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ノーフェイス・スラッガー  作者: 遊木昌
2/10

取締の仮面Ⅱ 『無謀』

真昼の住む場所は25区と言われており、『平民』から下の階級『農民』の居住区である。

ここ、25区では地上から貨物船により運び込まれ食料やその他物資を搬入して、各区間へと物資を運ぶ区間である。


20区から上は『平民階級』と『貴族階級』その更に上には『連邦国家』と言う一人で国家を支えれる権力と財力を持った。

この世に産まれた時点での勝ち組の階級が存在していた。

農民は25区で降ろされた荷をまず、1区から10区の連邦国家階級と貴族階級の居住区で自営業のホテルや料亭に食材を売りに行き。

10区から20区のお店やスーパーにも野菜を売る、それが毎朝の業務である。

そして、25区に戻り輸送船と共に地上へと戻る。


「どうも、毎度お馴染み。貴方の為の情報屋『ピエロ』でーす」

大量の書類をバーに持ち込んだ男に店長は、殺気丸出しの目で「下に行け」と命令する。

バカ丸出しの男『槌 京谷(つち きょうや)』夏場でもロングコートにフードで顔を隠す。

真昼とは長い付き合いで、情報関係には強い。

「バカかよ、店長は優しいけど情報屋を嫌ってる。それなのに自分から名乗る奴がいるかよ」

バーの店長は基本優しい。

しかし、情報屋を意味嫌っている理由は分かない。

バーの地下では京谷が集めた大量の書類と玲奈を隠し撮りした写真で埋め尽くされていた。

何故玲奈の写真があるのかは真昼は触れず、書類を手に取り目を通す。


10区に本部を置く『反仮面(ノーフェイス)』10区支部では多くの反仮面の部隊が毎日慌ただしく仕事に励んでいる。

そして、その25区反仮面支部に所属している、『桜華 玲奈(おうか れいな)』の1日は早い。

中学生とは思えない程しっかりとした生活を行っている。

毎朝4時半前に起床。

顔を洗い動きやすい服装に着替え、自宅のアパートから出て周辺をジョギングで一周。

5時20分頃に帰宅した所でシャワーを済ませ朝食、そして、6時前に学校へと持っていく弁当を作り学校の支度。

6時半には、アパートを出て学校行きのバスに乗り7時半には学校に到着。

学校が終わり16時出発のバスに乗り、25区反仮面支部に到着その後は反仮面てしての雑務や訓練やらで疲れた体に、食堂での『超大盛り日替わり野菜炒め定食』を平らげ21時にアパート帰宅――


真昼は資料を閉じて隣でくつろぐ京谷やに自分が抱いた疑問を投げ掛ける

「なぁ、京谷…報告を見て、1つだけ疑問がある……」

「何ですか? 真昼の旦那」

真昼はフードで顔を隠した京谷の頭を資料で思いっきり叩く京谷は頭を抑えその場にうずくまる。

「誰が桜華玲奈の身辺調査をしろって言ったよ。反仮面の今後の動きを知りたいから情報を集めろって言ったのに…本部の情報じゃなくて、末端の25区。それも、中学生の情報でどうする!」

真昼が見たのは、その中でもまだ初日に集めた分の半分であった。

「そ…そんなー」

京谷は資料の山に倒れる、資料は辺りに散らばり資料がぐちゃぐちゃになると、ますます真昼の機嫌は悪くなる一方であった。

「失礼しやーす。情報屋でーす」

「何…! 真昼ちゃん、俺の他にも雇ってたの!」

京谷は真昼に裏切られたショックに心痛め、再度倒れる。

「情報でーす。情報料いっすか?」

真昼は、数枚の書類に目を通すがぐちゃぐちゃにしてゴミ箱に捨てる。

「――情報料は()()()

「はッ? んだと!」

殴りかかる男に真昼は背を向け、そのまま流れる様に背面で拳を避け、男の腕を掴み投げ飛ばす。

「……がはッ!」

背中を強打した男の側に立つと、真昼は男の腕を踏み動きを封じる。

「俺に…嘘の情報持ってきた。そうなんだろ、どうよ?」

「…な……くそがッ!」

男はその場から逃げようとするが、腕を踏みつけられているため動けば動くほど腕の関節がミシミシ音を立てる。

「動かないことをオススメする。さて、君は俺に嘘を売り付けたと言う事で良いのかな?」

真昼は足に力を込め、男の腕をへし折ろうとする。


「…く…くそがッ!」

男は自由になっている手で仮面を付け、足を振り払う。

体勢が崩れた真昼に拳を降り下ろそうとするが、後ろから青紫色の模様が入った猿の仮面を付けた京谷が男の首を掴み壁に向け投げ、跳ね返った所に蹴りを入れる。

男は泡を吹いて倒れその後意識を無くす、数秒して仮面も砕け落ち男は店長の元へと運ばれる。

「ハァ…信頼できる情報屋はいないのかな?」

真昼は京谷へと振り向くが、その目は冷めきっていた。

「おいおい、俺がたかが中学生の情報だけで、何日も時間掛ける思うか?」

「へ?」

真昼はその言葉を聞くと、急いで散らばった資料に目を通す。

すると、京谷は玲奈の情報以外にも反仮面の動きが予測された資料とその間に、動きがありそうな場所をリストアップされた資料が幾つもあった。

この情報が正しければ、真昼の欲しかった情報は既に揃った。

京谷は、興味本位で玲奈の情報を集めており、本題の反仮面の動向もちゃんと探っていたのだ。

「持つべき物は…最高の仲間と情報屋だな。京谷」

「照れるぜ…。さて、準備は整ったか? 真昼の旦那」

真昼は京谷の資料を片手に、上のバーへと登る。

「店長、電話貸して」

すると、店長はライターを取りだし、ライターの火を真昼に近付ける。

「あぁ、もちろん()()()()()()()()は持ってるよ……」

白色の名刺がライターの火で燃え、燃えカスが灰皿に落ちる。


「お前らも、準備しとけよ。参加は自由だ」

真昼はそのまま、学校へ行くため鞄を手に取りバーを後にする。

「今日は、簡単には寝れなさそうだな」

真昼は始発のバスに乗り込み、学校へと向かう。



桜華玲奈は普段通り、バスに乗り学校へと向かう。

しかし、今日はいつもと違っていた。

普段なら、玲奈が乗ってからバス停を2つ過ぎれば満員になる筈だが、この日は全く乗らず右隣で眠る、真昼の二人だけであった。

玲奈はあの日、私立公明学園での事件以降真昼と出会った時の事が今だに頭から離れないでいた。

「聞くべきなのかな? でも、気持ち良さそうに寝てるし…」

真昼は窓にもたれ掛かり、気持ち良さそうに寝ている。

あの日、玲奈は3人の仮面能力者の相手をしていて体育館に来た時には、事件は終わっていた。

本来なら全く問題が無いのだが、訓練を受けている『仮面能力者鎮圧部隊』の玲奈ですら3人を相手にするだけでも相当骨が折れたのに対して、体育館で伸びていた能力者は5名以上。

その全てを相手にしたとされる、真昼は汗1つ流していなかった。

それ所か「待ちくたびれた」そんな事を口にする程の余裕が合ったのだろう。

玲奈は寝ている真昼に近付き、寝顔を何故か覗く。

自分でも、何故覗いたのかは分からなかったが、玲奈は顔を赤く染める。

すると、急なカーブによって玲奈の膝に真昼の頭が乗っかる。

寝ている人間を起こしてしまっても良いのだろうかと玲奈は慌てるが、冷静に考え結局そのままにしてしまう。

「綺麗な髪色。寝顔も子供っぽくて何だか、大きな子供見たいですね」

そこで、真昼は目を覚まし上を向くと玲奈と目が合う。

「いや……これは、すまん」

驚きつつも、真昼は誤り頭を膝から上げる。

「いえ、私は大丈夫です…ハイ」

気まづい空気になるが、しばらくして、学園前のバス停に付くと玲奈は駆け足でバスを降りる。

「嫌われたかな……ん?」

椅子から立ち上がろうとした所で、足で何かを踏みつけてしまい、落ちている物を拾う。

「生徒手帳…か――」

手帳を手にバスを降りる、少し歩いた校門前では賢治が真昼を待っていた。

「久々に――楽しみが増えそうだ」

賢治は鼻歌混じりに、階段を登る、真昼は不意に玲奈が通っている中等部の方を見る。

「何だ何だー。やっぱりお前も気になるか、中等部に舞い降りた。天使、女神。その名を桜華玲奈」

真昼は賢治の話に耳を傾けるが、玲奈と中等部の可愛い後輩ランキング等という全く別の方向へと変わっていき、少しだけめんどくさく感じた。


「玲奈さんは。す…すき…好きな人いるのですか!?」

「彼氏っている? いないなら、僕と付き合わない?」

「可愛いなー。天使だなー」

「好きな人のタイプは? もちろん僕だよ…ねッ?」

玲奈のクラスには、高等部や中等部の男子が集団で押し寄せていた。

その中でも、高等部は勢いが強く。

中等部の後輩を押し退けて、玲奈に告白や質問が水の様に押し寄せていた。

そん現象が続き、女子生徒の間では『水の告白』と呼ばれ、玲奈のクラスでは朝の時間と放課後に列を作り玲奈と話の出来る時間を設けた。

その影響で、連日告白を受ける玲奈に友達の女子が『水の告白』の命名したのだ。

真昼と賢治は手帳を届けに来ただけであっても、休み時間に話し掛けようとした男子は……男子だけの暗黙のルールによって、人知れず消される運命となり、仕方なく放課後の時間を利用して並んで見たものの一向に列が進まない。

それ所か、質問や告白の際に過剰にアピールする者が続出していたため、その対処に時間を割かれていた。


「……めんどくさい」

その一言に賢治は、汗を滲ませながらその場に真昼を止める。

「真昼さん…ここまでの努力が水の泡になりますよー。私、それだけはイヤだなー」

賢治は何とか真昼を説得すると、あまりの嬉しさに後ろに並ぶ後輩とはいタッチ。

そうこうしているうちに、真昼の番近くなって来た。

「次の方どうぞー」

「矢印の順にお進みくださーい」

真昼は今更ながら、自分はアイドルの握手会に来てるのではと錯覚させる、この企画に心底引いた。

(それに並ぶ、俺も俺だけどな……)

そして、遂に自分の番になり、玲奈の正面に立つ。

「―あッ…」

玲奈は真昼に驚き、みるみる赤くなっていく顔を背ける。

それを見ていた、玲奈ファンA(中等部後輩)は玲奈の表情に衝撃を受ける。


「あぁ、それとコレ…落としてたよ」

真昼は生徒手帳を渡すと、ファンAがクラスの女子生徒を押し退け真昼に食って掛かる。

「邪魔だ!」

「キャ…!」

転びそうになった女子生徒の手を掴み賢治は自分の元に引き寄せる。

「大丈夫?」

「は…はい……」

賢治は微笑み、女子生徒は頬を赤く染める。

「お前と、玲奈ちゃんはどんな関係だ! 正直に答えろ!」

ファンAは怒鳴り、真昼を睨む。

「ただの後輩先輩だよ。何か勘違いしてる、俺は落とし物を届けに来ただけだ」

ファンAは「そうか…」と冷静になる。

そして、真昼はファンAが押し退けた女子生徒を指差す。

「お前さ、気付いてた? 女子を押し退けてまで俺に突っ掛かってきた事を」

「それは、すまなかった」

ファンAは女子生徒に頭を下げる。

しかし、女子生徒は賢治をチラチラ見ていて気付いてすらいなかった。

「お前らも、告白とかするのは良いけど。もう少し、回りを良く見て行動しろよ」

真昼はそのまま教室を出ようとすると、玲奈は感謝をのべる。

転んだ女子生徒と玲奈に手を振りながら、賢治も真昼の後に続く。

その日を境に列は少なくなり、朝と放課後に静かな時間が出来たのだった。

「ねぇ、玲奈ちゃん。あの桜色の髪した先輩とホントに何もなかったの?」

「ど…どうしたの雨ちゃん粋なり…」

玲奈は隣の席の『星乃 雨音(ほしの あまね)』の質問に驚く。

「何でそう思うの?」

玲奈は雨音に聞き返すと、雨音は少し考えたのちに答えた。


「私の仮面が『()()()』能力だからかな? あんなに強そうなオーラ出してる人が、こんな学校で普通にいると思う? 絶対玲奈と同じで反仮面の部隊にいる人だよ。でも、玲奈と違って隠してるのかな?」

玲奈はアパートへと帰宅すると、雨音の言った事な気になっていた。

(私の所属する部隊には桜色の頭髪の人はいない。別支部の人が別支部の管轄地域に住む何て話も聞かないし……。)

シャワーを浴び髪をタオルで拭いていると、玲奈の携帯から着信音が鳴り響く。

「もしもし、桜華ですが?」

『桜華隊員、至急指定する座標に向かってくれ。今までとは比較にならん程の仮面能力者達だ……先に部隊を送ったが、戦力的にこちらが不利。新人だが、優秀な君を信じている』

「―了解!」

玲奈は黒色の対仮面能力用の戦闘服に着替える。

服のポケットやホルスターにはナイフと銃を取り付け、腰のベルトには2種類の捕縛用のゴム弾と実弾の弾倉を用意する。

アパートを急いで出て行こうとするが、扉の前に人気があった― それも、殺気を出している。

もしも、彼らが通信通りの『比較にならんほどの仮面能力』だとしたら……しばらくして、玲奈はゆっくりと扉を開ける。

辺りには人影は無いことは確認したが、警戒を怠らずに座標までの距離を走る。

アパートの階段から最上階へと上り、手すりを足場に跳躍。

建ち並ぶ高層ビルを横目に、家や電柱等を足場に座標までの最短ルートを走る。

指定された座標は25区から上の区間に運ぶためのコンテナが高く積み上げられている場所、コンテナ保管場所中央だった。


玲奈はホルスターから銃を取り出し常に警戒して、少しずつ中央に向かって進む。


すると、玲奈はコンテナに横たわる様に倒れている別部隊の隊員を見付け、急いで駆け付ける。

急ぎ角を曲がると、幾つものコンテナが倒れ。曲がり。破裂した状態で至るところに倒れていた。

玲奈は真っ白な頭で辺りを見回す、仮面能力者は見当たらないがその代わりに、特殊スーツから血が垂れた隊員が多く倒れていた。

「う…嘘よ、こんな事ってあるの?」

玲奈は驚きを隠せずにいると、1人の隊員が意識を取り戻す。

「―ハッ! ここで何があったか覚えていますか? 他の部隊は?」

男の隊員はゆっくりと玲奈の肩を掴み、険しい剣幕で突き飛ばす。

「―ッ! 何をするんで――」

「早く逃げろォ!」

玲奈の背後には、青い狼の仮面を付けた人影が立っていた。

「ようやく会えたね。25区1優秀な反仮面隊員さん」

男の声と共に仮面は青い炎となり消える。

「俺の手下共が、大分お世話になったな……たっぷりお返ししてやるよ」

男は笑みを浮かべ、手に持っていた鉄パイプで玲奈に殴りかかろうとする。

一発の銃砲に男は動きを止める。

「そこまでだ。五級危険仮面能力者『朝陽 大誠(あさひ たいせい)』仮面危険視法の元に、お前を逮捕する」

「やってみろよ!」

玲奈の後ろからゴム弾を発砲し続けるが、大誠はパイプでゴム弾を全て叩き落としていた。

「そらそらそらァ!」

大誠はパイプ巧みに扱い、ゴム弾を防ぐが大量に放たれるゴム弾の中に一発の実弾が混ざっていた。

パイプに当たると、パイプは男の手から滑り落ちるようにして遠くのコンテナまで吹き飛び、防ぎきれれないゴム弾の痛みにうずくまると大誠は仮面付ける。

「テメェらはぜっっっってぇ、コロス!」

大誠は両手を地面に突き姿勢を低くしたまま、ゴム弾の起動から退く。

「全隊員に告ぐ。対処は仮面装着、仮面を装着……確実に実弾で足を狙え。動けなくなった所を確保する」

「「「了解…」」」


玲奈の手を掴み、大人数の隊員がゆっくりとコンテナの迷路を移動する。

「桜華隊員は仮面の用意を、我々の仮面では歯が立たない。だから、ウバァ…ッ…!」

先頭を行く隊員の体に巨大なコンテナが落ちる。

「何これ……」

玲奈は絶句する、大量のコンテナが玲奈達に降り注ぐ。


「この仮面の固有能力は『殺気に敏感』な所で、俺個人としての仮面能力は俺自信が触れた無機物を動かす『無機物操作』だ!」

玲奈は仮面を付け、九本の尻尾から機関銃を出現させる。

「全弾……発射!」

銃弾により落下位置がズレ、コンテナは左右に別れて落下していく。

だが、機関銃の弾は尽き欠けていた。

「くッ……くそぉ!」

機関銃の弾が全弾切れてしまう、玲奈は直ぐに再装填するが―間に合わない。

「――しまっ……」

玲奈は目を瞑る、すると何処からともなく声が聞こえる。


「嬢ちゃん。目を閉じるには少し早すぎるぜー」

「え……」

落下するコンテナが一斉に消え、遠くの方で落下する。

「ふぃー……コレ疲れるから、もうやりたくないだけどー」

「そう言うなって、ホレ見てみ。反仮面の隊員さん達に恩売っとくチャンスだぞ?」

赤色の模様をした狼の仮面と黄色の模様をした蟹の仮面のを付けた二人組が言い争っている。

「あーもう、うるさい! あなた達は後でお仕置きです!」

「ざまー……にししッ」

黄色の模様をした虎の仮面と赤色の模様をした蛇の仮面を付けた四人がコンテナから、玲奈と大誠を囲む。

「テメェら何もんだ! 初めて見る仮面だな、てことはよそ者か……」

初めはビビっていた大誠だが、彼らの威圧に慣れたのかそれとも敵ではないと思ったのだろう。

大誠は高度を下げ、虎仮面と同じ高さで高度を保つ。


「手を組まないか、俺達で? そうすれば反仮面何て敵じゃねぇ…どうだ?」

その発言に反仮面は一斉に銃口を向けるが、大誠が動かすコンテナに邪魔され能力者に銃口を向ける所の問題ではなかった。

「ここは落ち着かねぇ……ここから少し先に行ったところに俺らのアジトがあるんだが、そこでゆっくり話をしようじゃね――」

「――申し訳ないが、この群れのボスは私ではない…彼だ」

虎が指差す先には、満月をバックに紫色の模様をした鬼と青紫色の模様をした猿の仮面をした二人の間にフードを深く被った男が、宙を歩く。

フードの男は右手を上げ、大誠を指差す。

その手の動きを見た右にいた鬼仮面は、大誠に向けて雷を放ち丸焦げにする。

「―どうやら、後は『反仮面(ノーフェイス)』の方々が片付けて下さるそうだ。お前ら行くぞ…」

男は振り向き、急いで帰ろうとした所を玲奈が発砲する。

「逃がしません! 貴方も能力者だと言うなら、能力の無断使用で貴方を一時的に拘束します!」

玲奈は銃を向け続けるが、割って入った隊員に銃を下ろすように命じられる。

「何故で――」

「少しは落ち着け…現状で彼らと争うには、私達は不利過ぎる。回りを見たまえ」

玲奈は辺りを見回し傷だらけの隊員達を前に、玲奈は自分のバカの無謀さにその場から逃げたしたくなった。


「君には、まだこの世界は早すぎたかもな……」




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