応確認だが、その契約には終わりを設定してあるのかい?」
「契約解除のカギは、精霊樹の奪還もしくは精霊樹の復活よ。」
今まで黙っていた赤髪のきれいな少女は言った。そうするとおばあさんは、また深いため息をこぼし黙ってしまった。
「エルには過酷な運命を押し付けてしまっていることは自覚しているわ。だけど、あなたしか世界は救えないし、何よりこれ以上同胞が苦しんで死んでいくことを私は無視できない。だからどうか、力を貸してエル。私にはもうあなたを頼るしかないのよ…」
「本当にちょっと待ってください。世界を救う?力を貸してほしい?どいうことなんですか?私には何がなんだがわかりません。そもそもあなたは誰なんですか?」
「自己紹介が遅れたわね。私はあなたと精霊の湖で契約したリンよ。精霊樹の娘の一人として改めてお願いするわ。私と一緒に精霊を救ってほしいのよ。」
どうやら私はとんでもないことに巻き込まれてしまったらしい。
すいません。だいぶ間が空いてしまいました。飽き性の私ですがまたちょこちょこ書いていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。




