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幼馴染がデートしているのを発見した

クリスマスまではあと二週間くらいある。


 それなのに、すでに街にはイルミネーションがある。


 おかしい。


 最近の人間はスマホを見る時間が長いのでただでさえ目が疲れがちだ。


 なので歩いている時くらい、目を休める必要がある。


 特に木など自然のものを眺めて落ち着いた気持ちになるのが大切だと思う。


 それなのに、その木にイルミネーションを巻きつけるとか、まじで何がしたいって感じだ。


 まあイルミネーションが光る頃には木の緑は見えなくなってるからいいのかもしれないけど、やはり木に失礼だと思う。


 とか言ってるけど実際は、クリスマスまでまだあるってのになんか楽しそうにイルミネーションの通りを歩いている人がうらやましいって思ってるだけなんだよね。知ってると思うけど。


 あそこの中に入れるとしたら、木の役をやってイルミネーションを体に巻きつけられている自分しか想像できない。


 小学生のとき、五年連続で木の役を学芸会でやっていたからだろうか。


 ちなみに小六の時は草の役だった。変わらん。




 ……と、そんなことを考えながら僕は電車に乗っていた。


 停止信号で電車は止まっている。窓の外にはイルミネーションの通りが見える。


 人が沢山歩いている。


 実際ただ目的地に向かうために通っている人もいるので、カップルばっかりってことはない。


 だからなおさら、あそこでめっちゃいちゃいちゃしながら楽しそうにしてるお二人さんはすごい目立ってますねえ。




 ん?




 暗い中でもわかってしまったことがある。


 楽しそうにしているお二人さんのうちの女子の方。


 僕の幼馴染じゃんかよ。そして男子の方がおそらくイケメン。




 なるほどな。


 ついに波菜はなにも彼氏ができたか。


 なるほどなあ。


 と納得してんだか自分でもよくわからない気持ちになっていると、視線を感じた。


 窓の外からの視線ではない。


 電車の中からの視線だ。


 僕は窓の外から電車の中に意識を戻す。


 電車が動き始めた。


 僕は振り返ってみた。


 一人の、女の子がいた。


「おお、海菜みなか」


「こんばんは、割と久しぶりですね、悠太さん」


 後ろにいたのは、海菜。


 波菜の妹だった。

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